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#16 ドイツ語のゲミュートGemüth の意味。英語のジェントルマン gentleman とフランス語の gentilhomme の意味の違い

#16   Who can improve  by translation what the German "Gemŭth" signifies, or who does not feel the difference between the two words verbally so closely allied as the English gentleman and the French gentilhomme ?


私の訳:誰がドイツ語のゲミュートGemüth の意味を、翻訳によってよく現わすことができようか。英語のゼントルマン gentlemanとフランス語のジャン ティォム gentilhomme とは、言語的には極めて近接している。しかしこの二つの語の持つ持ち味の差を誰が感じないことがあろうか。

英文における improve は、「(翻訳によってその意味を)より的確に表現する」「向上させる」「洗練させる」という意味で使われています。

一般的な「改良する」や「改善する」という意味から一歩進んで、翻訳の「精度を上げ、元の言葉のニュアンスをより完璧に表現する」というニュアンスです。

💡 文全体の解説と構造
 
この文章は、思想家・批評家であるサミュエル・テイラー・コールリッジの著作からの引用(またはそれに類する古典的な英文)です。言葉の持つ繊細なニュアンスや、他言語に翻訳することの難しさについて述べています。

  • 前半部分:Who can improve by translation what the German "Gemŭth" signifies...

    • 直訳: ドイツ語の「Gemüth(ゲミューテ:魂、心、精神、感情などを表す深い言葉)」が意味するところを、翻訳によってこれ以上うまく表現できる人がいるだろうか(=いや、だれも完璧には翻訳できない)。

  • 後半部分:...or who does not feel the difference between the two words verbally so closely allied as the English gentleman and the French gentilhomme ?

    • 直訳: あるいは、語源的にこれほど密接に結びついている英語の「gentleman」とフランス語の「gentilhomme」という2つの単語の間にある(ニュアンスの)違いを感じ取れない人がいるだろうか(=いや、誰でも違いが分かるはずだ)。

📌 この文脈での "improve" のニュアンス
 
ここでの improve by translation は、「翻訳という手段を用いて、元の言葉の意味(signifies)をさらに高い次元で表現する(磨きをかける)」という意味合いになります。全体として反語表現(「~できる人がいるだろうか、いやいない」)になっており、「言葉の持つ固有のニュアンスは、翻訳で完全に再現したり高めたりすることは不可能なほど繊細である」ということを伝えています。


この文脈において、allied(原形:ally)は「結びついている」「類似している」「同系統である」という意味の形容詞(過去分詞の形容詞用法)として扱います。
具体的には、直前の verbally so closely(言葉の上で/語源的にこれほど密接に)とセットになって、後ろから two words(2つの単語)を修飾しています。

🔎 文法的な構造の分解
該当の部分を分かりやすく並び替えると、以下のようになります。

...the two words [which are] verbally so closely allied...
(言葉の上でこれほど密接に結びついている2つの単語)

  • allied with/to の形が基本ですが、ここでは as...(~と同じくらい)と繋がっているため、後ろに as the English gentleman and the French gentilhomme が来ています。

  • 言語学の文脈では、語源が同じ(同根語である)ことや、意味や形が非常に似ている関係性を指します。

💡 翻訳する際の扱い方(訳し方の例)
日本の自然な表現に落とし込む場合、以下のような言葉で扱うとしっくりきます。

  • 「(語源的に)密接に関連している」

  • 「言葉のうえで非常に近い関係にある」

  • 「同系統の」

📌 全体のニュアンス
英語の gentleman とフランス語の gentilhomme は、どちらもラテン語の「高貴な家柄の(gentilis)」に由来する「兄弟のような関係の単語(allied)」です。しかし、見た目や語源がどれほど似ていても、実際のニュアンスには明確な違いがあります。
文全体としては、「これほど密接に結びついている(allied)2つの単語なのに、その違いを感じ取れない人などいるだろうか」という文脈で使われています。

矢内原訳:誰かドイツ語のゲミュートGemüth の意味を、翻訳によりて善く現はし得ようか。英語のゼントルマン gentlemanとフランス語のジャン ティォム gentilhomme (伊達者)とは、言語的には極めて近接して居る。しかしこの二つ の語の有つ持ち味の差を、誰か感じないであろうか。


櫻井訳:誰か獨逸語のゲミート(心氣精神の義)を譯して、其 意義を精からしむることを得るものぞ。又た誰か英語の ゼントルマンと、佛語のジヤンチオーム (gentilhomme 伊達者) との二語の、字根同じくして、而して意義 遙 に異なれるを感知せざらんや。



#16   Who can improve  by translation what the German "Gemŭth" signifies, or who does not feel the difference between the two words verbally so closely allied as the English gentleman and the French gentilhomme ?



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橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。