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空の川

玄関の扉を開けると
そこはもう宇宙の入り口だった

少しだけ 空に近いこの場所では
夜が来ると 地上と空を分かつ境界線が
溶けてなくなる

見上げているはずの空は
いつしか私を包み込み
気づけば私は
宇宙の中で呼吸をしている

季節が巡り
夜空の深い場所へ目を向けると
星たちの瞬きが幾重にも重なり
淡く白い川となって空を渡っていく

その流れをたどれば
果てのない静寂の中に
数えきれないほどの命が
それぞれの光を灯していることに気づく

その小さな輝きが集まって
ようやく一筋の美しい光になる

ひとつひとつは
あまりにも小さな瞬きなのに
重なり合うことで
夜はこんなにも
壮大な景色を描いてしまう

夜空いっぱいに広がるその姿は
まるで星たちが奏でる
静かな光のオーケストラ

音もないのに
胸の奥だけが 心地よく震えている

永遠ではないからこそ
愛おしくて 私は空を見上げたまま

光の海に浮かぶ
小さな星のひとつとして
この奇跡の中に立っている


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