【プロ10戦目】山上幹臣戦の裏話
久々のnote更新。
試合や試合後の祝勝会、後回しにしてきた仕事などでバタバタしてサボってました。
それでは本編開始。
この試合は相手の元修斗世界王者である山上選手のネームバリューのおかげもあり、かなり注目度が高く、自分の人生を大きく変えた一戦。
結果としては逆転の3R KO勝利で、人生最高の1日だった。
試合決定の経緯は前回の記事で触れてしまったけど、ざっくりもう一度。
※前回の記事はこちらから読めます
前戦、優勝候補と目されたPANCRASEネオブラッドトーナメントを1回戦で敗退し、格闘技を辞めることを決意。
しかしその1ヶ月後に元修斗世界王者の山上幹臣選手との試合の話が舞い込み、相手も相手なので即オファーを承諾。
当初は流れると思っていたものの3月の終わりに試合が正式決定し、スクランブル発進ではあるが2024年5月5日、ゴールデンウィーク真っ只中に行われる『GLADIATOR026』にて山上選手と試合をすることとなった。

これまでDEEPからPANCRASEへと主戦場を移しながら試合をしてきたが、プロ10戦目にしてGLADIATORには初の参戦。
対戦相手の山上選手がビッグネームということもあり、完全にかませ犬としてだが初参戦でメインカード。更にはNave選手の欠場などが重なり、いきなりセミファイナルという大役を任されることとなった。
試合決定。体力ゼロからのスタート
1ヶ月前に試合が正式決定したが、それまでほとんど運動をしていなかったこともあり、体力がまるで無かった。
積み上げてきたテクニックは少し休んだからと言って落ちるものではないが、体力は簡単に落ちるし、すぐ自分のことを裏切ってくるので要注意。
とりあえず少し体を動かすことから始めようと、まずはジム内のバイクを漕ぐところからスタートした。

試合1ヶ月前でこんなことをしている場合なのかという焦りの気持ちもあったが、変にテクニックを磨くよりもとにかく体力を戻すことだと思い、あまり相手の対策などはしなかったと思う。
この週から試合が決まった報告も兼ねてGSB多治見への出稽古を再開したが、今まで息も切らさず完封できていたアマチュアの選手に普通に負けるくらい体力が落ちていてかなりショックだった。
その日は偶然にも春日井さん(春日井寒天たけし選手)が来ており、手も足も出ずボコボコにされたのも良い思い出。
多分、めちゃくちゃ弱いヤツだと思われた。
今では対戦相手の名前を調べると試合映像が出てくることが多いが、昔の修斗はあまり試合映像などを表に出していなかったこともあり、山上選手は元世界王者にも関わらず試合のフル映像がひとつも見つからなかった。
唯一見つけた修斗の煽り映像では山上選手に殴られた相手が1発で失神しており、山上選手の打撃に対してめちゃくちゃ嫌なイメージだけを持って試合に挑むことになった。
残っている映像を見る限りでは完全にストライカーだったので15分間ひたすらタックルに行くという作戦を立てて練習に励んだが、ずっと寝技の展開にするのは無理だよなぁと思い、とにかく打撃にビビりまくっていた。
試合前にも関わらず、鼻の骨折れたら嫌だなとか思いながら毎日練習してた気がする。(治療がめちゃくちゃ痛いらしい)
あと、試合とは全然関係ないが試合直前に車を変えることになり、GWをピンクの代車で過ごした。
こんなかわいい車に乗ってる奴が数日後に元修斗世界王者をKOするんだからほとんど詐欺。
この先の人生で煽り運転とかするのは辞めようと思った。

そんな感じでピンクの台車で練習に通いつめ、サーキットをやりこんだことで1ヶ月後には体力も戻り、大きな怪我もなく割と良い状態で試合に挑めることとなった。
山上選手の密着映像
練習も終わりあとは試合に向けて調整というところで、山上選手がビッグネームということもあり、ザワンTVが山上選手の密着映像を出した。
相手のことが少しでも分かればともちろん試聴すると、家族思いで仕事、格闘技を両立するカッコいい元世界王者の姿があった。(動画貼っておきます)
俺も12年後はこんな感じになりたいなぁと感じると同時に、自分勝手に生きる自分との対比を感じてしまい、
クソ自己中な俺がこんな素晴らしい人に勝ってしまっていいのか
と思ったが、試合なのでカスなりに頑張ろうと思った。
ちなみに代表と山上選手の密着映像の話になった際
『俺あれ見たら健斗じゃなくて山上選手のこと応援しちまいそうやで、試合終わるまで見るの辞めとくわ』
と、衝撃の発言が飛んできた。
マジかよと思いつつも、流石に冗談だよなと自分の中に飲み込んだ。
でもあれは9割本気だったと思う
前日計量
時は流れ前日計量。
折角のゴールデンウィークを全て試合のための調整に使い、俺は本当に何をやっているんだろうという気持ちもありつつ、計量会場のスモーカージムへ。
会場に着くと山上選手がお粥を食べており、
めちゃくちゃ体重余裕じゃん...
と思いながら体重ギリギリの自分は定刻まで待機。
計量とフェイスオフを無事に終え、山上選手マジで身長高えなぁと思いながら帰路に着いた。

