見出し画像

「通貨危機」の "芽”

 (参照) 見えてこないFRBの「利下げ」 ー 「円安」を起点とした「通貨危機」の怖れ|損切丸 (note.com)

 一気に@160円を超えた「ドル円」に「通貨危機」の "芽” を感じたのは「損切丸」だけではあるまい。それはいつも ”弱い通貨” の暴落で始まる

 「メキシコ通貨危機」(1994)ではやはりFRBによる急激な「利上げ」がきっかけだったし「欧州通貨危機」(1992)では執拗な「賃上げインフレ」で政策金利を@9.75%まで引き上げた ”強過ぎるドイツマルク” が原因だった。現状との相似点は多い

 標題に添付したのは「円」と「人民元」の対ドルレートの推移だが、ここ数年「通貨安」の強い連関性が認められる。一方は ”超低金利” 、もう一方は ”不動産バブルの崩壊 → デフレ” 。おまけに双方の経済がもの凄く密接に繋がっている(ちなみに「ウォン」も同列)

 アメリカにとって悩ましいのは1つは「敵対国」、他の2つは「同盟国」であること。 ”敵” をやっつけるチャンスとも言えるが、それで ”お友達” 2国が巻き添えを食らうのは避けたい第2の「アジア通貨危機」の可能性についてFRBが認識しているのは間違いなく、昨日(7/9)のパウエル議長の ”利下げ示唆” 発言にもその苦悩が滲む。あとは国内の「インフレ」状況や政治≓ 大統領選の行方との兼ね合いになる

 「金利」が下がっているうちは大丈夫|損切丸 (note.com) なので、FRBに追随して「利上げ」を続けてきた「ウォン」には「利下げ」余地があるし、元々の「超低金利」が「低金利」に移行するだけの「円」も大丈夫最高値を更新し続ける「日経平均」を見ても ”お友達” に不安は少ない

 最大の「灰色のサイ」「黒い白鳥」はやはり中国だろう

 「利下げ」余地はあるものの、それはそのまま外貨の流出に繋がりかねず人民銀行は国債売りに回って金利の低下に歯止めをかけている「お金」の純流出は止まらず株価は下落の一方 ↓ ”敵” だからといってあまり叩き過ぎるとアメリカ自身も巻き込まれかねない。やはり 中国にとって「金の卵」香港。|損切丸 (note.com) を失った事が痛い

 もっとも「文化大革命」を礼賛する独裁者は気にも留めていないかもしれない。当時の生活水準に戻すのが共産主義の「理想」でもあり、一国だけで完結する経済を目指しているように映る。もっともそれと外へ向かう覇権主義は別物のようで、海洋利権を中心にやたらちょっかいは出している

 彼の国がこける事は「戦争」中のもう一つの独裁国家への支援も途絶える事を意味しており、エネルギーや穀物の需給にも甚大な影響が出かねない。それこそ世界的な「通貨危機」の火種。いかに対立しているとはいえ、そうなったら日米欧ともタダでは済むまい。現在継続中の「戦争」を含め、アメリカも生かさず殺さず、さじ加減が難しい

 そもそも今回の「通貨危機」の "芽” は:
 パウエル議長の "心変わり" 。|損切丸 (note.com)
 
バイデン大統領の "心変わり" (?)。|損切丸 (note.com)
 
”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸 (note.com)
と続いた金融政策の失策が発端
「コロナ危機」対応でばらまき過ぎた200兆ドルもの「過剰流動性」で起きた「インフレ」の処理を誤ったため「中立金利」を+1%以上上回る@5.25%までの「利上げ」を余儀なくされた

 そして最悪なのはこのタイミングでの「もしトラ」「ディスインフレ」時代ならいざしらず、「真性インフレ」に突入した今、ポピュリズムで「利下げ」「減税」「ドル安」を主導したら "大変な事" になるヘッジファンドが米国債で「短期買い+長期売り」の "スティープニング" ポジションを構築するのは理に適っている

 今の「AI」プログラムはベンチマークの10年米国債の金利が上がると「ドル買い」で作動しているようだが、何とも危うい

 アメリカの「インフレ」と財政が滅茶苦茶になって、例えば政策金利O/N@4% ー 10年@6% ー 30年@7%のような "スティープニング" が起ると、米国債を長期保有しているヨーロッパ等の投資家が「損切り」に動き出す=「ドル安」「米株安」のトリガーになる。そう言う "経験" がない「AI」はプログラムを「金利上昇 → ドル売り」に書き換えるのに時間を要するだろう。だがモタモタしていると勝負は決してしまう

 心配性の「損切丸」は随分と先回りしたような事ばかり書いているが、 "苦い経験" に基づいたもの。大体半年~1年後を見据えたものとご容赦願いたい(日計り勝負のトレーダーにはかえって目障りかも。苦笑)

 アメリカの「利下げ」+日銀の「利上げ」にはこれだけ複雑な事情が交錯しており、金融当局は頭が痛い。特に「インフレ」と「もしトラ」リスクを抱えるアメリカは見た目ほど万全ではない。先物を見ると今日(7/11)の「日経平均」は@42,000円を超えて世界的に株価のサマーラリーが続きそうな気配だが、悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) は収まらない。やはり鍵は「金利」。さて今年末はどんな相場付きになっているやら...

いいなと思ったら応援しよう!