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歳時記を旅する72〔椿〕中*同じ夢みてゐて椿落ちにけり
佐野 聰
(平成八年作、『春日』)
室町時代の末には、戦国大名の間での茶の湯の隆盛により園芸品種が生まれる。
京都・大徳寺総見院のワビスケは、秀吉が千利休から譲り受けて植えたものが大きくなったと伝えられている。ワビスケは花が小さく早春から咲き、茶花としてもよく用いられるツバキの園芸品種であるが、この木はこの品種の現存する最も古い個体であるという。
秀吉公の遺愛のワビスケではあるが、その贈り主に自刃を命じていたことは周知のとおり。
句は、咲き揃った椿の花の一つが、突然に落ちてゆく。確かめ合った訳ではないが、同じ夢を見ていたはず、と思い込んでいた分、裏切られたとの思いが生まれそう。
(俳句雑誌『風友』令和八年三月号「風の軌跡ー重次俳句の系譜ー」)

☆大徳寺総見院はひばりんさんのレポートが詳しいです。侘助椿もあります。ご紹介します。
(岡田 耕)
