武士道 第14章 #118 ゲルマン民族は、女性に対する迷信的な畏怖を以ってその部族生活を始めた
#118 The Teutonic races beginning their tribal life with a superstitious awe of the fair sex ( though this is really wearing off in Germany ! ),


私の訳:
ゲルマン民族(テウトーン族)は、女性に対する迷信的な畏怖を以ってその部族生活を始めたし(もっとも、これはドイツにおいて本当に薄れつつあるが!)


文脈を理解するための重要単語
Teutonic races:
ゲルマン民族(ドイツ、イギリス、北欧諸国の祖先となる諸民族の総称)
Tribal life:部族生活、未開時代の生活
superstitious:迷信的な
awe:畏敬(おそれ敬うこと)、畏怖
The fair sex:女性(古風・文学的な表現で「美しい性」を指す)
wear off:しだいに消えていく、衰える、すり減る











本文中に、「Teutonic races チュートン人」と出てくるが、これは何?ということになる。ゲルマン民族の意味だそうだ。
としたら、古代のゲルマン民族にはどのような風習があったのか、それは女性をどのように崇めていたのか、ということが知りたくなるだろう。
そこまで分かると、この文章を完全理解できると言うものだろう。

「ゲルマン民族(Teutonic races)が初期の部族生活において女性に対する迷信的な崇敬(superstitious awe)を抱いていた」という傾向は、古代ローマの歴史家タキトゥスの著書『ゲルマニア』をはじめとする文献から、歴史的事実として一定の根拠があると考えられています。
具体的には、以下の点が挙げられます。
女性を神聖視・預言者視する意識
タキトゥスは『ゲルマニア』の中で、ゲルマン人が「女性には聖なるものや預言の力が宿る」と信じており、女性の助言や予測を神託のように尊重していたと記述しています。これは単に女性を大切にするというレベルを超えた、一種の宗教的な「崇敬(awe)」であったと解釈されています。ネルトゥス女神などの信仰
ゲルマン民族は、豊穣や大地を司る女神ネルトゥス(Nerthus)などを信仰しており、女神を乗せた車を女性が扱うなど、信仰の基盤に女性的要素が深く根付いていました。女性の高い地位と名誉
ゲルマン社会において、女性は家庭内での実権(家財の管理など)を握ると同時に、部族の名誉を守る存在とみなされていました。戦闘に際しては、女性が戦士を鼓舞し、傷ついた戦士の世話をするなど、男性と対等、あるいはそれ以上の精神的な支柱となっていました。戦利品としての女性(矛盾)
一方で、当時のゲルマン社会は父権制的な側面も強かったため、女性は男性に属するもの(財産)として扱われる側面もあり、この「神聖視」と「財産扱い」という矛盾した意識が共存していたという見方もあります。
文中の「(though this is really wearing off in Germany!)」という部分は、現代や近世以降、そうした「女性を神秘化・神聖視する文化」が薄れていった(あるいは時代遅れになった)というニュアンスを指していると考えられます。
タキトゥスが報告したような「女性=預言者・神聖な存在」というイメージは、その後の時代に進むにつれて、キリスト教化や騎士道精神(愛の文芸における女性賛美)といった新しい価値観へと変化していきました。





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