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「トランプ2.0」ショック -「お金」に "魔法" はない

 昨日「関税」政策発表前に買い戻されるNYダウやナスダックを見て "Sell the Rumour, Buy the FACT" (噂で売って事実で買え、本来は "Buy the Rumour, Sell the FACT" )狙いかに思われたが、やはり 続・ "虚" か "実" か ー "Tariff Man" は "Starman" になりたい|損切丸 "虚" =「名声」に突っ走る "Tariff man" は甘くなかった。「アメリカ解放の日」などと唱ってしまっては引っ込みもつくまい

 ナスダック先物が▼4%超下落(早朝)に伴い一時日経平均先物も@33,000円台まで突っ込んだが、東京市場オープン後は@34,000円台半ばで推移している。まさに「トランプ2.0」ショック

 筆者が「マーケットの正直者」と頼りにしている米国債の動きも顕著だ

 短期債の動きをみると意外にも直近5/7FOMCでの「利下げ」を織込む動きにはなっていない。確かに「物価」への影響を見極めるには時間がかかる

 ただターミナルレート(利下げの到達点)は着実に下がっており、現状は@3.50%(▼0.75%)。巷では「関税」による「インフレ」を警戒する声が多いが、米国債市場が気にしているのはむしろ中長期的な景気後退。確かにモノの値段は上がるが、それは上乗せされた「関税」分「利上げ」が必要な経済学的な「インフレ」現象ではない

 ”国家非常事態”

 これを大統領令を発する法的根拠にしているようだが、あながち大げさでもない。▼1兆ドルを超える「利払い」に直面する米政府としては掛け値なしに ”非常事態” 。四の五の言っている余裕などなく "Starman" は「資金繰り」改善に動いたとも読める。税収が+15兆円とか+100兆円増えるとか試算されているが、いずれにしろ「増税」米国債の需給で捉えると「買い」(金利低下)になる

 問題は通常の「増税」と違い「関税」は国外にコストを徴求する効果が見込めること。実際各国の輸出メーカーも「関税」上乗せ分をシンプルに値上げ出来ない。日本の自動車メーカーのように米国が主要市場になっていれば尚更。しばらくはコストを負うことになる

 ただ米国内産業も世界各国から部品等を輸入しており、こちらも「増税」の悪影響は避けられない。株主に対する責任もあり利益確保のため相応の「値上げ」に動くことになる。海外のメーカーはその動きを見ながら徐々に「増税」分の価格転嫁に動くだろう

 つまり最終的には米国民がほとんどの「増税」コストを負うことになる。一人当たり年間▼60万円との試算があるようだが、「可処分所得」の減少という意味では日本でいえばしれっと上げられた「社会保険料」のようなもの。つまり「借金」回収のツケを負わされる

 その影響はじわじわと時間をかけて米経済に行き渡り、おそらく半年~1年かけて家計の ”お財布” を蝕んでいく。マーケットはそれを先取りして動いているが、一般米国民はいつ派手な "Starman" の魔法から覚めるのか

 ここで一番怖いのは株安、景気後退で下がった支持率回復のために ”公約通り” 「大型減税」を打ち出すことせっかく回収した「お金」を再びばらまけばその時こそ「スタグフレーション」、鍵になるのが「長期金利」だ。「利下げ」で短期金利を下げても「長期金利」が上がれば海外投資家が逃げ出し「ドル安」が加速程度によってはFRBの手足も縛りかねない ≒「利下げ」できない。だから 「本物の危機」の時、金利は上昇する。|損切丸

 ここで重要な指標になるのが「イールドカーブ」政策金利の絶対値に関わらず長短金利差が開く「スティープニング」は 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸

 ちなみにこの市場の動きによって5/1決定会合の日銀「利上げ」=筆者のメインシナリオはほぼ消滅メディアの主流だった7月「利上げ」に戻した。ただこちらも20年超のJGB金利は高止まりしており「スティープニング」はむしろ酷くなっている。これが一体何を示唆するのか

 興味深かったのがFXの動き。 「関税」とFX ー「高金利」はもう「買い」のサインでは無い|損切丸 で少し触れたが「関税」をかけられた国の通貨は売られるのが通常の反応今回は売られた「ウォン」に対し買われた「円」が対照的。やはり「新NISA」を含め日本から巨額の「ドル」投資がなされている影響が大きい。いわゆるキャピタルフライト(資本逃避)

 株価の急落とは対照的に景気への影響は時間をかけて徐々に広がるだろう。ここは投資家も企業も「見」。大統領の言葉を借りれば:

 ”どうなるか見てみよう”

 有効な対抗策がない以上日本も自らの首を絞めるような ”報復” は見合わせたほうが無難。こうなればアメリカへの投資も及び腰にならざるを得ず、あとは "Tariff man" が音を上げるまで待つしかあるまい。ここは 続・日本人はもっと「お金」に拘っていい ー 日本人の「お金」意識の変化|損切丸 およそ日本人らしくないが "虚" より "実" 、「お金」に "魔法" はない

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