高過ぎて売れない? - 分かれ道は結構紙一重
アメリカの住宅市場で異変が起きているという。供給過剰の日本 ↓ と違って慢性的に住宅不足のアメリカでは不動産価格や賃料は下げにくい傾向にある。だが直近で売り手が買い手を60万以上も上回るのはかつてない事態。これは季節要因でも何でも無く一種の構造転換

要因は色々考えられる
まずは金利。住宅ローンに当たるモーゲージレートは@6~7%台に張り付いており、20年借りれば複利で元金の3倍以上返済しなければいけない

そこへ "MEGA" G様がICE(Immigration and Customs Enforcement、移民・関税執行局)のような極端な移民排除政策をとれば需要は減る。そもそも移民国家のアメリカでは矛盾している政策だがこれがポピュリズム。単に不満の捌け口を間違った方向に向けているだけ
そしてもっと大きな絵で見ればアメリカの国家としての衰退がある。もう米大頭領の顔も見たくないと感じている人は世界中にいるわけで(筆者もその一人)ウンザリしているのが実情。経済面も文化面も 「憧れのアメリカ」の終焉。ー「音楽」「映画」等のソフト産業の変遷と共に。|損切丸 は疑いようもなく、もうあの国を「自由の国」などと憧れる人は皆無になりつつある。かくいう筆者も何度か行ったハワイにさえ行く気が失せている。そういう意味での "アメリカの需要" は崩れつつある
こう書いてくると現在マーケットで進行しているドル高や半導体・AIを中心した米株高と相反するように感じるが、あの国にはもうそれしか残っていないとも言える。いわばウォール街を中心とした "幻想のお金の城"
つまりもう "アメリカ" は高過ぎて売れなくなっている。その1例が米住宅市場での「買い手」相場への転換。売り手・大家が上げ放題だった価格も賃料も今後調整を迫られよう。それもこれも「インフレ国家」アメリカの借金が大き過ぎて首が回らなくなっているのが根本原因。相互関税とか戦争とか 他国へ取り立てを強行しているのは余裕がない証。だがそれは逆効果。債務超過で倒れる寸前の不動産会社のよう。今度は国までこかすのだろうか
もっともこの国もアメリカのことを言えた義理では無い。▼40%も自国通貨が減価している異常事態なのに*不動産が高過ぎて売れないのは一緒。株価だけはインフレヘッジで上がっているが、これとて "幻想のお金の城" 。裏側でウォール街が蠢いている
*タワマンの例で言えばこちらも買値と売値の乖離が激しくなっている。これまでの勢いに乗って+2割増し、+3割増しで売り抜けようとしたが、買値は原価割れ。そうこうしているうちに借入金利が上昇していけばどこかでコスト割れが起きる。果ては「損切り」。頼みのお隣の大国も不良債権で虫の息だし、その「お金持ち」も買い手どころか売り手に回る懸念さえある。規模は違うが一時的に価格が急騰したマスクやお米と現象は一緒
こういう状況が判っていて必死に「お金」を掘り出した結果がプライベート・クレジットであり、資本規制の掛かった金融機関の外側で "幻想のお金の城" を維持しようとしている。だから「ゴキブリは他にもいる」なんて某米銀のトップが言い放つ。もっとも今度大損するのは「個人」であり、ブラックマンデー(1987)やリーマンショック(2008)のように銀行危機にはならないという余裕からくる発言かもしれない
ただそういう「個人」がどんな投資をしているかは判らないので、仮にクラッシュが起きた時にどういう波及経路を辿ってマーケットに影響するかは未知数。ビットコイン(BTC)もDAT企業(Digital Asset Treasury)の持ち値平均と目される@70,000ドルを再び割り込んでおり、確かに「ゴキブリは他にもいる」。「個人」や企業のデフォルト(破産・破綻)が何にどう影響するのかは読み切れない。AIの暴走も気になる

投資やリスクテイクで大切なのは「利食い百人力」。ポジションをきっちり閉じて初めて「儲かった」。含み益で浮かれたり、それを過信してレバレッジ ≓ 借金を増やせば地獄へ真っ逆さまもあり得る。マーケットとはそういう怖い世界だが、ヘッジファンドのように高額のボーナスを狙えばどうしても無理をする。それは "億り人" を目指す「個人」も同じ
そうは言っても円安や株価の高騰で簡単に儲かれば「俺って天才!」と浮かれるのは致し方ない部分もある。だがここは冷静に考えて欲しい。本当にそんな事が50~60歳まで続けられるのか。「ゼロサム」の世界では残念ながら「試練」は必ずやって来る。分かれ道になるのはそこでどう対処するか。もっと上級編で言えばそうなる前にどう準備できるか。これに尽きる
そういう意味ではマーケットで売買が見えないこういう住宅市場の異変は大きなヒントになり得る。何でも情報は幅広く接して置くことが大事。そしてそれらをどう解釈するか。「金利」動向と合わせれば合理的結論には割と近づける。そして一番大事なのが、その "推論" に身を委ねて行動 ≓「利食い」and/or「損切り」を起こせるかどうか。結構紙一重だったりする


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