パスワード使い回しが止まらないのは「人間らしさ」のせい
「パスワードの使い回しは危険」
「同じパスワードをいろんなサイトで使うのはよくない」
これは、ほとんどの人が知っている「常識」ですよね。
でも、実は多くの人が、この常識通りに行動できていないのが現実なんです。
LINEヤフーが調査した結果によると「複数のネットサービスやスマホアプリで同じパスワードを使っている人は48%」だそうです。
なぜパスワードの使い回しは良くないの?
それは、一つのサービスでパスワードが漏れてしまうと、それを悪用して他のサービスにも不正ログインされる可能性があるからです。
Webサービスでの情報漏洩があった場合、あなたがそのサービスで他のサイトと同じパスワードを使っていたら、もしかしたらあなたのXやAmazonのアカウントも、知らない人に乗っ取られてしまうかもしれません。
そういった危険性があるということを知っている方は多いと思います。
でもやっていないって人も多いのではないでしょうか。
私も使い回しているパスワードたくさんありました。
知っているんだけど、やっていないということってよくありますよね。
押さえておくべきポイントは「知識がある=正しい行動ができる」とは限らないということだと思います。
なぜ知識はあっても行動できないのか。
なぜパスワードの使い回しが危険だと分かっていながら、やってしまうのか。
気になって色々調べたので、今日は「人の心理」についてお話ししたいと思います。
私たちは合理的にズボラ
まず理解してほしいのは、私たちの脳にとって、パスワードを使い回すのはとても「合理的」な選択だということです。
脳は、毎日膨大な量の情報を処理しています。朝起きてから夜寝るまで、何を着るか、何を食べるか、どの道を通るかなど、無数の判断をしています。もし全ての判断に全力で考えていたら、脳は疲れ切ってしまいます。
そのため、脳はなるべくエネルギーを使わずにすむように、「いつも通り」に行動することを好みます。
これを行動経済学では「限定合理性」と呼ぶそうです。
つまり、完璧に合理的ではないけれど、限られた時間とエネルギーの中では合理的な判断をするということです。
パスワードもまさにそうです。
毎日何十回もログインするのに、その度に複雑なパスワードを思い出すのは大変です。だから脳は「いつものパスワードを使おう」といういつも通りを選択をします。
これは脳が省エネに活動するために、「あえてズボラにしている」という状態です。
自分には関係ないという思い込み
私たちが自分のことを楽観的に見てしまいやすいという性質にあります。
これを「楽観性バイアス」といいます。
たとえば、「情報漏えいのニュースは見るけど、自分は関係ない」と思ったことはありませんか?
あるいは、「自分のアカウントなんて狙われるはずがない」と感じることもあるかもしれません。
そして自分が被害に遭うと「まさか自分が被害に遭うなんて…」と言ってしまいます。
こうした考えがあることにより、パスワードの使い回しを続けてしまう原因になります。
今のままでいいや思考
人間は、新しい選択肢を前にしたとき、たとえその選択肢のほうが良いと頭ではわかっていても、今の状態を変えることにストレスを感じます。
それが「現状維持バイアス」です。
「今まで問題なかったし、変えるの面倒」
「今すぐ必要じゃないし、後でいいや」
などと考えることありませんか?
私はよくあります。
私たちの脳はズボラで、楽観的で、保守的
ここまでみてきた通り、私たちの脳はこんな感じです。
ズボラ(=脳が判断できる回数を抑えようと省力化)
楽観的(=自分には関係ないと思いがち)
保守的(=現状からの変化を嫌う)
「パスワードを使いまわさないようにしましょう」と言われますが、なかなか行動できないようになっています。
ですので、「気をつけましょう」とか、「意識を変えましょう」とか「自分は無関係だと思わないでください」とか言われても、効果ないんですよね。
私たちの脳はズボラで、楽観的で、保守的だということを頭に入れて対策しなければならないと思います。
がんばらなくても守りたい
私たちの脳からしてみれば、最低限の手間と労力でいい感じに守りたいということですよね。
私からおすすめすることは2つだけです。
ネット銀行や証券会社など大事なWebサイトだけでもパスワードの使い回しはやめましょう。
パスワード管理ツール使いましょう。
1. ネット銀行や証券会社など大事なWebサイトだけでもパスワードの使い回しはやめましょう。
楽天銀行とか、ゆうちょ銀行とか、SBI証券とかAmazonとか。
そんなに多くないと思います。
「銀行のアプリから勝手にお金を引き落とされたら困る」とか、「Amazonで勝手に買い物されたら困る」とかそんな大事なWebサイトだけでもちゃんと管理しましょう。
2. パスワード管理ツール使いましょう。
「1Password」やiOSの「パスワード」アプリにパスワードは覚え込ませましょう。
パスワード管理ツールを使えば、「パスワードを覚える」ことすら必要なくなるので、ズボラな私にはピッタリです。
過去にiOSの「パスワード」アプリについて記事を書きましたので、こちらもご参考まで。
まとめ:安全は「人間らしさ」の理解から
パスワードの使い回しは、私たちの脳が持つ「楽をしたい」「面倒なことは避けたい」という、とても人間らしい自然な欲求から生まれる行動なんです。
「使い回しはやめましょう」と言っても効果ないんです。
重要なのは、この「人間らしさ」を理解した上で、「どうすれば頑張らずに安全になれるか?」と賢く考えることです。
パスワード管理ツールを使ってみる、大事なサイトだけはパスワードを変えてみる。
あなたの脳にとってちょうどいい対策をやってみてください。
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