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11月9日 ベルリンの壁崩壊の日 【SS】分断

日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。


【今日は何の日】- ベルリンの壁崩壊の日

1989年(平成元年)のこの日、ドイツ・西ベルリンを囲んでいた「ベルリンの壁」が取り壊された。

東西ドイツの統一や東欧の国々の民主化、冷戦の終結のきっかけとなった。また、1938年(昭和13年)のこの日にはナチスによるユダヤ人襲撃事件「水晶の夜」があり、1918年(大正7年)のこの日には第一次世界大戦の敗北とともにドイツ革命が起きて「帝政ドイツ」は倒され、ヴィルヘルム2世はオランダへ亡命し、後に「ヴァイマル共和政」と呼ばれる共和制へと移行した。


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【SS】分断

「地球という惑星では、大昔、人口流出を食い止めるために街全体を高い壁で囲っていたことがあるらしいぞ。ベルリンの壁と呼ばれていたらしい。これって、ヒントにならないかな」

「壁なんて作ったって上を飛んでしまえば超えられるから我々の星じゃあ役に立たないよ。作るだけ無駄だろう。それにシールドなら今でも使っているじゃないか」

「いやいや、そうじゃなくて、ある程度の高さの壁を作ってその内側から電磁シールドみたいなバーチャルの壁を複層発生するようにするんだよ」

「おう、なるほど。それならシールドが一枚破られても持ちこたえられそうだな。壁の内側にシールドの発生装置を作れば、装置の保護もできそうだ」

 地球から遠く離れた星で宇宙人同士が話をしている。彼らが住んでいる惑星には、複数の宇宙人が移住してきて住んでいる。惑星は、塩酸の海の中に浮かぶ四つの大陸で構成され、それぞれに違う惑星から移住してきた宇宙人が定住し国家を形成していた。四つの惑星からやってきた宇宙人は、それぞれ体の色が違っていたため、彼らは体の色でお互いを呼び合っていた。ブルー、レッド、イエロー、パープルの四種類の宇宙人族だ。中でも、パープル族は不意打ちをしたり騙して攻撃するようなずる賢い宇宙人だったので、他の部族は常に注意を払っていた。それに対し、何事にも研究熱心で冷静に対応するのがブルー族で、壁の話をしていたのもブルー族だった。レッドは何事に対しても全員で向かっていく戦闘型の種族で、イエローは強い方について生き残りを模索する優柔不断な種族だった。レッド族とパープル族は常に争っていて国境付近の空中では、常に小競り合いが続いていた。そのとばっちりを時折ブルー族は受けていた。そのため、部族を守るためなんとかしたいといろんな星の歴史を学んでいたのだった。歴史は未来への備えを教えてくれると信じていたからだった。

 大陸間は塩酸の海で隔てられているので、簡単には渡れないのだが、空は偵察機やミサイルが飛び交い、隙があれば侵略してやろうとパープル族は他の部族を狙っていた。それを阻止するために壁が役に立つかもしれないとブルー族は考えたのだった。実は、今でもシールド的な壁は存在しているのだが、数回のミサイルで破壊されてしまうのが問題視されていたのだ。どうせ海には出ることができないので、海岸線に沿って壁を作ることに問題はなかった。ブルー族はロボットを使って音を立てずに国を取り巻く壁を作り上げた。直径が一万キロ近くある丸い形状の大陸を綺麗に取り囲む高さ五十メートルの壁を、わずか一週間ほどで築き上げた。壁の外側は強化され、核爆弾でも破壊できない新開発の合金で覆った。そして、その壁の頂上内側に電磁シールド発生装置を十個並列に取り付けたのだ。これで大陸は十層のシールドで包み込まれた。目には見えないので国内の生活に支障はなかった。

 完成とともに、ブルー族は、他の種族に対しシールドで国土を保護したことを通知した。それを受信したパープル族の侵攻部隊は地団駄を踏んで悔しがった。

「しまった。レッド族と空中の小競り合いをやっている間にブルー族の防御を完成させてしまった。我々としたことがうっかりしてしまったな」

「ダークパープル隊長。こうなったら日和見のイエロー族を先に潰しにかかりませんか。レッド族はなかなか手強いので領土を広げた後に挟み撃ちした方がいいのではと思います」

「おお、グレーパープル副隊長。弱そうなところをまず叩く。戦いの基本だな。よし、そうしよう」

 こうしてパープル族は、レッド族に対しお互いにしばらく休戦しようと協定を持ちかけた。レッド族も疲れていたので休戦協定を受け入れ、簡単に実現してしまった。レッドとパープルの国境上空の戦いは無くなり、静かな日々に戻った。その時、イエロー族では持ち前の日和見アンテナを駆使してどの国につくか再検討している最中だった。レッド族とパープル族の小競り合いが停止したという情報が入った直後、イエロー族はブルー族に支援要請をしていた。

「こちらはイエロー族です。我々は平和を愛するブルー族と協定を結びお互いに平和的な交流を発展させることを希望しています。つきましては、我々の国土を防御するためにブルー族のシールドを我々の国土にも展開してもらえないでしょうか」

 ブルー族はイエロー族が情勢を読むことに長けている種族だということをわかっていた。どちらも攻撃を得意としない種族だったため、手を組むことはブルー族にとってもメリットがあると判断され、ブルー族のシールドをイエロー族の国土にも展開することを決定した。その際にブルー族とイエロー族の国土間を繋ぐ通路として地下通路も開発された。これで交易も自由にできるようになり、お互いの国は徐々に富が増え、他の惑星との交易にも力を入れることができるように発展していった。

 またしても先を越されたパープル族は、悔しがっていたが、転んでもタダでは起きないのがパープル族だ。シールド研究者がある助言を隊長にしていた。

「ダークパープル隊長。我々は盲点に気がつきました。海は塩酸なので通ることができませんが、大陸の地中を掘削して大陸間に地下通路を作ることは可能なのです。現にブルー族とイエロー族がそれを実現しました。ということは、秘密裏に我々の国土から掘り進めればブルー族やイエロー族のシールドの内側につながる通路を作ることができるというわけです。早速、作戦に取り掛かりませんか。先手を打たれる前にやっつけてしまいましょう」

「なるほど、これまでは空しか見ていなかったが地下という手段があったな。確かに盲点だった。よし、その計画を進めることにしよう。早速取り掛かってくれ」

 イエロー族はパープル族の動きを監視していた。衛星からの画像解析で大きなトンネルを掘ろうとしていることを察知し、ブルー族に知らせた。イエロー族は察知する能力は高いのだが、問題解決能力は持っていない。ブルー族はその逆だった。イエロー族からの情報に基づき、海の塩酸を使ってトンネルの通路を阻止する作戦を思いつき、対策を始めた。パープル族が堀り進むトンネルの反対側からトンネルを掘り、開通直前に天井を破壊して海の塩酸を流し込む作戦だ。ブルー族側から掘ったトンネルは埋めながら掘り進めればいい。位置情報はイエロー族が計算してくれた。

 この惑星の国同士は完全に分断したまま、争いを繰り返している。そうしている間にも第五番目の種族の宇宙人がこの惑星を虎視眈々と狙っているようだった。そしてそのことを察知したのはイエロー族だけである。イエロー族と協定を結んだブルー族は、この後、果たして生き残れるのだろうか。


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