試合当日
当日は朝にセコンドメンバーと合流。
試合がセミファイナルと遅かったこともあり、控え室では結構のんびりと過ごした。
この日はメインカード4試合で100万円のボーナスを分け合うということで、派手に勝ってあわよくば70万円くらい貰って帰りたいなとソワソワしていた。
プレリミで木村柊也選手やルキヤ選手などが出場しており、GLADIATOR026は結構面白いカードだったと思う。

思ったより試合の進みも早く、早めにアップを終えてゲート裏へ。
自分の前の試合がかなり塩試合だったので、自分がボーナスを貰える確率が上がったなと思いつつ、自分の番が回ってきた。
パンクラスでプレリミばかりやってきたこともあり、久々に自分の入場曲で派手な入場が出来たのでめちゃくちゃテンションが上がった。
入場の音楽やライト、スモーク、カメラはやっぱり選手にとって気持ちが入るし、ベストコンディションでケージに上がれるので個人的にはめちゃくちゃ大事な要素。
GLADIATORは無料配信に加えてそのあたりも派手で、見る人が楽しめるようになってると思う。
そんなバフもあり、かなりいい状態でケージイン。
1Rはテイクダウンを取るも自分のミスからバックを取られてしまい、そのままキープされて相手のラウンドに。
相手が元王者とあり、もうこの先タックル取れないかもと思ったのでめちゃくちゃ焦ってしまった。
誰も気づいていないけど、実は1R大外刈りでテイクダウンを取った際に自爆バッティングしてしまい試合中に初めて意識が飛んだ。
2R、とりあえずこのラウンドを取り返さなければと打撃で前に出る。遠い距離はリーチの長い山上選手有利だったが、懐に入ればパンチが当たることに気づきとりあえず前に出てパンチをぶん回してみた。
近い距離で打撃勝負しつつ、中盤でタックルへ。
ラウンド終了まで漬けきり、このラウンドは取り返したと思う。
恐らく19-19で最終ラウンドへ。
3R、このラウンドも様子を見たら負けると思い、序盤から近距離に入り打撃をぶん回したところ左フックがヒットし山上選手がダウン。そのまま鉄槌へ。
自分としてはまだまだ止めて貰えないなと思ったので、スタンドに戻るまでに少しでもダメージを与えられればと側頭部に鉄槌を当てまくったらレフェリーが割って入り試合終了。
ボコボコにされるかもと思いつつ挑んだ試合だったが、いきなり出てきた噛ませ犬がKOで勝ってしまう衝撃的な(?)結果となった。
※山上選手の名誉の為に記載すると、山上選手は9年半ぶりの復帰戦に加えて、元々ストロー級の選手。
ブランクや当日の体重差など、結構こちらに有利な条件が揃っていたと思う。
この試合後にストロー級に戻して、現在は修斗ストロー級の世界ランキング1位にランクインしてます。
ストライカーを相手に久々のKOで試合を終え、
完結にマイクを済ませ、自分としては100点。
これビッグボーナス確定や
と、試合の勝利以上にそっちが嬉しくウキウキで退場。
メインの試合が終わるとボーナスの発表があるので、控え室にトロフィーなど荷物を置いて再び会場へ。
1人、2人と名前が呼ばれていく中、中々自分の名前が呼ばれなかったので、
これ大トリで俺が1番デカいボーナス貰えるやつだなと、ポジティブすぎる脳内で名前を呼ばれるのを待っていたが、なんと最後まで自分の名前は出てこず、ボーナスを貰えずに不貞腐れて帰ることになった。
(実は1ヶ月半後くらいに口座を見ると残高が増えており、表には出ていないものの実際にはボーナスを貰えた)
かなりふてぶてしい感じで帰った自分ではあるが、その後、本当に有難いことにGLADIATORサイドから継続参戦してほしいという旨の連絡があり、戦いたい選手も居たのでここからはGLADIATORを主戦場に試合をしていくこととなる。
試合後の反響
試合後には普段あまりやり取りしない知り合いなどから結構連絡が来て、これもGLADIATORの無料配信のおかげだなと思った。
普段連絡をくれないだけで結構試合を見てくれてる人は多いんだなと感じて嬉しかった覚えがある。
試合の数日後にはMMAPLANETからZOOMインタビューの依頼が来たり、今まで一部の格闘技マニアを除いて全く知られる事なく過ごしてきた自分としては、これまでとは少し異なる雰囲気を感じた。
※インタビュー記事貼っておきます
これからGLADIATORで心機一転駆け上がって行くぜと言いたいところではあるが、色々な経緯があり次戦は2ヶ月半後のPANCRASE大阪大会に参戦することとなった。(経緯がゴチャゴチャしてるので省略)
プロ11戦目 松原聖也戦の裏話へ続く
