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【おしえて!アレテー先生( ・ω・)】第7話「有責配偶者からの離婚請求」

こんにちは。

アレテーを求めて~
今日もトコトコ( ・ω・)
弁護士の岡本卓大です。

『おしえて!アレテー先生( ・ω・)』のお時間です( ・ω・)

・前回のお話
第6話「離婚原因とは?」

※この作品は、フィクションです。
実在する人物、団体とは一切関係がありません。

埼玉県川越市…
小江戸と呼ばれる風情ある町並みを持つこの街の駅前に一人の変わり者の弁護士がいた。
その弁護士を人はこう呼ぶ…

アレテー先生( ・ω・)

と…


第7話「有責配偶者からの離婚請求」


法律相談を受けるアレテー先生。


アレテー先生「ふむ。なるほど( ・ω・)」

相談者・矢土松太(やつちまつた)「先生、私、離婚できますか!?」

アレテー先生「別居して10年か。そして、その別居の原因は、あなたの浮気だったということですな( ・ω・)」

矢土松太「はい…恥ずかしながら、私が浮気しちゃったのが原因です…」

司法修習生・志法望(しほうのぞむ)「アレテー先生。離婚を求める側が離婚原因を作ったというケースですか?」

アレテー先生「そうだ。いわゆる。有責配偶者からの離婚請求ですな( ・ω・)」

矢土松太「やっぱり、自分で離婚の原因を作った以上、離婚は認められないんでしょうか?もう別居して10年も経つんですが…」

アレテー先生「婚姻関係の破綻した原因を作った側を有責配偶者と言います。この有責配偶者から離婚を求めるケースというのは、簡単に離婚は認めてもらえません。
なぜなら、自分で離婚原因を作った者に安易に判決での離婚を認めることは、離婚を望まない被害者の立場のある配偶者にとって酷となり、正義に反すると考えられるからです( ・ω・)」

矢土松太「それじゃ、やっぱり無理なんですか…」

アレテー先生「いえ。有責配偶者からの離婚請求については、先例となる最高裁判決があります。最高裁昭和62年9月2日の大法廷判決です。
大事な判例なので、ちょっと、紹介してみましょう( ・ω・)」

