K9クリスト論入門
お久しぶりです。
クリストロン愛好家のことうゆみです。
身内で遊戯王をすることが楽しすぎて執筆から離れていましたが、そのおかげでK9クリストロンについての見識がかなり深まりましたので、私が行った研究をこの場で共有したいと思います。
1.K9クリストロンとは
K9クリストロンとはその名前の通り、K9とクリストロンの2つのテーマを混成させた展開デッキです。
本デッキは、K9とクリストロンの持つ特性が互いの弱点を打ち消しあつつ、両方のテーマの妨害を同時に行うことでパラダイススマッシャーやアライズハートのような極端な先行寄りのモンスターを採用せずとも十分な質と量の妨害を用意することができます。
いずれか一方がもう一方に出張しているという関係ではない以上、K9クリストロンというデッキの成立には、K9から見てクリストロンを採用する理由および、クリストロンから見てK9を採用する理由の2つが必要になります。
まずはその2つの理由について見ていきましょう。
その後、K9とクリストロンを混成させた結果生じるゲシュタルトとしての性質について記します。
1.1 K9から見たクリストロン
K9の基本初動はヨクル+lv5のモンスター2枚であるため、K9を使う限りヨクルの相方となるモンスターを如何にして供給するかという課題があります。
その課題に対する解答として、ディセイブラスターのような単体で機能するカードを採用する場合もあれば、サイバーやクリストロンのようなlv5モンスターを1枚初動で供給できるテーマと混ぜる場合もあります。
特に後者のこれらのテーマはサイバードラゴンインフィニティを安定して場に出すことができるため、K9が苦手とするサンダーボルトや拮抗勝負といった捲り札への耐性を得られました。
しかも、いずれのテーマもlv5を場に2体出力しつつ、手札にlv5を1枚確保できるため、これらのテーマからK9のギミックへアクセスすることもできます。
1.2 クリストロンから見たK9
クリストロンは展開力が高くリソース勝負にも強い一方で、ドロバ、ロンギ、アトラクター等のクリティカルな誘発が多く、それらを投げられると先行であっても妨害を全く残せないことすらあります。
また、肝心の展開力もトリスタロスやサルファドールの制約による天井の低さにより十分に活かせていない状況が続いていました。
K9発売以前のクリストロンでは、その天井の低さを克服するために、無限軌道からアライズハートを出すギミックを採用するなどの対処が取られていました。
その結果、デッキ内に展開に必要な扱いづらいカードを採用する必要があり、それが原因で全体的なデッキパワーの低下といった別の問題をを引き起こしていました。
クリストロンにK9を採用することでそれらの欠点を解消することができます。
ロンギについてはK9展開を行うことでクリストロンのギミックが機能不全を起こしていても先行で4妨害以上残すことが可能になり、ドロバを含む手札誘発モンスターの効果についてはサーチ前にRipperを立てることでケアすることが可能になりました。
また、天井の低いことの本質的な原因はサルファドールの自己特殊召喚効果時にかかる制約であったため、ヨクルでサルファドールを場に出すことで回避できます。しかも、その場合はサルファドールの自己特殊召喚効果がまだ残っているため、さらなる展開も見込めます。
さらに、K9ギミックでリヴァーストームを特殊召喚し、リヴァーストームの効果でスクラップリサイクラーをサーチすることでK9からクリストロン側へもアクセスすることができます。
1.3 K9クリストロンの性質
まずは1.1 、1.2の内容を総括してみましょう。
K9クリストロンは発動無効妨害を立てつつ、K9の妨害を同時に用意することができます。その上、K9側からクリストロンにアクセスしたり、その逆方向もできたり、全盛期のデモンスミススネークアイさながらのシナジーを発揮していることがわかりました。
続く2章で説明するK9クリストロンの基本展開を行うことでK9ギミック内での妨害とクリストロンギミック内での妨害を両立できるため、アライズハートやパラダイススマッシャーのような先行特化のカードを採用せずとも十分に勝ちきれる妨害数を用意することができます。
そのため、エクストラの枠に比較的余裕があるためメイン戦からティフォンやアーゼウスのような後手捲りに使いたいカードを採用するゆとりがあるので、結果的に復権したライゼオルやドラゴンテイルなど特定のEXのカードが刺さるデッキに対して優位に立ち回ることもできます。
また、K9とクリストロンはともにまるちゃみー・増殖するG受けが非常に良いデッキであるため、それらの誘発を投げられた場合であってもある程度の妨害数を残したままターンを返すことができます。
