頑張りたいのに頑張れない日、食品表示に疲れてしまった
富士宮で13年、食の商社を経営。お客様満足度97.1%、お母さんたちの口コミで広がり続けている無添加のソーセージなどの加工食品の通販「おもいやり便」を運営しています。4児の母として30年以上のアトピーを食で改善した経験から生まれたこのサービス。無添加が当たり前の世界と、子どもの笑顔があふれる日本を残したい。そんな想いで、食と子育てのことを発信しています。
土曜日のスーパー。 ベビーカーを押しながら、お惣菜コーナーで立ち止まる。
唐揚げを手に取って、裏を返す。 細かい字で並ぶ、聞いたことのないカタカナ。 戻す。
隣のハンバーグを手に取る。 また、同じような表示。 戻す。
冷凍食品の棚に移動して、同じことを繰り返す。 気づけば20分が経っていて、カートの中身はほとんど増えていない。 子どもがぐずり始めて、もう何を買えばいいのかわからない。
帰り道、ベビーカーを押しながら、ぽつりと思う。 「ちゃんとしたいのに、ちゃんとすることに、こんなに疲れちゃった」。
「頑張りたい気持ち」が、自分を追い詰めることがある
食の安全に気をつけ始めたお母さんほど、あるとき急に息切れします。
最初のうちは、知ることが楽しかったはずなのに。 良いものを選べた日は、ちょっと誇らしかったはずなのに。
気づけば、スーパーに行くたびに裏面を見て、戻して、また見て、疲弊している。 買いたいものが見つからなくて、結局家に帰ってから冷凍食品に頼ってしまい、夜に罪悪感に襲われる。
「頑張りたいのに頑張れない」 「あれだけ勉強したのに、結局できていない」 「完璧にやろうとしている自分が、いちばん疲れている」
食品表示を見すぎて、食べることそのものがしんどくなる。 こういう時期は、食にちゃんと向き合っている人ほど、通る道だと思っています。
頑張れない日は、頑張らなくていい
ここで伝えたいのは、頑張れない日は、本当に頑張らなくていいということ。
無添加を一日でも外したら、子どもに悪影響が積み重なる、なんてことはありません。 今日のお惣菜一つで、体が決定的にダメになるわけでもありません。
食は、一日単位じゃなくて、月単位・年単位の積み重ねです。 疲れている日に完璧を目指すより、疲れている日はラクをして、元気な日に少しだけ整える。 そのくらいのバランスが、長く続けるコツだと思っています。
そしてもう一つ、伝えたいこと。 「完璧な無添加ママ」になる必要は、そもそもありません。
SNSを開くと、毎日手作りごはんを並べて、オーガニック食材で統一されたキッチンを見せる人がいて、自分と比べて落ち込んでしまうこともあると思います。
でも、表に見えているのは、誰かの人生のほんの一部分です。 毎日あんなふうにできる人なんて、ほとんどいません。 みんなどこかで手を抜いて、どこかで頑張って、なんとかバランスを取っています。
あなたがちゃんと食品表示を見ている時点で、もう十分に意識が高い。 これ以上、自分に厳しくしなくていいんです。
私も、食品表示ノイローゼになった時期がありました
私は30年以上、ひどいアトピーでした。 結婚して子どもを授かろうとしたとき、何度も流産をして、医師からは「自然妊娠は難しい」と言われました。
そこから夫婦で食を見直しはじめたのですが、私もしばらくの間、食品表示に疲れ切っていた時期があります。
スーパーに行くたびに、1時間以上かけて裏面を見る。 知らない添加物が出てくるたびに家に帰って調べる。 夫と外食しても、メニューを見ながら心のなかで原材料を想像してしまう。 気づいたら、食べることが楽しくなくなっていました。
夫は、食材の商社を十数年やっていた人間です。 そんな夫にある日こう言われました。 「知ることは大事だけど、怯えるのは違う」。 「今の君は、健康になるためにやっているはずのことで、心を疲れさせている」と。
そこから、少しだけ力の抜き方を覚えました。 全部の食材を完璧にしようとするのではなく、「毎日食べているもの」だけに絞って整える。 特別な日はゆるく。外食は楽しむ。 このバランスを覚えてから、食と向き合うことが、ずっとラクになったんです。
「これだけは安心」を、ひとつ置いておく
食品表示に疲れている方に、おすすめしたいのは、「全部を頑張る」をやめて、「ここだけは安心できるものを置いておく」に切り替えること。
冷蔵庫のなかに、裏面を見なくても安心して食卓に出せる一品を入れておく。 それがあるだけで、スーパーで全部を吟味する必要がなくなります。
市販の無添加品を探し回ったこともありましたが、「美味しくなくて家族が食べない」「それなのに高い」という壁にぶつかりました。 それなら自分たちで作ろう、と夫と始めたのがおもいやり便です。
夫が食材の商社で培ってきた知識をもとに、原料も調理法も妥協せずに、半年以上かけて作りました。 富士幻豚という希少な豚肉を、塩だけで仕上げたソーセージ。化学調味料も、保存料も、砂糖も入れていません。
これ一つを冷凍庫に置いておくだけで、「今日はもう、裏面を見る気力がない」という日の逃げ場になります。 頑張れない日にも、自分を責めずにごはんが出せる。 それは、毎日の安心に直結する、大きな余白です。
食品表示に疲れてしまったあなたへ。 あなたは、ちゃんと頑張ってきた人です。 疲れるのは、手を抜いてきたからじゃなくて、真剣に向き合ってきたからです。
だから、今日くらい、裏面を見なくていい。 完璧じゃなくていい。 「これさえあれば大丈夫」の一品を冷蔵庫に置いて、がんばれない日は、それに頼ってください。
今日もお疲れさま。 肩の力を抜いて、ゆるく、長く、いっしょに続けていきましょうね。
