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美ヶ原、雪解けの音を聞いた日

ちょっと前の話になるが、
3月の終わりに、2年ぶりくらいに美ヶ原高原へ行ってきた。

やっぱり信州の景色と空気は、本当に良い。
車で走っているだけで、「ああ、好きだなあ」がずっと続く。

20年前、学生時代にこのあたりで暮らしていた記憶と、
今の自分の旅行の景色が、ところどころで重なった。

たしか大学受験のオープンキャンパスで初めて来た時、
「ここに住みたい」と思ったんだった。

今思えば、あの頃から都会志向ではなかったんだなあと思う。

松本へ向かう途中、諏訪湖SAへ寄り道。
ホクトの「信州産きのこのおつまみ缶詰」の生姜にんにく味と、にんにく味噌味を購入。
他に木耳や、北陸の「ビーバー」というお菓子も買った。

旅先のご当地ものを見ると、すぐカゴに入れてしまう。
あれはもう、旅の病気みたいなもの。


美鈴湖駐車場に車を停め、
おしゃべりな関西弁の運転手さんの話を聞きながら、
標高2000mの美ヶ原の王が頭ホテルへ向かった。

今回は雪遊びや雪上車を楽しみにしていたのだけど、
さすがに3月末、冬を満喫するには少し遅かったらしい。

それでも、2日前の雨で雪が降ったようで、
なんとか念願の雪遊びができた。

息子たちは、超超超はしゃいでいた。


雪解け時期の雪だから、水分が多くてべちゃっと重い。
それでも、雪を探しては、雪へ突っ込み、
雪合戦をして、汗をかくほど遊んでいた。

「雪解け水」って、
言葉だけ聞くと透明で綺麗で、おいしそうな響きがある。

でも実際の雪解けは、
泥も混ざっていて、案外ぐちゃぐちゃ。

耳を澄ますと、
めきめき、みきみき、と雪が崩れて水になっていく音が聞こえた。

これが春の音か、と思った。


夕方は家族風呂へ。
湯上がりに17:53の日の入りを見に行った。

分厚い雲の中へ、太陽が沈んでいく。
今日はこれで終わりかなと思ったら、
しばらくして、空が一気に真っ赤になった。

燃えるみたいな夕焼け。

たぶん1〜2分くらい。

写真に撮っても、なんだか違う。
ああいう景色は、目に焼き付けるしかない。


夕食会場は子連れ専用の部屋になっていて、
3家族くらい集まっていたので気が楽だった。

2年前に来た時にいたお姉さんはいなかったけれど、
陽気な中国人スタッフのお姉さんと長男が仲良くなっていて、なんだか嬉しそうだった。

料理は全部おいしかったけれど、
特に蕪のフランと、
山菜やきのこの入ったすいとん、
信州サーモンのお刺身や、
岩魚の塩焼きが最高だった。

蕪のフランって、
フランス風の茶碗蒸しらしい。

洒落てる。

牛ステーキが霞むくらい、
野菜やと魚、山のものがおいしい。


お腹も心もいっぱいで、
「ああ、旅行っていいな」と思った夜。

ただ、夜にひとりで大浴場へ行った時、
脱衣所でずっと喋っている若者2人がいて、
ちょっとげんなりした。

聞こえてきた会話は、
「年収800万のケチな男」の話。

標高2000mまで来ても、
人類はそういう話をするらしい。

次の日へ続く。

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