例えば、下記で説明するヨクル+サルファドール初動であれば、スタンバイGに対して2ドローで5妨害or3ドローで6妨害を用意することができます。
2.K9クリストロンの展開例
本章では最初にK9クリストロンの最大展開であるヨクル+サルファドール初動について見ていきます。
サルファドールの部分は他のlv5モンスターでも代用可能ですが、2枚初動に限定した場合、この組み合わせが最も多くの誘発を受けた上で展開できるため、この組み合わせをもってしてK9クリストロンの基本展開とすることにします。
なお、誘発をケアするにあたり、すべての誘発を同時にケアすることはできませんが、カードの効果を発動する順番を変えるなど工夫をすることでケアできる誘発を変えることができます。
ひとまず、2.1節ではドロバを含むモンスターの手札誘発ケアするルートについて記します。
2.2節、2.3節、2.4節ではそれぞれ増殖するG(フワロス含む)、ロンギ、アトラクターをRipper成立前に投げられた場合の展開例について見ていきます。
2.5節ではクリストロンギミックからRipperを成立させるルートを2つほど上げることにします。ここで紹介したルートを応用することで初手にK9を引き込めない場合であってもK9展開に繋げることができるため、覚えておくと実戦でのアドリブの際に役に立つかと思います。
最後にクリストロンギミックからK9にアクセスできない場合の動きについてみていきます。その場合はインクルージョン、スモーガー、リサイクラーのいずれか1枚しか引けていない場合に限りますが、ここで紹介する展開は召喚権を切らなずに行えるため、インクルージョン初動の場合だけ確認すれば十分です。
2.1 基本展開
以下にK9クリストロンで最もよく用いる展開ルートを記します。
実戦で使う展開ルートの大半がこのルート、もしくはこのルートの一部をアドリブに差し替えたものになります。稀にできる初動がクリストロンしかない場合もありますが、その際は以下の記事の1枚初動の動きを行います。https://note.com/oliver_citrald/n/n570d85b790b0
それでは、早速、基本展開について見ていきましょう。
以下の展開を行うことで次の盤面を作れます:
場:Ripper、強制解除、ファドール、トリスタロス、クラスター、リトルナイト、インフィニティ
手札:シストバーン、イズナ
妨害:Ripper、強制解除、werewolf、イズナ(+ルフス)→ランク5、トリスタロス→アクセル+ファドール→バロネス、クラスター、インフィニティ、リトルナイトの合計8妨害
1.手札のヨクル効果を発動し、手札からヨクル、サルファドールの2体を特殊召喚する。
2. サルファドールの効果でスモーガーとインクルージョンをデッキから墓地へ送る。
3. 場のヨクルとサルファドールでRipperをx召喚する。
4.Ripperの効果(コスト:ヨクル)でランタンを手札に加える。
5.墓地のヨクルを対象にとり、ランタンとヨクルを特殊召喚する。
6.ランタン効果で強制解除を手札に加える。
7.ヨクル効果でイズナを手札に加える。
8.ヨクルとランタンでリヴァーストームをx召喚する。
9.リヴァーストームの効果でリサイクラーを手札に加える。
10.リサイクラーを通常召喚し、効果でサルファフナーを落とす。
11.リサイクラーでクロックワークナイトをL召喚する。
12.墓地のリサイクラーを対象にクロックワークナイトの効果を発動し、場のリヴァーストームと墓地のリサイクラーを入れ替える。
13.リサイクラーの効果でシストバーンを落とす。
14.リサイクラーとクロックワークナイトでリトルナイトをL召喚する。
15.シストバーンを墓地から除外し、サルファドールを手札に加える。
16.サルファドールをコストにサルファフナーを蘇生し、その後ファフナー自身を破壊する。
17.ファフナー効果でトリスタロスをリクルートする。
18.墓地のインクルージョンの効果をファフナーを対象に発動し、ファフナーを墓地から特殊召喚する。
19.トリスタロスとファフナーでエレスケルタスをシンクロ召喚する。
20. エレスケルタスの効果でシストバーンを回収する。
21.墓地のトリスタロスの効果を場のエレスケルタスを対象に発動し、場のエレスケルタスを破壊しつつ、デッキからファドール含む機会族lv5を2体を特殊召喚する。
22.エレスケルタスの効果で除外状態のトリスタロスを特殊召喚する。
23. 場のサルファフナー2体でノヴァをエクシーズ召喚し、ノヴァに重ねてインフェニティを特殊召喚する
24.墓地のスモーガーを除外し、インクルージョンを加える。
25.インクルージョンを発動し、クラスターを手札に加える。
