見出し画像

武士道 第16章 #6 民族性は硬い岩の様なもの。

#6  "The discoveries due to the intelligence are the common patrimony of humanity;  qualities or defects of character constitute the exclusive patrimony of each people: they are the firm rock which the waters must wash day by day for centuries before they can wear away even its external asperities.


私の訳:
「知識に基づく発見は人類共有の遺産であるが、性格の長所短所は各国民の専有的遺産である。それは堅い岩の様なもので、数世紀にわたって日夜水がこれを洗っても、わづかに外側のでこぼこを除去し得るに過ぎない」と。



【櫻井訳の現代語訳】
 
ルボン氏は、その近著『民族心理学』の中で、表面的な浅知恵による早とちりと、鮮やかな総括論を用いて次のように述べている。「知識における発見は、人類共通の伝来の財産である。しかし、国民それぞれの性格の特質や欠点は、それぞれの民族特有の伝来の財産である。これらは堅い岩のようなものであって、数千数百年の間、昼夜を問わず絶え間なく流れる水が岩を洗い続けて、ようやくそのゴツゴツとした角を削り落とすことができる程度のものである」。この(ルボンの)言葉は力強く優れており、特に称賛すべきものである。


重要な言葉の解説

  • 皮相淺膚(ひそうせんぷ): 表面だけの浅はかなこと。

  • 灼然(しゃくぜん): きわめて明白なさま。

  • 傳產(でんさん): 受け継いできた財産(遺産)。

  • 淙々たる(そうそうたる): 水が清らかに、また激しく流れる音の響き。

  • 砥礪(しれい): 砥石(といし)で磨くこと。転じて、欠点を直して磨き上げること。

  • 勁拔(けいばつ): 力強くて優れていること。

【補足・背景】
 
この後、新渡戸稲造は「しかし、もし国民の性格の特質や欠点がそれぞれ特有の伝来のものであるとするならば、このルボンの説は大いに傾聴に値するだろう。ただ惜しまれるのは、このような型にはまった論は、ルボンが本を書き下ろすよりもずっと前に、テオドール・ヴァイツやヒュー・マレーといった人類学者たちによって完全に論破し尽くされていることである」と続け、武士道という倫理を比較文化的に検証していきます。

文章のポイント
 
著者は、フランスの心理学者ギュスターヴ・ル・ボンの極端な論調(浅はかで大ざっぱな議論)をやや批判交じりに指摘しつつも、「知識は人類共通だが、民族の性格(国民性)は数千年の歴史でも変わらない頑固な岩のようなものだ」というル・ボンの比喩表現の力強さ・見事さについては、大いに評価しています。


とにかく単語を覚えないと英語は始まらない。ここではたくさん英単語が出てくるので、3部に分けて解説した。これを暗記すると、英文もすんなり読めるだろうし、やわらかな暗記も確実にできる様になるだろう。完全理解への道はそれしかない。












いいなと思ったら応援しよう!

橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。