アルフォンス・ド・ラマルティーヌ(Alphonse de Lamartine)とは
武士道 第1章 #46の中の「Lamartine」とは、19世紀フランスの詩人・作家・政治家であるアルフォンス・ド・ラマルティーヌ(Alphonse de Lamartine、1790年–1869年)のことです。
この一文は、新渡戸稲造が1899年に英文で執筆した名著『武士道』(Bushido: The Soul of Japan)の冒頭(第1章)で引用されていることで広く知られています。
ラマルティーヌの概要
文学的業績: フランス・ロマン主義文学を代表する天才詩人です。1820年の詩集『瞑想詩集』(Méditations poétiques)で一躍有名になりました。
政治的業績: 1848年のフランス二月革命の際には臨時政府の外務大臣(事実上の最高指導者)を務め、奴隷制の廃止や死刑制度の廃止を主導しました。
歴史家としての顔: 『ジロンド派の歴史』など、数多くの歴史書や伝記も執筆しています。
引用の背景と意味
新渡戸稲造は、日本の「武士道」を西洋の読者にわかりやすく説明するため、ヨーロッパの「騎士道(Chivalry)」を比較対象に挙げました。
その際、ヨーロッパの騎士道がキリスト教精神によって単なる武力から高尚なものへと昇華された例として、ラマルティーヌの言葉を引用しています。
言葉の意味: 「宗教、戦争、そして栄光が、完璧なキリスト教騎士の3つの魂であった」
新渡戸の意図: 西洋の騎士道がキリスト教を精神的支柱としたように、日本の武士道も仏教・神道・儒教といった精神的バックグラウンド(源泉)から形成されたのだ、という論理を展開するためにこの言葉を使いました。
武士道の本質を西洋の歴史や文学に重ね合わせて解き明かすための、重要な架け橋として選ばれた人物がこのラマルティーヌです。
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