26.墓地のサルファドールの効果を場のインクルージョンを対象に発動し、インクルージョンを破壊しつつ、サルファドールを特殊召喚する。
27.手札のクラスターと強制解除を場にセットする。
4.の時点でRipperが成立しており、それ以前にサーチを一切行なっていないため、このルートではドロバがケアできてることがわかります。
ついでにニビルもケアできています。
2.2 スタンバイ 増殖するG下での展開
スタンバイに増殖するGを投げられた場合、2ドローで5妨害、3ドローで6妨害用意することができます。増殖するGではなく、フワロスを投げらた場合は、いずれも1ドローで済むため、6妨害のルートは選び得です。
なお、プルリアやニャルスの場合は全く異なるルートにすることでより少ないドロー数で同程度の妨害を残せる展開を行うことができますが、ここでは省略することにします。
2ドロー展開
最終盤面:Ripper、トリスタロス、クラスター、インクルージョン、強制解除
手札 :イズナ
妨害:手札のイズナからルフス→ランク5、Ripperの手札墓地のモンスター効果発動無効、強制解除の破壊、warewolfのハンデス、クラスターの破壊効果の合計5妨害
1.手札のヨクル効果を発動し、手札からヨクル、サルファドールの2体を特殊召喚する。
2. サルファドールの効果でスモーガーとシストバーンをデッキから墓地へ送る。
3. 場のヨクルとサルファドールでRipperをx召喚する。
4.Ripperの効果でcase of K9を手札に加えつつ、EX強制解除を場にセットする。
5. Case of K9を発動し、イズナを手札に加える。
6.墓地のスモーガーを除外し、インクルージョンを加える。
7.インクルージョンを発動し、クラスターを手札に加える。
8.シストバーンを除外し、トリスタロスを手札に加える。
9. トリスタロスを通常召喚する。
10.手札のクラスターを場にセットする。
3ドロー展開
最終盤面:Ripper、トリスタロス、クラスター、インクルージョン、強制解除
手札 :イズナ
妨害:手札のイズナからルフス→ランク5、ヨクルorランタン+トリスタロス、Ripperの手札墓地のモンスター効果発動無効、強制解除の破壊、warewolfのハンデス、クラスターの破壊効果の合計6妨害
1.手札のヨクル効果を発動し、手札からヨクル、サルファドールの2体を特殊召喚する。
2. サルファドールの効果でスモーガーとシストバーンをデッキから墓地へ送る。
3. 場のヨクルとサルファドールでRipperをx召喚する。
4.Ripperの効果(コスト:ヨクル)でランタンを手札に加えつつ、EX強制解除を場にセットする。
5.墓地のヨクルを対象にとり、ランタンとヨクルを特殊召喚する。
6.ランタン効果でcase of K9をサーチする。
7. Case of K9を発動し、イズナを手札に加える。
8.墓地のスモーガーを除外し、インクルージョンを加える。
9.インクルージョンを発動し、クラスターを手札に加える。
10.シストバーンを除外し、トリスタロスを手札に加える。
11. トリスタロスを通常召喚する。
12.手札のクラスターを場にセットする。
2.3 スタンバイ アーティファクトロンギヌス下での展開
アーティファクト・ロンギヌスを投げられる場合、スタンバイフェイズに投げられる場合とサルファドールの効果処理後に投げられる場合の2つが考えられますが、ヨクル+サルファドール初動であればいずれの場合であっても展開ルートが変わらないため、ここではスタンバイフェイズにロンギを投げられたものと仮定します。
なお、手札にクリストロンカードがある場合は若干話は変わってきますが、その場合は、サルファドールでサルファフナーとシストバーンを落とし、サルファフナー効果でスモーガーをリクルート、クリストロン共通効果でスモーガー自身を破壊してトリスタロスをリクルートすれば良いです。
同様に、下記の展開例は召喚権を使わずに行うことができるので、下級クリストロンの共通効果などでトリスタロスを場に出すことができれば、相手依存にはなりますが相手ターン中にlv10のシンクロ召喚を追加で行うこともできます。
ロンギ下展開
最終盤面:Ripper、ヴァロン、ヴィマナ、強制解除
墓地:シストバーン、スモーガー
妨害:ヴァロン、ヴィマナ、Ripperの手札墓地のモンスター効果発動無効、強制解除の破壊、warewolfのハンデス、合計5妨害
1.手札のヨクル効果を発動し、手札からヨクル、サルファドールの2体を特殊召喚する。
2. サルファドールの効果でスモーガーとシストバーンをデッキから墓地へ送る。
3. 場のヨクルとサルファドールでRipperをx召喚する。
4.Ripperの効果(コスト:ヨクル)でランタンを手札に加えつつ、EX強制解除を場にセットする。
