小さな「変化」
前稿.続・逃げ出す「お金」。向かう先は...|損切丸 で "FFレートが軟化、e.g., @3.64% → 3.61%、つまり「お金」が余ってきている" に言及したが、これは大抵の市場参加者なら見逃す小さな「変化」。特に猪突猛進を繰り返す株式市場にとっては気にも掛けない些末なこと
だが思わぬ "落とし穴" はこういう小さな「変化」に潜む
現在FRBはIORB(Interest on Reserve Balance、準備預金への付利金利)を上限金利、RRP(Reverse Repo Puruchasement、レバースレポ金利)を 下限金利に設定して市場金利をコントロールする、いわゆるコリドー(回廊)政策を行っている。現在IORBは@3.65%、RRPは@3.50%だ
仕組みから言うとFRBに準備預金を置いている銀行などの金融機関は「お金」が余っても@3.65%貰える。だから無理に市場で運用する必要が無い。FRBからすると全体の需給で足りないドルを金融機関から借りる格好
準備預金制度に参加していない市場参加者は「お金」を放っておいても金利が付かないから市場での運用を試みる。上限金利が@IORB@3.65%だからそれ以下での運用になるが市場レートは長い間@3.64%とほぼIORBに張り付いて推移してきた。これが「ドル不足」の根拠
コロナ危機(2020~)以降市場にダブついた「お金」はRRPに吸収されてきたため残高がしばらく高水準で推移。だがその後2024年を期に残高が急減 ↓ その「変化」がインフレの高進や株価の急騰と見事に一致している

こういう状況下、「資金繰り」担当者の感覚で言うとFFレートの低下@3.65% → @3.61%は決して小さな「変化」ではない。しばらく様子を見なければいけないが、思わぬ "落とし穴" になる可能性がある
今後FFレートの軟化が続きRRPの残高が増えるようだと "危険サイン" 。株価や不動産など資産価格の上昇が鈍って「お金」が余ってきている可能性が出てくるからだ。どんな相場にも "底なし" "青天井" はない。*行くところまで行けば必ず折り返す。相場格言的に言えば いくら好きでも満腹のゴリラはバナナを食べない。|損切丸
*「どうせ株価は戻るんだから売らなければいいのに」。「ガチホ」(何があっても買いっ放しにする投資戦略)信仰者はすぐこう言う。だがこれは結果論に過ぎない。相場が過ぎてからなら誰でも言える。例えば「ドル円が@80円の時に全力でドルを買えば良かったのに」。筆者が見てきた限りでは、例えば株価や不動産価格が上がるとその "含み益" をバックに更に「借金」してタワマンを買ったり株を買い増しする人がほとんど。いわゆる "浮かれた" 状態になる。そんな中株価が急落すれば「借金」は返さなければいけないし、不況に陥って勤めている会社が倒産すれば保有している株や不動産は嫌でも売らなければいけなくなる。そういう時に限って病気になったりしてまさに "泣きっ面に蜂" 。最悪に備えるのがリスクマネージメントであり、安易に「ガチホ」などと唱えない方がいい
その他の小さな「変化」で言えば香港ハンセン指数や上海総合指数の不調も気になる。半導体株などに "浮かれて" みんな忘れ掛けているが、世界2位のあの大国の巨額の不良債権問題は全く手つかずで不況の真っ只中。どこで "白いサイ" が暴れ出すか予断を許さない状況だ

そういう状況を反映しているのか、JGBも金利は低下基調に転じている


「損切丸」の "杞憂" (苦笑)が現実になるとすると、おそらく「円キャリートレード」の減退として現れる。いくら安い「円」を借りて「ドル」に換えても肝心のドル資産価格が上がらなくなれば意味が無い。その辺りは「ドル円」の軟化、あるいはドル安として出てくるはず。「需給」で言っても「ドル」の余剰はドル売りに繋がり安い
作られた相場 -「ブーム」の後は "ほったらかし"|損切丸 の面もあるが、同じドル建資産のビットコインやGold(金先物、GC)も頭が重い。反対に威勢が良いのが韓国KOSPI指数や日経平均で、どちらかというと「円キャリートレード」の巻き戻しを誘いそうな流れではある
今週は米雇用統計等重要指標が続くが、全体的流れで言うと米国債も含め金利もだれてきている中、世界的景気減速の兆候が現れるかどうかに注意が必要。日本でも金利の急騰で不動産市場の騰勢が鈍っており中国の不調も気になる。 "浮かれないで" 見ていきたい
6/1 5月ISM製造業PMI 予想 50.3 前月 52.7
*雇用 予想 46.7 前月 46.4
*仕入価格 予想 87.9 前月 84.6
*新規受注 予想 51.1 前月 54.1
6/3 5月ISM非製造業PMI 予想 53.6 前月 53.6
*雇用 予想 49.2 前月 48.0
*価格 予想 67.4 前月 70.7
*新規受注 予想 57.7 前月 53.5
ADP非農業部門雇用者数 予想 +11.2万人 前月 +10.9万人
6/5 5月米雇用統計 予想 4.2% 前月 4.3%
非農業部門雇用者数 予想 +7.7万人 前月 +11.5万人
時間当たり賃金(前年比) 予想 +3.6% 前月 +3.6%


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