やっぱり凄い国「アメリカ」。ー ”Rising Sun” 再び?
標題添付のチャートはFRBが12/10発表した 2020 Q3 data : the Financial Accounts of the United States、いわゆる「資金循環統計」からの抜粋で「家計資産」に焦点を当てたデータによるもの。NYダウが@$30,000.- を突破しているのである程度予想はしていたが、株を中心にかなり増えている。この1年だけで見ても+$8兆(約830兆円)程増えた勘定。
e.g. 資産$140兆 - 負債$17兆 = 純資産 $123兆>$115兆 @2019 3Q
やっぱり凄い国である。覇権国家としての「ピーク」は過ぎた感もあるが、こういった数値を見るとまだまだ他国の追随を許さない。
それではこれを追随する「中国」はどうか。「アメリカ・コーポレーション」と「中国公司」のバランスシートを比較してみよう。


正直「お金」だけにフォーカスすれば ”勝負” にさえなっていない。総資産で半分以下($62兆ドル < アメリカ$140兆)の「中国公司」が「アメリカ・コーポレーション」の82%もの借金($52兆 < アメリカ$63兆)を背負ってかなり無理している印象。GDPだけ見ると ”猛追” ($14兆 < アメリカ$21兆)しているようにも映るが、本気でひっくり返すには最低あと10年はかかるだろう。
さて我が「日本株式会社」。

残念ながら更に寂しい状況だ。総資産も「中国」の半分程度で、目立つのは預金($10兆)が多い事だけ。上位2社からは大きく引き離されている。
だがほんの30年前、 ”Rising Sun” と呼ばれた頃状況は全然違っていた。2015年までのデータしか拾えなかったが参考まで ↓ 。

「不動産神話」が信じられていた日本では資産の王様は「不動産」だった。1990年のピークには時価総額で1,600兆円 > 現在(700兆円程)の2.3倍もあり、「東京を売ればアメリカが3つ買える」と言われた。ちなみに1990年のアメリカの「家計純資産」は$23兆しかなく、現在の2割弱。
これは株価の推移を見れば一目瞭然。NYダウ vs 日経平均 ↓ 。


何というか...。日経平均の史上最高値は*@38,957.44円(1989.12.29.)だが、当時のNYダウはせいぜい@$2,400~2,700台。どうしてこんなに差が付いてしまったのか。日経平均が@26,000円に戻した事がニュースになるようではいささか虚しい。最早「中国」を追うのも難しくなっている。
*ただし当時のドル円相場が@140円程度だった事を考えると日経平均@38,957.44円=$278程度。現在(@$256)と見た目ほど差が無いとも言える。だがNYダウが10倍以上になっているという事実は動かない。

「日本」は30年間で400兆円から1,000兆円まで大きく増えた「預金」だけが頼りだが、それも7年間の「アベノミクス」「異次元緩和」で使い果たしてしまった。これ以上使える ”リソース” がないのが痛い。
もちろん「アメリカ」の株価が異常に上がっているのも事実。確かにアメリカ経済は「株価・資本主義」であり、株価の下落は致命的ダメージを起こす懸念もある ”アキレス腱” だ。だが FRBが使える ”リソース” として考えると量的緩和がまだまだ追加できる状況。「日本」とは余力が全然違う。
余力が無いのは「中国」も同じ。不動産を中心に「信用膨張」が激しく "借入余力” が乏しくなっている。中国国債の「高金利」がその ”証拠” だ。

「米中覇権争い」を演じてはいるが、おそらく国内向けのプロパガンダが主で、本音はもっと「長期戦」だ。国内の産業をもっと大きく育てないと本当の意味で「覇権」が取れないのは承知のはず。2、3年で「アメリカ」を追い抜けるとは考えていないだろう。
もっとも追われる「アメリカ」も「油断」すればどういう事になるか、重々認識している。日本を見事に叩き落としてここまでのし上がった国である。潰せる ”芽” は早めに摘みに来る。現在の5Gを巡る ”闘い” もそうだ。
逆に2030年までの「脱・炭素車」は「中国」の戦略。前稿にも書いたが、ヨーロッパ、特にアメリカとそりの合わないドイツを巻き込んでおり、「日本」にも同じようなアプローチを仕掛けている。現在では強力な自動車メーカーを持たない「アメリカ」がどう出てくるか。
「日本」にとって「逆転の一手」はトヨタが主導する「水素社会構想」か。コスト面の問題をあのトヨタが認識していないはずがなく ”アルミのゴミ” を使った技術等着々と他社を巻き込んでプランを進めている。ただ目立ち過ぎると「中国」の「技術盗用」と「アメリカ」が ”芽” は早めに摘みに来るリスクがある。過去にもさんざんやられているが、どう凌ぐか。
生きている内に「日経平均」が「NYダウ」を再度追い抜くのを見れるだろうか。ただ「日本」も「アメリカ」も国のリーダーが70歳を超えているようでは厳しいかもしれない。この国も世代交代と共に「ニューパワー」の台頭が望まれる。 ”Rising Sun” よ再び。日はまた昇るだろうか。
