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学校事務職員は安全を守れるか?~『学校安全がよくわかる本』(学事出版)~

関西の人間だと1月は「阪神・淡路大震災」が共通の記憶として思い出されます。また、近年では能登の地震もあり、個人的にいろいろ関わることも多かったこれを思い出して手に取ったのが

『学校安全がよくわかる本』栁澤靖明・井上和雄 編著(学事出版)

去年の7月の刊行です。

「学校安全」も学校事務職員の仕事?

学校事務職員ロックバンドとして活躍?している音楽事務検討委員会ですが、そもそも「学校安全」って事務職員の仕事なの?避難訓練とかやるやつでしょ?と思われる方も多いかもしれません。

実は、学校事務職員の仕事の範囲について文科省から「標準職務例」というのが示されていて、それに基づいて各自治体で決められています。

令和2年7月17日  事務職員の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について(通知)

↑ まあ、細かいことはわからないけど、なんとなくそんな感じだよね……という表。
しかし、実はこの表には続きがあって、

令和2年7月17日  事務職員の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について(通知)

↑ と、ちょっと難しそうなことが書いている表もあります(別表第二)

この別表二の方は、最初に断っているとおり「できたらやろうね」みたいなニュアンスです。

そりゃそうですよね。「企画運営会議への参画」とかさらっと書いてますが、職員会議の前に分掌の長が集まって方針を決めるような会議に例えば新任の事務職員が入って、もちろんできる人もいるでしょうがなかなか機能しないのでは。

とはいえ、学校事務界を研究面から推進する全事研の向こうを張って、ロックで牽引する音事検がチャレンジしないわけにはいかない。

「学校安全計画や学校防災計画等の各種計画等の策定」とあるように、エレキギターを下ろして学校安全の片棒を担ぐことが今、求められている……?

「学校安全計画」って何?

文部科学省(2019)「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」より

恥ずかしながら、危機管理マニュアルなんかはたまに見るものの、「学校安全計画」の詳細はおろか存在もあまり認識していませんでした。

「学校安全」というと、地震!火災!風水害!といったハードな災害が思い浮かびますが、日常には危険がいっぱい&危険というほどでもないけど不快なこと……が山ほどあり、それを一個ずつ、地道に取り除いていく作業なんだなあと実感します。

例えば僕は6月ぐらいになると予算で「ハチ・アブジェット」を大量に購入するんですが、これは校内で発生するハチを退治するためです。

個人的な経験則でやっているわけなんですが、「ハチ退治」を学校安全計画に加えることで、組織的な対応が可能になるか。

環境整備・学校防災・安全教育

これは本書のサブタイトルです。
この3つの視点から子どもを守る と謳っています。

学校事務職員としてコミットしやすいのは「環境整備」ですね。
たとえば本書では、シックスクールのことが取り上げられています。
よく大掃除の時に使うワックス。床にばら撒いてみんなで拭き上げるアレです。

毎年買うやつだったり市で指定されてるやつを購入することが多いと思いますが、モノによってはシックスクールの原因物質になるみたいです。

こういう、物品購入を担当するのが他ならぬ事務職員。シックスクールの知識があれば、安全な製品を選んで買うことができますよね。

安全を意識したモノを買う。というのは、もう既にやっている事務職員も多いかもしれませんね。

第二種衛生管理者の視点から

この本は「子どもを守る」という視点で書かれた本ですが、
自分は「教職員を守る」という意識からと、あと単に名前がなんかカッコいいという理由で「第二種衛生管理者」という免許をとりました。

照明の明るさがどうだとか、空調が回ってるか、うるさくないか、什器の配置は……等々、労働者が安全に衛生に気をつけて働ける環境なのかチェックする仕事です。

第二種衛生管理者たる自分は、転勤すると真っ先に男子更衣室を掃除します。これはきちんと法的根拠があって、

事業者は、常時50人以上または常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床(がしょう)することのできる休養室または休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」

労働安全衛生規則

という条文に基づいています。
休養室というのは職員用更衣室と兼用されている(というか黙示されている)場合が多く、学校によってはスペースが狭かったり乱雑で大人が横になれない場合があります。

でも、労働者(先生)が体調を悪くしたとき、安全に避難できる場所が必要だよ。ということでこんな定めがあるんですよね。

大人の安全を定めたのが「労働安全衛生法」で、
子どもの安全を定めたのが「学校保健法」で、両者の基準は微妙に異なります。

同じなのが空調で、両方とも温度(17〜28℃)と湿度(40〜70%)です。
そりゃまあ、そうか。

学校ならではだなあ、と思うのが照度で、
両方とも「300ルクス以上」ではあるんですが、黒板のみ「500ルクス以上」と厳しい数値になっています。

二酸化炭素濃度の決まりもあります。
大人は「1,000ppm以下」
学校は「1,500ppm以下」と、なぜか子どもの方が緩い基準です。

理由を聞くとしゃあなしに納得するんですが、教室には何十人の子どもがいるため、どうしても二酸化炭素濃度上がっちゃうよね。ということだそうです。

こういうのって保健の先生や学校薬剤師さんの領分なんじゃないの?

……そうです。
学校によっては教頭先生が衛生推進者だったりしますかね。

でも、保健の先生に丸投げするんじゃなくて、学校事務職員も連携した方がもっとうまくいくよね?というのがさっきのシックスクールの例です。

今回は歌はないの?

衛生管理者の話は、自分も学校安全を意識してる事務職員&ロッカーだぜというアピールですが、本書には全国の事務職員がそれぞれで学校安全にチャレンジされている様子が詳しく記されています。

一個ずつ感想を書くと字数がすごいことになるので措いときますが、同じ事務職員として敬服します。

いつもは音事検の楽曲に合わせてその解説をするというスタイルで(過去の記事参照)書いていましたが今回は歌はありません。

音事検のプロデューサー、RENが所属する本体バンドの方がおかげさまで忙しく、新曲作成に手が回らなかったというのが実情です。この体たらくだととても「別表第二」の仕事までこなせそうにありません。

よくない。学校事務業界をロックで牽引するはずが、逆にロックに足を引っ張られては。

今週末はこの本の出版記念学習会も催されるようですが、自分のライブと重なったため参戦できず。

本書にインスパイアされた「ロックde学校安全(仮題)」もいずれリリースしたいところです。

皆様、引き続き音事検の活動にご期待ください。


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音楽事務検討委員会(音事検/on-ji-ken) これからの音事検にご期待ください!