 一1 民法七七〇は、裁判上の離婚原因を制限的に列挙していた旧民法(昭和二二年法律第二二二号による改正前の明治三一年法律第九号。以下同じ。)八一三条を全面的に改め、一項一号ないし四号において主な離婚原因を具体的に示すとともに、五号において「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」との抽象的な事由を掲げたことにより、同項の規定全体としては、離婚原因を相対化したものということができる。また、右七七〇条は、法定の離婚原因がある場合でも離婚の訴えを提起することができない事由を定めていた旧民法八一四条ないし八一七条の規定の趣旨の一部を取り入れて、二項において、一項一号ないし四号に基づく離婚請求については右各号所定の事由が認められる場合であつても二項の要件が充足されるときは右請求を棄却することができるとしているにもかかわらず、一項五号に基づく請求についてはかかる制限は及ばないものとしており、二項のほかには、離婚原因に該当する事由があつても離婚請求を排斥することができる場合を具体的に定める規定はない。以上のような民法七七〇条の立法経緯及び規定の文言からみる限り、同条一項五号は、夫婦が婚姻の目的である共同生活を達成しえなくなり、その回復の見込みがなくなつた場合には、夫婦の一方は他方に対し訴えにより離婚を請求することができる旨を定めたものと解されるのであつて、同号所定の事由(以下「五号所定の事由」という。)につき責任のある一方の当事者からの離婚請求を許容すべきでないという趣旨までを読みとることはできない。
 他方、我が国においては、離婚につき夫婦の意思を尊重する立場から、協議離婚(民法七六三条)、調停離婚(家事審判法一七条)及び審判離婚(同法二四条一項)の制度を設けるとともに、相手方配偶者が離婚に同意しない場合について裁判上の離婚の制度を設け、前示のように離婚原因を法定し、これが存在すると認められる場合には、夫婦の一方は他方に対して裁判により離婚を求めうることとしている。このような裁判離婚制度の下において五号所定の事由があるときは当該離婚請求が常に許容されるべきものとすれば、自らその原因となるべき事実を作出した者がそれを自己に有利に利用することを裁判所に承認させ、相手方配偶者の離婚についての意思を全く封ずることとなり、ついには裁判離婚制度を否定するような結果をも招来しかねないのであつて、右のような結果をもたらす離婚請求が許容されるべきでないことはいうまでもない。
 2 思うに、婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯な意思をもつて共同生活を営むことにあるから、夫婦の一方又は双方が既に右の意思を確定的に喪失するとともに、夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり、その回復の見込みが全くない状態に至つた場合には、当該婚姻は、もはや社会生活上の実質的基礎を失つているものというべきであり、かかる状態においてなお戸籍上だけの婚姻を存続させることは、かえつて不自然であるということができよう。しかしながら、離婚は社会的・法的秩序としての婚姻を廃絶するものであるから、離婚請求は、正義・公平の観念、社会的倫理観に反するものであつてはならないことは当然であつて、この意味で離婚請求は、身分法をも包含する民法全体の指導理念たる信義誠実の原則に照らしても容認されうるものであることを要するものといわなければならない。
 3 そこで、五号所定の事由による離婚請求がその事由につき専ら責任のある一方の当事者(以下「有責配偶者」という。)からされた場合において、当該請求が信義誠実の原則に照らして許されるものであるかどうかを判断するに当たつては、有責配偶者の責任の態様・程度を考慮すべきであるが、相手方配偶者の婚姻継続についての意思及び請求者に対する感情、離婚を認めた場合における相手方配偶者の精神的・社会的・経済的状態及び夫婦間の子、殊に未成熟の子の監護・教育・福祉の状況、別居後に形成された生活関係、たとえば夫婦の一方又は双方が既に内縁関係を形成している場合にはその相手方や子らの状況等が斟酌されなければならず、更には、時の経過とともに、これらの諸事情がそれ自体あるいは相互に影響し合つて変容し、また、これらの諸事情のもつ社会的意味ないしは社会的評価も変化することを免れないから、時の経過がこれらの諸事情に与える影響も考慮されなければならないのである。
 そうであつてみれば、有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である。けだし、右のような場合には、もはや五号所定の事由に係る責任、相手方配偶者の離婚による精神的・社会的状態等は殊更に重視されるべきものでなく、また、相手方配偶者が離婚により被る経済的不利益は、本来、離婚と同時又は離婚後において請求することが認められている財産分与又は慰藉料により解決されるべきものであるからである。

アレテー先生「ようするに、有責配偶者からの離婚請求の場合は、
①夫婦の年齢・同居期間と対比した長期の別居期間
②未成熟の子が存在するかどうか
③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等の特段事情が無いか
を考慮して離婚の可否が判断させることになります。
そして、有責ではない配偶者の不利益は『財産分与や慰謝料を高額にする』ことで解決するということになりますね( ・ω・)」

矢土松太「財産分与や慰謝料を高額にするって、どれくらいですか?」

アレテー先生「離婚したいなら払えるだけ相手に払って、無一文、裸で出て行けというイメージでしょうか。
まあ、実際には、これも事案ごとの判断でしょうね( ・ω・)」

矢土松太「キビシ~!やっちまったなぁ!」

志法望「ちなみに昭和62年の最高裁大法廷判決のケースは、別居35年、年齢は70歳の原告が全財産を妻に渡して離婚を求めた事案のようですね。そこまでしないと離婚できなかったのかぁ…」

アレテー先生「浮気の後始末って大変よね…
まあ、浮気したやつが悪いんですよ。
人を不幸にしたくなかったら、不倫なんてするもんじゃないね( ・ω・)」


今回はここまで。
次回、
第8話「ぶっちゃけ、弁護士が受けたくない事件ってあるの!?」

提供は、アレテー法律事務所でした。

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