5.墓地のヨクルを対象にとり、ランタンとヨクルを特殊召喚する。
6.ランタン効果でcase of K9をサーチする。
7. Case of K9を発動し、イズナを手札に加える。
8.手札からイズナを特殊召喚しルフスをデッキから墓地へ送る。
9.ランタンとヨクルでヴァロンを特殊召喚する。
10.イズナとルフスでヴィマナを特殊召喚する。
2.4 スタンバイ ディメンションアトラクター下での展開
ここでも2.4節と同様にスタンバイフェイズにアトラクタが投げられたと仮定して話を進めます。
現環境においてアトラクターを投げてくるデッキはマリスとK9VSくらいですが、いずれもヴァロンが刺さる為、基本的には下記のランク5はヴァロンにすることが多いです。
アトラクター下展開
最終盤面:Ripper、ランク5、強制解除
妨害:ランク5、Ripperの手札墓地のモンスター効果発動無効、強制解除の破壊、warewolfのハンデス、合計4妨害
1.手札のヨクル効果を発動し、手札からヨクル、サルファドールの2体を特殊召喚する。
2. 場のヨクルとサルファドールでRipperをx召喚する。
3.Ripperの効果(コスト:ヨクル)でランタンを手札に加えつつ、EX強制解除を場にセットする。
5.ランタンを通常召喚する。
6.ランタン効果でcase of K9をサーチする。
7. Case of K9を発動し、イズナを手札に加える。
8.手札からイズナを特殊召喚する。
9.ランタンとイズナでランク5を特殊召喚する
2.5 クリストロンからRipperを立てる動き
予告通り、ここではクリストロンギミックからRipperを立てる動きを2つ紹介します。1つ目のルートは墓地にスモーガーがいるため、スモーガー効果でインクルージョンを発動し、インクルージョン効果でlv5クリストロンを手札に加えれば、Ripperで加えたヨクルの効果の発動条件を揃えることができます。
2つ目のルートも1つ目と同様にヨクルの効果の起動までお膳立てすることができます。
なお、2つ目のルートも途中でサルファフナー+サルファフナーのコストという形になりまりが、こちらは1つ目のルートとは異なり、サルファフナーの破壊時リクルート効果を使わずにRipperをたてることができます。そのため、墓地のシストバーンの効果でサルファフナーを手札に加え、ヨクルでサルファフナーを場に出し、場に出たサルファフナーを墓地のサルファドールの自己特殊召喚効果で破壊することで、召喚権を一切使わずにエレスケルタスまでアクセスすることができます。
展開例1
必要札 : サルファフナー+サルファフナーのコスト(同名以外のクリストロン名称)
1. コストを捨ててサルファフナーを特殊召喚し、サルファフナー自身を破壊する。
2. サルファフナー効果でサルファドールを特殊召喚する。
3. サルファドール効果でインクルージョン、スモーガーを墓地へ送る。
4. インクルージョンの墓地効果を墓地のサルファフナーを対象に発動し、墓地からサルファフナーを特殊召喚する。
5. サルファフナー+サルファドールでRipperをx召喚
展開例2
必要札:インクルージョン+サルファドール
1. インクルージョンを発動し、サルファフナーを手札に加える。
2. サルファドールを捨ててサルファフナーを特殊召喚し、インクルージョンを破壊する。
3. インクルージョンの墓地効果を墓地のサルファドールを対象に発動し、墓地からサルファドールを特殊召喚する。
4.サルファドールの効果でスモーガーとシストバーンをデッキから墓地へ送る。
5. サルファフナー+サルファドールでRipperをx召喚する。
2.6 クリストロン1枚初動
本構築においてクリストロン1枚初動の展開を行う場合は、リサイクラー、スモーガー、インクルージョンのいずれか1枚しか展開札がない場合にのみ限ります。
特に本節ではインクルージョン1枚初動の場合のみを紹介しますが、この展開は召喚権を必要としないため、以下のようにすることでリサイクラー、スモーガー1枚初動の場合であってもこの展開に繋げることができます。
スモーガー1枚初動からインクルージョン1枚初動までの展開
1. スモーガーを通常召喚する。
2. スモーガー1体でクロックワークナイトをL召喚する。
3. 墓地のスモーガーを除外し、インクルージョンを手札に加える。
リサイクラー1枚初動からインクルージョン1枚初動までの展開
1. リサイクラーを通常召喚し、スモーガーを墓地へ送る。
2. 墓地のスモーガーを除外し、インクルージョンを手札に加える。
それでは、インクルージョン1枚初動をみていきましょう。
以下の展開を行うことで次の妨害を用意できます。
妨害 : クラスター、インフィニティ、トリスタロス
