アビラの聖テレサ(Saint Teresa of Ávila / 1515年 - 1582年)
新渡戸稲造の『武士道』やジョージ・エリオットの『ミドルマーチ』に登場する「Theresa(テレサ)」とは、16世紀スペインに実在したキリスト教の聖女、アビラの聖テレサ(Saint Teresa of Ávila / 1515年 - 1582年)のことです。 [1, 2]
彼女がどのような女性であったか、その人物像と特徴をいくつかのポイントに分けて説明します。
1. 卓越した行動力を持つ「宗教改革者」
当時のカトリック教会の修道院は、貴族の社交場のようになっており、規律が非常に緩んでいました。テレサは20歳で修道院に入りますが、その世俗化を憂い、「本来の厳格で清貧な信仰生活に戻るべきだ」と立ち上がります。
強烈な反対や迫害、さらには宗教裁判所からの監視にも屈せず、生涯でスペイン全土に30以上の新しい修道院を自ら設立しました。その不屈の意志と実行力は、当時の男尊女卑の社会において際立っていました。
2. 深い精神性を持った「神秘家・文筆家」
彼女は、祈りの中で神との深い一体感を味わう「神秘体験」を何度も経験したことで知られます。(芸術家ベルニーニの有名な彫刻『聖テレサの降生』のモデルとしても知られています。)
また、優れた文筆家でもあり、自身の信仰や内面を綴った『自叙伝』や『霊魂の城』などの著作は、現在でもキリスト教文学の最高傑作(古典)として読み継がれています。その功績から、女性として初めてカトリック教会における最高栄誉の一つである「教会博士(Doctor of the Church)」の称号を贈られました。 [1, 2, 3, 4, 5, 6]
3. 人間味にあふれ、チャーミングな人柄
聖女でありながら、非常に明るく、ユーモアがあり、誰からも愛される魅力的な女性でした。
子供の頃には、殉教(信仰のために命を捧げること)に憧れて、幼い弟の手を引いて「異教徒の国へ行って首をはねられよう」と家出したという、情熱的で少しお茶目なエピソードも残っています。


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