ゴットホルト・エフライム・レッシング(Gotthold Ephraim Lessing, 1729–1781) とは
Lessing(レッシング) とは、18世紀のドイツ啓蒙主義を代表する劇作家であり思想家・哲学者、ゴットホルト・エフライム・レッシング(Gotthold Ephraim Lessing, 1729–1781) のことです。
この引用の背景と意味
武士道 第1章 #41 での "We know from what failings our virtue springs" (私たちの美徳がどのような欠点から生じるのか、私たちは知っている)という言葉は、レッシングの代表的な戯曲『賢者ナータン』(Nathan der Weise, 1779年発表)の作中に登場するセリフに由来します。 [1, 2]
レッシングの人物像: レッシングは、宗教的な寛容さや人道主義を強く訴えた知識人です。『賢者ナータン』の「三つの指輪の寓話」は、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の融和と寛容の象徴として世界的に有名です。
言葉の本質: 彼は、人間の行う「美徳(善い行い)」が、常に最初から完璧で純粋な動機から生まれるわけではなく、むしろ人間の持つ「不完全さ」や「弱さ(欠点)」を克服しようとするプロセス、あるいはそれらと表裏一体の形で湧き出てくるものであることを見抜いていました。 [1, 2]
英文全体の解釈
ご提示の文章は、以下のような論理展開になっています。
1.前提: クエーカー教徒(平和主義を唱えるキリスト教の宗派)が正しく主張するように、攻撃であれ防衛であれ、戦うこと(暴力)自体は野蛮で間違った行為である。
2.レッシングの言葉の適用: しかしそれでもなお、私たちはレッシングの言葉を借りて、「(戦うという人間の不完全な行為や過ち=欠点の中からも)私たちの美徳(平和を守ろうとする意志や、仲間を守る自己犠牲の精神など)が芽生え、形作られているのだ」と肯定的に捉えることができる。
つまり、戦争や暴力そのものは悪であるとしつつも、「過ちや欠点から美徳が生まれる」というレッシングの人間観を引き合いに出すことで、不完全な現実の中で必死に生み出される人間の美徳や倫理を説明しようとしています。
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