食の裏側を知って、少しだけ買い物の仕方が変わった
富士宮で13年、食の商社を経営。お客様満足度97.1%、お母さんたちの口コミで広がり続けている無添加のソーセージなどの加工食品の通販「おもいやり便」を運営しています。4児の母として30年以上のアトピーを食で改善した経験から生まれたこのサービス。無添加が当たり前の世界と、子どもの笑顔があふれる日本を残したい。そんな想いで、食と子育てのことを発信しています。
夕方のスーパー。 カートを押しながら、お惣菜コーナーの前で少しだけ立ち止まる。
以前なら、疲れた日は何も考えずに手に取っていた唐揚げパック。 今日は、ふと裏を返して、原材料の表示を眺めてみる。
聞いたことのないカタカナが、びっしり並んでいる。 発色剤、pH調整剤、酸化防止剤、乳化剤、香料、調味料(アミノ酸等)。
「そっか、こんなに入ってたんだ」。 そっと棚に戻して、今日は豚肉とキャベツだけ買って帰る。 これだけのことなのに、帰り道、ちょっとだけ心が軽い。
「知らない方が楽だった」と思った日もある
食の裏側を知ると、最初はすごくしんどくなります。
毎日食べていたウィンナーも、パンに塗っていたマーガリンも、朝のコーヒーに入れていた粉末ミルクも。 「え、これも?」「これもダメなの?」の連続で、スーパーで買えるものがどんどん減っていく感覚。
家に帰って、冷蔵庫や食品棚を眺めながらため息をついた夜もあります。 「今まで子どもにあげてきたもの、大丈夫だったのかな」 「自分が知らなかっただけで、体に負担をかけてきたのかな」
知ったことで罪悪感が増えて、知らなかった頃の方が、よっぽど気楽だったと思うことも正直ありました。
でも、そのしんどさを通り越したところに、もう一つの景色があります。
完璧に避けるのではなく、「選べる自分」になる
食の裏側を知って、買い物の仕方が変わった人がよく口にする言葉があります。
「全部を避けるようになった」ではなく、 「なんとなく手に取る癖が、なくなった」。
ここが、実は一番大きな変化だと思っています。
スーパーで、カートに入れる前に一瞬だけ裏面を見る。 並んでいる商品のなかから、添加物の少ないものを選ぶ。 疲れた日は加工食品に頼ってもいいけれど、「選んだうえで頼る」になる。
これは、無添加信者になることとは違います。 完璧を目指すのではなく、**「知ったうえで、自分で選ぶ」**という立ち位置。 これができるようになると、買い物が静かに、でも確実に変わっていきます。
私も、最初はショックで動けませんでした
私は30年以上、ひどいアトピーでした。 食べるものに気を遣ったことがなくて、カップラーメンも、コンビニ弁当も、添加物まみれの加工食品も、気にせず口にしていました。
結婚して子どもを授かろうとしたとき、何度も流産をして、医師からは「自然妊娠は難しい」と言われました。 そこから夫婦で食を見直しはじめたのですが、最初は本当にしんどかったです。
いつも買っていたソーセージの裏面を見て、固まる。 安売りのお惣菜を見て、手が止まる。 「今まで自分、なんてものを食べてきたんだろう」とショックを受けた時期がありました。
夫は、食材の商社を十数年やっていました。 食品メーカーや食品加工の裏側をよく知っていた人です。 家で話を聞くたびに、**「表のパッケージだけじゃ、わからないことが本当に多い」**と思い知らされました。
でも、しばらくしてから気づいたんです。 知ったこと自体が、悪いことじゃないって。 むしろ、そこからが本当のスタートでした。
全部を完璧にやめることはできませんでした。外食もするし、旅行先でコンビニにも寄ります。 ただ、毎日の買い物で、「一度、裏を見る」という癖がついた。 それだけで、家に入ってくるものの質が、ゆっくり変わっていきました。
「毎日もの」から、一品だけ選び直す
食の裏側を知って戸惑っている方に、いつも伝えていることがあります。
いきなり全部を変えなくていいということ。 むしろ、全部変えようとすると、必ず反動が来ます。
おすすめは、「毎日のように食べているもの」から、一品だけ選び直すこと。 朝ごはんのソーセージ、お弁当のハム、おやつのウィンナー。 この「毎日もの」の中身を変えるだけで、体に入ってくる添加物の量は、思っている以上に減ります。
市販の無添加品を探し回ったこともありましたが、「美味しくなくて子どもが食べない」「それなのに高い」という壁にぶつかりました。 それなら自分たちで作ろう、と夫と始めたのがおもいやり便です。
富士幻豚という希少な豚肉を、塩だけで仕上げたソーセージ。化学調味料も、保存料も、砂糖も入れていません。 半年以上かけて試作を繰り返して、やっと「子どもが自分から手を伸ばしてくれる味」にたどり着きました。
スーパーで全部を避けなくても、家の冷蔵庫に**「ここだけは安心」と思える一品**があるだけで、買い物のプレッシャーがぐっと減ります。
食の裏側を知って、少しだけ戸惑っているあなたへ。 知ってしまったことは、罪悪感の入り口じゃなくて、「選べる自分」になるためのはじまりです。
全部を完璧にしなくていい。 「なんとなく手に取る癖をやめる」。それだけで、買い物はちゃんと変わっていきます。
今日もお疲れさま。 焦らず、一品ずつ、いっしょに選んでいきましょうね。
