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武士道 第14章 #73 ローマ帝国の主婦が家庭性を喪失した時、ローマに醜い道徳的腐敗をもたらした

#73  Was not the loss of domesticity on the part of Roman matrons followed by moral corruption  too gross to mention?

私の訳:
ローマの主婦の役割における家庭性の喪失は、言語に絶するような道徳的腐敗をもたらしたではないか。

完全な直訳:
ローマの主婦の役割における家庭性の喪失は、言語に絶するような道徳的腐敗によって後を続かれたではないか。

 この英文 grossの訳で苦労した。
自分は、grossには「大きい」という意味の訳しか思い浮かばなかったからである。
 grossは現代日本語のスラング「グロい」という意味もある。まさにこれはgrossから来ているのであるが、「下品な」「醜い」という意味があるのである。

表現の解説

  • Was not... followed by... ?: ~の後に~が続いたのではないか?(=~の後は~という結果になったのでは?)

  • loss of domesticity: 家庭性の喪失(女性が家を守るという伝統的役割を捨てること)

  • on the part of Roman matrons: ローマの貴婦人(妻たち)の側において

  • moral corruption: 道徳的堕落、倫理的腐敗

  • too gross to mention: 述べるにはあまりに下劣な、口にするのも汚らわしい、ひどすぎて語れない 

背景
新渡戸はこの箇所で、日本の武士の妻たちが守ってきた「家庭の神聖さ」や「教育者としての役割」を強調しています。ローマ帝国末期の貴婦人たちが家庭を顧みず道徳的に崩壊した歴史的背景を引き合いに出し、女性の家庭性喪失は社会全体の崩壊につながるのではないかと警鐘を鳴らす(あるいは読者に問いかける)文脈で使用されています

ご提示いただいた英文は、非常に格調高く、歴史的・社会的な文脈を含んだ表現ですね。「ローマの既婚女性(マトロン)たちが家庭性を失った後には、筆舌に尽くしがたいほどの道徳的退廃が続いたのではないか?」という、文明の衰退を問うような一節です。

学習に役立つ主な英単語を整理しました。

これで英単語を覚えよう

1. 重要な名詞・形容詞

  • Domesticity [ˌdoʊmɛˈstɪsəti]

    • 意味: 家庭生活、家庭的であること、家事。

    • メモ: domestic(国内の、家庭の)の名詞形です。

  • Matron [ˈmeɪtrən]

    • 意味: 既婚女性、落ち着いた婦人(特に社会的地位のある女性)。

    • メモ: 古代ローマの「マトローナ」を指し、威厳のある女性というニュアンスが含まれます。

  • Corruption [kəˈrʌpʃən]

    • 意味: 腐敗、堕落、汚職。

    • メモ: corrupt(道徳的に悪い、腐敗した)の名詞形。

  • Gross [ɡroʊs]

    • 意味: (程度が)甚だしい、ひどい、卑俗な。

    • メモ: ここでは「(無視できないほど)ひどい」「露骨な」といった意味で使われています。

2. 重要な構成・熟語

  • Followed by...

    • 意味: ~がその後に続く。

    • 構造: A followed by B(Aの後にBが来る)。

  • Too ... to mention

    • 意味: 言及するにはあまりに……すぎる(=口にするのもはばかられるほど……だ)。

    • メモ: too ... to ~ 構文の典型例です。

on the part of... を解析する

"on the part of..." は、特定の「人」や「グループ」を指し示し、「~による」「~側の」という意味を添えるフォーマルな表現です。
この文脈(on the part of Roman matrons)での使われ方と、実用的なポイントを整理します。

1. 主な意味と役割
単に「~の(of)」と言うよりも、「誰がその行為や状態の主体なのか」を強調する時に使われます。

  • 行為の主体: 「~が行った」

  • 責任の所在: 「~の側にある」

  • 感情・態度の帰属: 「~が抱いている(感情)」

2. なぜ "of" だけではダメなのか?
例えば、The loss of Roman matrons とだけ書くと、「ローマの婦人たち失うこと(彼女たちが死んだりいなくなったりすること)」とも解釈できてしまいます。
ここで "on the part of" を使うことで:

  • 「ローマの婦人たちという当事者たちにおいて生じた(家庭性の)喪失」
    という、主体性(彼女たちの振る舞いや性質)に焦点を当てたニュアンスを明確にしています。

3. よく使われるパターン(例文)
日常やビジネスでも、責任やミス、努力などを語る際によく登場します。

  • Error on the part of the driver
    (運転手側のミス)

    • 車自体の故障ではなく、運転していた「人」に原因があることを強調します。

  • Lack of confidence on the part of investors
    (投資家たちの間での自信喪失)

    • 投資家というグループが抱いている心理状態を指します。

  • A great effort on the part of the staff
    (スタッフたちの多大なる尽力)

    • 「スタッフが頑張った結果である」という敬意がこもります。

まとめ:この文でのニュアンス
この一節では、「(社会全体ではなく)他ならぬローマの婦人たち自身が家庭を顧みなくなったこと」を強調するために、この重厚な表現が選ばれています。




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橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。