1. インクルージョンを発動し、サルファドールを手札に加える。
2. インクルージョンを破壊し、サルファドールを特殊召喚する。
3. サルファドールの効果でクラスターとトリスタロスを墓地へ送る。
4. インクルージョンを墓地から除外し、トリスタロスを墓地から特殊召喚する。
5. トリスタロスとサルファドールの2体でエレスケルタスをs召喚する。
6. エレスケルタスの効果で墓地からクラスターを回収する。
7. トリスタロスを墓地から除外し、エレスケルタスを破壊して、デッキからサルファドールとサルファフナーを特殊召喚する。
8. エレスケルタスの効果でトリスタロスを特殊召喚する。
9. ファドールとファフナーでノヴァを出し、さらにノヴァに重ねてインフィニティを出す。
3.K9クリストロンの構築
3.1 構築例と採用理由
以下の図は、実際に私が2025年5月1日時点で使っていた構築です。

採用したクリストロン名称と採用枚数の根拠
クリストロン名称のカードで採用したカードは、ファドール3、ファフナー3、
スモーガー2、シストバーン1、プラシレータ1、トリスタロス1、インクルージョン3、クラスター1の計15枚です。
ファフナーとファドールはクリストロンギミックのメインエンジンである他に、ヨクルの相方となったり、この2枚の組み合わせからK9ギミックにもアクセスできたり、K9とクリストロンとのシナジーを強めるカードであるため、初手で欲しいカードです。
また、これらのカードをサーチを介して手札に引き込めるインクルージョンやおろかな埋葬などはドロバを重く受けやすいため、ファドールとファフナーを直接手札に引き込めている場合が最も誘発受けが良くなります。
そのため、それぞれ上限である3枚の採用にしました。
また、基本の展開ルートでは少なくともデッキに1枚はlv5のクリストロンモンスターが眠っていることが必要であるのですが、デッキに6枚lv5のクリストロンを採用すればどのようなカード5枚の組み合わせであっても、必ず基本展開ができるという保証が得られます。
ドロバ受けが悪いとはいえ、召喚権を切らずにファドールとファフナーを手札に回収できるインクルージョンは使い勝手が良いため、こちらも3枚の採用です。
下級非チューナーのクリストロンについては、スモーガーが2枚とシストバーンが1枚、プラシレータ1枚の計4枚を採用しました。
この構築では、基本的にはリヴァーストームでサーチしたリサイクラーに召喚権を切りたい上に、クリストロン名称のカードはサルファドールの効果で墓地へ送れることも踏まえると、召喚権を切る初動のスモーガーを初手に引き込む重要性は低いです。
一方で、本構築ではトリスタロスの効果でデッキからlv3のクリストロンを特殊召喚し、その2枚でアクセルを出すことで相手ターンにバロネスを立てる動きをするため、相手ターン中にデッキ内にlv3下級クリストロンが眠っている必要があります。
クラスターの除去効果をトリスタロスの効果の前に使うことでこの枠を2枚まで削ることもできますが、それをするとあまり有効でないタイミングでクラスターの除去効果を使わざるを得ない状況に陥る可能性があります。
それ以外にも、トリスタロスの効果は相手が発動した効果に直接チェーンして発動するため、基本的には致命的でない相手のアクションに合わせて使います。
おおよそ、致命的でないアクションは相手のメインフェイズ1手目であることが多いため、lv3の枠を展開に必要な最小枚数の2枚まで減らすと、トリスタロスの効果を発動したいタイミングで発動できなくなる場合が多々あります。
以上を踏まえ、下級lv3クリストロンは展開に必要なスモーガーとシストバーンを最低1枚ずつ採用し、その上でいずれか一方をもう1枚採用する必要があります。
スモーガーとシストバーンを比べた場合、いずれか一方をもう1枚追加で採用するならば、単体でクリストロンの初動にもなれる前者の方が幾分かマシであるため、最終的にはスモーガー2枚、シストバーン1枚の計3枚に落ち着きました。
プラシレータは初手で引いてしまったトリスタロスを場に出すために採用しました。ごく稀にプラシレータ通常召喚、プラシレータ1体でクロックワークナイト、プラシレータ効果で場にクリストロンを特殊召喚し、クロックワークナイトとそのモンスターでリトルナイトのようなプレイをすることがあります。
下級チューナーはトリスタロスを1枚だけ採用しています。
以前のクリストロンでは、誘発ケアのためにトリスタロスを3枚採用していましたが、K9クリストロンではRipperの存在と手数の多さからトリスタロスで誘発をケアする必要性が薄くなりました。
また、K9クリストロンはリサイクラーに召喚権を割り当てたいので、初手で引いたトリスタロスに召喚権を切れません。
