痛みに強いわたしの痛みランキング~第3位
第3位 陣痛
※あくまでも個人の経験談なので、一般論ではございません。
「腰がくだけそう」「焼けつくような痛み」「呼吸もつらい」など、お産の痛みは人類の歴史とともに語られてきた。
中には、「骨盤が砕かれるような」「指の切断に匹敵する」など、骨盤砕いた事があるんかい…と突っ込みたくなるような比喩が用いられている。
何分、わたしも初めての出産。
御多分に漏れず、マタニティ雑誌を熟読していた。
そのおかげで、どんだけ凄い痛みが待っているのだろうかと過度に心の準備をしていた。
出産までは、切迫早産で長く入院していたのだが、隣の陣痛部屋から恐ろしい声が毎日聞こえていた。
聞いたことのない女性の唸り声、時に金切り声。
陣痛というのは、閻魔様に地獄の釜で焼かれてるような感覚だと、妄想ばかり膨らんでいた。
出産の日、早朝破水。
夕食後あたりから、なんとなく痛みの波がやってきた。
これが陣痛か?いやいや、まだまだこんなものじゃないはずだ。
子宮口はそれほど開いていないので、今日は生まれないでしょうとの医師の見立てだった。
陣痛室ではなく、普通の病棟ベットで明日までゆっくりしてねと看護師さん。
…
…
夜中近くなってきて、起き上がれないくらいに鈍痛が常にやってくるのだが、妄想のせいで、世の妊婦さんが経験している痛みはこんなものではないと思いこんでいた。
そして、地獄の釜が開くのを今か今かと、時計を見ながら陣痛の感覚を測っていた。
恐らくこの時点でかなり意識が朦朧していただろうに、ピークに至ってる自覚が全くなかった。
まだまだ…まだまだ…
突然、予告もなしに(いや、ずっとあったんだけど)
ドーン!!!
下から上に突き上げる直下型大地震がわたしの下半身で起こったのだ。
一撃!
んゴおぉアアア!!!!
爆音で初めて声出たよね。
看護師さん飛んできた。
股間を覗いてギョっとする。
『たいへん! 分娩室まで走るよ!』
赤ん坊の頭が出てきていた。
看護師さんは股間に出始めてる赤子の頭を押さえながら、わたしと共に走った。
分娩台に飛び乗った。
よくもそんな力が残っていたものだ。
一度いきんだら、娘はするりと生まれてきた。
その瞬間は衝撃で、
ウアーーーーッ!って声が出たような記憶があるけど、定かではない。
本当は、看護師さんの「いきむよー3,2,1、はい!」のようにやってみたかった。
「ヒーヒーフー、ヒーヒーフー」って呼吸法をやってみたかった。
