シンガポールで徳を積んだら1ヶ月後にアップグレードで返ってきた話
序章:JGCプレミアでも起きる、想定外の瞬間
「JGCプレミアになれば、もう搭乗トラブルとは無縁だろう」そう思っていた時期が、私にもありました。
でも、航空の世界では、ステータスだけでは制御できない“偶然”が起きることがあります。それが、オーバーブッキングです。
国内線のオーバーブッキングは毎日のようにどこかで起きているのだろうな、という想像はしていましたが、国際線でオーバーブッキングがあるとは、正直思っていませんでした。でも実際には国際線でも起きているんですね。
ただし、それを「トラブル」と感じるか、「チャンス」と感じるかは、航空会社と旅客の関係次第です。
JALのように誠実に調整してくれるケースでは、思わぬ“幸運”が訪れることもあるのです。
第1章:チャンギ空港での一本の電話
バンガロールから日本への一時帰国の際にシンガポールを経由したことがあります(注:これは帰りにシンガポールにどうしても寄る必要があったからで、SQとJLの乗り継ぎはアライアンスが違うこともあり、通常はやりません)。
さて日本へ戻る便は、シンガポール航空でバンガロールを11時頃出発しチャンギ空港に19時頃到着しました。次のシンガポールから東京へのJAL便は、22時発と深夜2時発の2本がありました。私は余裕を見て、深夜2時過ぎの便を予約していたのです。
19時過ぎ、チャンギ空港で夜ご飯を食べていると、見慣れぬシンガポールの番号から電話が鳴りました。
「午前2時発の深夜便がオーバーブッキングとなりました。
大変申し訳ないのですが、もし可能でしたら22時発の便に変更いただけませんでしょうか?」
少し驚きつつも、特に支障はなかったため快く了承。結果、非常口前の広々シートを用意してもらえました。アップグレードやマイルのご褒美はなし。でも、JALの丁寧な説明と迅速な手配はさすが。
心の中では、
「これで少し“徳”を積めたかな」と、静かに満足していました。
このときは、まさか1ヶ月後に“返礼”があるとは思いもしませんでした。
第2章:1ヶ月後、バンガロール空港での逆転劇
その約1ヶ月後、再びバンガロールから日本へ戻るフライト。
チェックインカウンターで、係員が少し申し訳なさそうに言ってきました。
「エコノミーが満席のため、ビジネスクラスにお振替いたします。」
一瞬、耳を疑いました。
今回はプレミアムエコノミーを予約していたので、エコノミー→プレエコ→ビジネスの玉突きアップグレードが発生したようです。
割り当てられたのは、隣席が空席の窓側という最高の配置。静かな機内で食事を楽しみながら、ふと1ヶ月前の「22時発への振替電話」を思い出しました。
「あの時“徳”を積んでおいて良かった」
第3章:オーバーブッキングの裏にある“航空会社の論理”
オーバーブッキングは、航空会社が座席稼働率を最大化するための仕組みです。一定割合の“キャンセル・No Show”を見込んで、予約数を超えて発券します。
理屈としては正当ですが、実際にそれが“人”に影響する瞬間、航空会社の「対応力」と「誠意」が試されます。
この点、JALの対応は非常に丁寧でした。説明は簡潔、代替案は迅速、そして「お願い」ベース。修行僧目線でも、“信頼できる超過予約”という印象を持ちました。
そして何より、その誠意はどこかで必ず“巡ってくる”——そう感じさせる体験でもありました。
終章:修行と徳
オーバーブッキングってちょっとイヤな響きだけど、心に余裕を持って協力すれば、思わぬビジネスクラス体験みたいな“ラッキー”が返ってくることもある。修行は何かの見返りを直接期待するものではありませんが、徳を積むことで自然と良い報いが巡って来ることもあるのですね。