それらの事情を考慮した結果、採用枚数を1枚まで削ることにしました。
クラスターは1枚の採用ですが、こちらの採用理由及び採用枚数については何も言及することはないかと思います。
強いていうなら、クラスターは手の盤面を除去できる永続罠ですので、スキドレやセンサーのような厄介な永続罠の対処に使えたり、冥王結界波や一雫のようなモンスター特化のまくり札からの影響を受けなかったり、絶妙にクリストロンの弱点を補強しつつ、リソースを回すこともできるパワカです。
しかも、捲った盤面の蓋をしたり、後攻1ターン目と先行2ターン目の2ターンをかけて捲る際にはまくり札の1枚になったり、後手でも使い所が多いため、サイドチェンジで抜くこともほとんどありません。
また、クリストロンモンスターが除外されなくなるというインクのシミらしきテキストもマリス側にとっては少し辛いらしいです。
採用したK9名称のカード
K9については、イズナ3枚、ルフス1枚、ヨクル3枚、ランタン1枚、case of 2枚、強制解除1枚の合計11枚と、ヨクル・ランタンをサーチするためのカオティック・エレメンツ1枚の計12枚の採用です。
この構成はベーシックなK9出張ですので、説明することがあるとすれば、イズナ 3枚採用の理由、case ofとカオティックの採用枚数、強制解除の採用理由の 3点かと思われます。
イズナ 3枚の採用理由については、純粋にイズナを誘発として評価しているからです。
マリス対面であれば、マーチヘアで効果がアクティブになる上に、ヴァロンによる月の書効果がクリティカルに刺さるため、誘発の当てどころが少ないマリスに対しても有効牌になり得ます。
また、K9採用のデッキやドラゴンテイルであれば、基本的にはどこかしらで効果がアクティブなる上に、前者であればイズナやヴァロンが、後者はティフォンからのアーゼウスがクリティカルに刺さるため、イズナとルフスの両者の効果が共に通った際のバリューが非常に高いです。
それ以外にも、ランク4デッキのドドドドウォリアー初動から出てきたエクシーズモンスターに対して最も有効な対処手段は、イズナで出したヴァロンの効果でそのエクシーズモンスターを裏側表示にさせることであるなど、さまざまなデッキに対して最も広く受けられる誘発が今期のイズナです。
妨害用の手札誘発以外にも、先行時に誘発で展開を止められた際、イズナからリヴァーストームまでアクセすることで誘発の貫通札になったり、ヴィマナを立てることで追加のケア札兼次ターンでの妨害になったりするなど、先手後手いずれも欲しいと思う場面が非常に多くあります。
Case of とカオティックについては所謂チラしというものです。
以下、この段落においてはデッキ枚数が40であると仮定します。
最初はヨクルにアクセスするためにcase of を 3枚採用していましが、case ofの重ね引きが実質1ハンデスとなり、手数を落とす原因になっていました。
そこでcase ofを1枚カオティックに変更すると、ヨクルへのアクセス率はそのままにcase ofの重ね引きの確率を3.6%から1.3%へと軽減することができます。
これだけだとさほど大きな影響はないようにも見えますが、Bo3で 3戦した場合、Case of3枚の採用であれば、それを初手で重ね引くゲームが1回でもある確率は、約10%ですので、決して無視できるような数値ではありません。
一方でcase ofを1枚だけカオティックに変更すれば、上と同じ条件下でも約3.8%となり、初手5枚でcase ofを重ねて引く確率と同程度まで減少させることができます。
そのため、カオティックとcase ofを同時に採用することにしました。
そのとき、次に問題となるのはカオティックとcase ofの採用枚数を合計で3枚に抑えたこと、つまり2枚目のカオティックを採用しないことかと思われます。
これについても基本的にはcase ofを 3枚採用しない時と同様の理由です。
詳しく書くと、そもそもK9は相互サーチが得意なテーマである都合上、ヨクルの特殊召喚効果さえ通れば、K9展開で必要となるカードは全てアクセスできます。
そのため、異なるK9モンスターを3体以上も手札に抱えても手数につながらず、結果的に1ハンデスの負債になります。
つまり、ヨクルはマストで欲しい一方で、過剰なヨクルのサーチ札を用意することは全体的なデッキパワーの低下を招きます。
具体的な数字で見てみると、2枚目以降のカオティックを採用した場合、ヨクルの初手率を6%ほどあげることができますが、その一方で、case ofまたはカオティックを重ね引きする確率が2.6%まで上昇します。
しかも、そもそもクリストロンギミックでK9にアクセスできる上に、相手が誘発を投げていればイズナ効果からRipperを特殊召喚し、Ripperのサーチでヨクルまで繋がるなど、実戦では理論値以上にヨクルへサーチする手段が豊富です。
