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「日本金融村」の "怪” - 引け際のJGB売りの正体は...

 現役中もよくこんなことがあったが、JGBがマーケットの引け際に急落。植田総裁も何も新しいことは発言していないし、ましてCPI等重要指標が発表された訳でもない。政治家からも金融政策に関して何もコメントはない

 大体こういう時は「日本金融村」で "話" が駆け巡っている。海外勢から見ると "怪” でしかないだろう

 そもそも日銀や財務省は日々「資金繰り」や「金利リスク」について金融機関にヒアリングしており、直接 "話" をしなくとも「JGBの金利リスクは大丈夫ですか?」などと聞けば "阿吽の呼吸" でわかるもの。15年以上前に「明日の利上げは見送りになりましたよ」と某記者から電話を貰った時はビックリしたが(たまたま東京出張で来ていたロンドンスタッフにその "話" をしたらたまげていた)12/19会合で「追加利上げ」の検討をするかどうかぐらいはニュアンスでわかる。とても日本的ではある

 影響を大きく受ける1年JGBは@0.46%、2年@0.58%、5年は@0.75%まで上がったが、仮に12/19に+0.25%「利上げ」ならこんなものでは済まない。シミュレーションすると:

 1年@0.53%2年@0.61%まで上がる。その後も「利上げ」が続く可能性を加味すればこれが金利の底。おそらく5年は@1%近くまで上がるだろう。米国債と違ってそれほど現状のJGBは将来の「利上げ」を織込んでいない。どこかで「もう利上げなんてしないんじゃないか」という "甘え" がある。住宅ローンで「変動金利」に固執する人と同じ

 不合理でしかないJGBの動きはHF(ヘッジファンド)や海外投資家にとっては不可 "怪” 。こういう時よくロンドンから電話がかかってきたが表面的には何の材料もなく説明に苦労した。 "阿吽の呼吸" なんて英訳のしようもない(苦笑)恐る恐るドル円ショート(円買い)したりはするが半信半疑

 幸か不幸か、従来のような「持ち合い株」がなくなっている現状では日経平均の下げに伴う本邦金融機関、企業の「損」は限定的で個人も然り。「株本位制」のアメリカに比べ景気に対する悪影響は少ない「損」を被るのは海外筋がほとんどになる。むしろ新NISA等で株式投資を始めようとしている個人投資家にとっては絶好の買い場にもなりうる

 *心配なのはJGBを中心とした「金利」ポートフォリオ。だがデュレーション(Duration、平均保有年限)は既に短期化されており、本邦金融機関に大損は出ない状況(ドル債で▼兆円単位で「損」が出たのとは対照的)。代わりに600兆円近くJGBを買い込んだ日銀がそのリスクとコストを負う

 最近J-REITが下げ基調なのは3月同様金利リスク回避のための地銀勢の売りが再び出ている可能性がある。もう「利回り」は@5%近い。現物不動産価格が上げ基調の中相反する動きだが、REITはあくまで「金利」商品。税制や「借金」で2倍以上にレバレッジしているなど明らかに違う点も多い

 「円高不況」で日経平均が急落した「昭和」と異なり、今や「円安」が政治的にも不人気になっている。かつては政治の介入で「利上げ」が止まった事があるが、現状それはしにくい。更に 続・「トランプ2.0」の衝撃|損切丸 でFRBの「利下げ」は休止しそうなムードなので、日銀の背中を押す材料は目白押し(日銀に「利上げ」プレッシャーをかけてくると予想)

 筆者は日米の政策金利差が@2.0~2.5%程度まで縮まらないと「円キャリートレード」は止まらないと推定しており、こうなると日銀も@1.5~2.0%までの「利上げ」を目標にせざるを得ない。それでようやく「中立」

 それにしてもビットコイン(BTC)だけ突っ走る今の相場は異様金(GOLD)と合わせ「金余り」の象徴と捉えているが、「円キャリートレード」でドルに換えられた「お金」も向かっているのだろう。金利の上昇で世界的に株価が頭打ちの中、HFも勝負に行かざるを得ないが、ここまで膨張すると不安になってくる。次の「黒い白鳥」はBTCかもしれない

 続・「過剰流動性」の総本山は日本 ー 気になる「円キャリートレード」の行方|損切丸 なだけに日銀による「利上げ」はHFの最大関心事。実際 ロンドンに行って来ました - 「お金」はそんなに大事じゃない?|損切丸 で会った大手HFのトレーダーは「損切丸」に真剣に聞いてきた。それだけ「円キャリートレード」を積み上げているのかも。1998年のLTCM破綻時をなぞれば、今のBTCはデフォルトした「ロシア国債」に当り、7月のドル円▼20円急落は序章…?

 日銀もその辺は判っていて+0.25%づつゆっくり「引締め」に取り組むだろう。ただ新大統領就任後すぐにパニックは避けたい所。そう言う意味ではもし「利上げ」するなら1月よりも12月の方が可能性は高そう。ロシアからウクライナにICBM弾が撃ち込まれたなど不穏な情報も錯綜しており市場の大荒れは必至だが、同時にチャンスでもある。ここはじっくり機会を待ちたい

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