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8月25日 東京国際空港開港記念日 【SS】宇宙貿易

日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。


【今日は何の日】- 東京国際空港開港記念日

1931年(昭和6年)のこの日、羽田に「東京飛行場」(現:東京国際空港)が開港した。

国内初の民間航空機専用空港で、日本最大かつ東京・首都圏を代表する空港である。1952年(昭和27年)に「東京国際空港」と改称され、1956年(昭和31年)に航空整備法によって国内第一号の国際航空拠点に指定された。現在では通称「羽田空港」と呼ばれている。


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【SS】宇宙貿易

 羽田空港沖の東京湾が大きく埋め立てられている。羽田空港拡張計画がいよいよ実行され始めた。それが、今から五十年前。反対も多かったが、地球の発展のためということで国民の意見はねじ伏せられ、計画は承認された。当時は夢のような話の実現計画だったため、途中で頓挫するだろうという見方も多数あった。

 様々な障害を乗り越え、羽田で銀河宇宙空港として開業したのは、今から二十年前になる。将来の地球外の惑星人を受け入れることを考慮して、従来の東京国際空港との間の通路は作られず、太陽の影響や、天候の影響を受けないように、全て地下に入管施設や通路が設けられた。当時は、地球外の惑星から宇宙船がやってくるということは誰も想像していなかった。それが二十年経った今、その光景は信じがたいものに変貌していた。

 当初は、鳴り物入りで発表された月旅行が人気となり、毎週出発するほど予約が殺到していた。一つには、旅行費用が安くなったということだった。今では、一人百万円で月への往復が実現している。なぜか、回数券まで販売されているくらい人気だ。国内だけではなく、各国から予約が入ることで日本への観光客も鰻登りに増加し、日本としては外貨で潤うことになっている。開発を強引に進めた責任者の夢野三田助ゆめのみたすけや担当者の追手育造おっていくぞうも喜んでいた。

「反対も多かったけど、大成功だったな。なぁ、追手くん」

「いやー、流石だと思います。夢野さんだから実現できたんだと思いよ。これ、もしかしてエイリアンとかもやって来るようになるんですかね」

「ははは、当たり前だ。宇宙は広い。絶対に我々のことをじっと見ている異星人はいるはずだ。ただ、その場合、問題があるんだよな」

「一体なんです。想像もできませんが。。。あっ、言葉ですね。そうか、通じないですよね」

「うむ、確かに言葉もあるかも知れないが、それはおそらくコンピューターが解決してくれるはずだ。そうじゃなくて、我々は商売をして利益を得なければ意味がない。異星人が使う貨幣との交換の問題だな。もちろん、異星人が貨幣という概念を持っているかどうかも問題だ。だから、我々は過去の取引形態である物々交換の準備をしておいた方がいんじゃないかと考えているんだよ」

「なるほどー。流石に商売の鬼ですね。見習います」

 地球上で宇宙からの来訪者を迎え入れる空港は羽田だけだった。そのことを知った地球外生命体で地球に友好的な異星人は、ここぞとばかり着陸要請を入れてくるようになった。どこで学習したのか、英語と日本語を巧みに操り、ほぼ一光年先あたりから管制塔に連絡を入れてくるのが日常となっている。地球上の感覚では考えられない遠くの位置から、着陸要請を入れてくるのだ。それははるか先の予約ではなかった。異星人にしてみれば、わずか数時間程度の距離でしかないのだ。地球人の科学者達は、その移動方法を知りたくてたまらないようだ。だが、売け入れ側としては、摩擦を避ける必要もあり、しつこ過ぎる詮索はできない。自発的に協力を申し出てくれるまで待とうというのが、地球内での国同士の紳士協定となっていた。それ以前に、友好的な異星人との交易をまず円滑に進めなければならない。その上で、いろんな相談や交渉も出来るはずなのだ。

 異星人はこぞって、水を求めてきた。その代わりに受け取るものは、地球上には存在しない鉱石が多かった。宝石にも加工できそうだが、中にはエネルギーを出力できる鉱石も含まれていた。夢野はこの鉱石に目を付けた。エネルギーを出力する鉱石と水を交換する基準をいち早く設定した。早い者勝ちである。夢野には大きな野望もあった。

 現在地球上は温暖化により、海水面が上昇している。永久凍土などが溶けているからだ。温暖化をストップするにはまだまだ時間がかかると考えた夢野は、溶ける氷をなんとかすれば時間が稼げると考えたのだ。しかも、それで不思議な鉱石を手に入れて、次世代のエネルギーとして利用する開発を脳裏に描いていたのだ。

「この鉱石を使えば、半永久的に交換や充電不要なバッテリーが作れそうだ。一気に特許と専属取引の権利を獲得してしまおう。また新しい開発のための工場が必要になりそうだな。できるだけ、近いところがいいと思うが、追手くん、何かアイデアはないかな」

「どうせなら、銀河宇宙空港の地下をもっと広げてみてはどうですか。それ以上に近い場所はないと思います」

「なるほど、地下をさらに広げる案か。なかなか良いじゃないか。早速設計担当者を呼んで検討しよう」

「かしこまりました。早速手配します」

 異星人が持ち込んだ不思議な鉱石に夢野は未来を見ていた。この石を利用した新しいエネルギー供給の仕組みができそうな予感がピンときたようだった。これからは、様々な異星人との取引も視野に入れ商売を大きくしていきたいと夢野は意気込んでいる。

 鉱石を提供した異星人は、宇宙船の中でヒソヒソと話をしていた。

「我々には邪魔でしかないあのシック石を地球人が喜んで引き取ったのには驚いたな。我々としては、廃棄場所が確保できたし、どんどん運んでくることにしよう。しかし、この後、二十年も経過したら、あの石の近くにいる人間はみんな病気になってしまうかも知れないけど。まぁ、我々には関係ないから黙っていよう」


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