それらを総括すると、カオティック2枚採用は余計なリスクを招くだけで初手の増強にはつながらないので、採用しない方が良いという判断になりました。
すると問題となるのは、それならなぜcase of を2枚採用しているかということになります。これについては、case of からヨクルへアクセスし、相手が誘発を投げている場合、case of が1枚採用であればランタンの魔法罠サーチ効果でアドバンテージを稼げないことが同型でのリソース勝負でキツくなる遠因になるからです。上のシチュエーションと同様に、相手が誘発を投げている状態でRipperが成立した場合、Ripperから直接ヨクルにアクセスするよりもcase ofを経由した方がcase ofの打点上昇効果の分だけ生存力、ワンキル力が上がる上に、最終的にはランタンでcase ofの2枚目を回収できるなど、相手依存ではあるものの2枚目のcase of が勝負を分ける要因にもなり得ることが多々あります。
また、この回答そのものが、case ofとカオティックの採用比率の根拠にもなります。
最後に強制解除を採用した理由については、warewolfによるワンキル性能とRipper成立で3妨害が確約されることの2点です。
クリストロンは元来、打点を用意することが難しく、後手を取った際に増殖するGといった誘発で相手のターンスキップに成功したとしても、相手の妨害を乗り越えながらワンキルすることは難しいです。その一方で強制解除を採用したK9クリストロンであれば、強制解除による1面除去+warewolfによるワンショットという択が取れるため、純構築よりもローリスクでワンショットを目指すことができます。
それ以外にも、増殖するGやアトラクター、ロンギなどを投げられてクリストロンギミックが機能しない場面であっても、Ripperさえ立てれば、Ripper、強制解除、warewolfの3妨害を用意しつつ、手札にK9モンスターを1枚抱えることができるので、場合によっては4妨害、5妨害まで展開を伸ばすこともできます。
強制解除を1枚採用することで先手でも後手でも選択肢が大きく広がるため、1枚は採用したいカードです。2枚目以上のランクアップはエクストラの枠が足りなかったり、事故率の上昇が怖かったりで採用は控えていますが、もう少しK9に寄せる型であれば、採用候補には上がるかと思います。
K9、クリストロン以外で採用したカード
手札誘発の他に説明が必要なカードはスクラップリサイクラーかと思いますが、こちらについては上の基本展開で必要だからというシンプルな理由になります。
もう少し踏み込んでみると、なぜリヴァーストームからリサイクラーに繋げるルートを採用したのかという問題が浮かび上がってきます。
この問題の答えについては、ファドールに打たれた無限抱擁ケアになるからです。詳しくは省略します(もしかしたら加筆するかもしれないです)。
採用した汎用札
最後に採用した汎用カードの解説を加えたいと思います。
これらを大きく分けると、ドロー系を弾くカード(うらら、墓穴)とドラゴンテイルへの対策(うらら、わらし)、ドロー系誘発(増殖するG、フワロス、プルリア)、お守り(ニビル、抱擁)のいずれかです。
最初2つの説明はいらないかと思います。
ドロー系誘発を優先し、一雫のようなクリストロンと相性の良いまくり札を減らした理由については、K9クリストロンは手数が多いため、下手なまくり札を打つよりも手数で押し込んだほうが後手の勝利を出しやすかったからです。
これがお守りとしてニビルと抱擁を選んだ理由でもあります。
ニビルについては、環境外デッキやマリスなどに対してワンチャン作れるカードですし、抱擁についてはK9や三戦の才を踏まずに先手のアルザリオンや閃刀初動のヤミーウェイに当てることで展開を大幅に弱められる可能性があるため、クリストロンに採用できるお祈り用のカードとしては最も強いです。
ニビル、抱擁、わらしの採用枚数については、初手にドロー系誘発を1枚以上、またはドロー系ではない誘発を2回以上打てる確率が50%を超えるように調整した結果です。
採用したエクストラのモンスター
展開に絡まない汎用的なモンスターのみ言及します。
まず、ランク5はヴィマナとヴァロンの2枚ですが、ヴィマナについては汎用札として、ヴァロンについては主にマリスやヤミーを見ての採用です。
既に無効効果を使ったバロネスを一度盤面から離しつつ、リトルナイトの戦闘破壊をヴィマナの効果で防げるので、そのシナジーも鑑みてヴィマナを採用しました。
ヴァロンについての説明はいらないものと思われるので省略します。
次に汎用的なエクシーズモンスターについてですが、こちらはティフォンとアーゼウスをそれぞれ1枚ずつ採用しました。
基本的には、後手の時にルフスから相手ターン中にティフォンを重ね、ティフォンで戦闘した後にアーゼウスで盤面を流すという使い方を想定して入れてあります。
仮想敵はドラゴンテイルとライゼオルですが、それ以外のデッキに対してもこのムーブで割と捲れます。
シンクロモンスターはバロネスとアンヘルであり、共にlv10です。
基本的には上記の盤面から、さらに追加でバロネスが出てきた盤面を捲られることはないので、何も考えずバロネスを立てるだけで大丈夫です。それで勝てます。
アンヘルについてはヨクルかランタンとアクセルでシンクロ召喚を行うことで場に出すことができます。デッキ内にチューナーが1体しかいない都合上、グリオンガンドが場に出せないので、その代用として入れました。
個人的に少し微妙だと感じているので、近いうちに抜ける可能性が高いです。
3.2 不採用カードおよびギミック
クリストロン名称で不採用にしたカード
以前の構築で入っていたものの、K9クリストロンを使っている内にローズニクス、シトリィの2枚が抜けていました。
ローズニクスについては、元々展開で必要でしたが、K9クリストロンではローズニクスが絡まない展開であっても十分に強力であるため、採用する理由なくなりました。それゆえクビです。
また、シトリィについては、事故の要因でもあり、後手の捲りにもほとんど寄与しない先行札であったため、デッキから抜きたいカードではありましたが、純クリストロンにおいては相手ターンに妨害数を増やせる貴重なカードであったため抜くことができませんでした。しかしK9クリストロンはシトリィを採用せずとも十分な妨害が残せるため、シトリィを採用する理由が薄れました。なのでクビです。
K9で採用しなかったカード
色々とありますが、全て同じ理由です。
欲しいと思ったことがないからです。
ライトニングマスターライトニングマスターはレベル7機械族のシンクロモンスターですので、クリストロンでは比較的出しやすい妨害効果持ちのモンスターです。
ライトニングマスターは魔法罠の効果を無効にでき、効果の発動後にレベルが5になるため、ルフスと合わせてランク5を相手ターンに出すという動きが強力ですが、私は採用しませんでした。
なぜかというと、まず、ライトニングマスターの効果を使わなければ実質的にこの動きでできる妨害が0妨害であること、他にも、ルフスの効果を起動するためには相手が手札墓地で効果を使っている必要があるため、2妨害目も相手依存になることが主な理由です。
なお、このギミックは主にドラゴンテイルを仮想敵として想定したではものではありますが、K9クリストロンの妨害数ならば、2章1節で説明した制圧ルートでも捲られる可能性が非常に低い(現に筆者はこの盤面から捲られたことはない)ので、わざわざライトニングマスターのためにエクストラの枠を裂く必要性はないと思いました。
また、ドラゴンテイルのまくりの際にライトニングマスターで捲流といった用途が考えられますが、そもそもトリスタロスが1枚採用であるため、ライトニングマスターを出す機会もなかなか恵まれません。
ただ、こう書き出してみると強そうな気もしてきたので、今度検証してみます。
今はライトニングマスターを採用しています。採用理由については消し線部でなんか色々と書いてあることに追加して、2.6の展開で用いるためです。
アライズハート(無限起動ギミック)、パラダイススマッシャー
再三申し上げている通り、いずれもK9に採用されている先行札ではありますが、K9クリストロンはそれらのカードに頼らずとも捲りにも使う汎用的なエクシーズモンスターだけで十分な制圧力を確保できるため、採用を見送りました。お祈り申し上げます。
4.最後に
K9クリストロンは日々優勝報告を見かけるくらいには強いデッキです。
Tier1デッキとして扱われることはあまりありませんが、ドラゴンテイルやVSK9、ヤミーとも互角に戦えるくらいにはパワーのあるデッキである一方で、展開も比較的簡単であり、妨害も扱いやすいものが多いため、ある程度遊戯王に慣れている人であれば誰でも回せます。
しかも、規制のかかりそうなカードもヨクルくらいしかない上に、ヨクルをサーチできるカードの枚数にもゆとりがあるため、規制後のリペアも比較的容易なデッキです。
以上まとめると、向こう半年は環境で遊び倒せるデッキであると思いますので、初めて環境デッキを組もうとしている人にもおすすめなデッキです。
K9はともかく、クリストロンは安いですし。
本稿がK9クリストロンを組もうとしている人のみならず、K9クリストロンを使っている人、K9クリストロンに苦しめられている人であっても、何かしらの学びが得れたのであれば筆者冥利に尽きます。
長くなりましたが、ご一読ありがとうございました。
