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YUI 『SUMMER SONG』――ぼくの17年と未来

この夏、YUIの『SUMMER SONG』がTikTokを中心にバズり、Apple Musicのデイリーチャートでも50位前後で推移している。

ORANGE RANGEの『イケナイ太陽』然り、発売当時に青春を過ごした身としては、なんだかうれしい現象だ。


自分も、毎年夏が来るたびに『SUMMER SONG』を聴いてきた。
いや、夏に限らず、季節を問わず聴いている。

そのため、今回のヒットは、懐かしいというより「みんなと同じ気持ちを共有できた」ような感覚だった。
普段聞く時にはあまり意識しないが、当時のことが自然と思い出された。



1.『SCHOOL OF LOCK!』で出会った夏の予感


この曲を初めて聞いたのは『SCHOOL OF LOCK!』で、当時YUIが担当していた『YUI LOCKS!』での宇宙初解禁だった。
この日の放送で『YUI LOCKS!』は休講となることが発表されており、”置き土産”としてオンエアされたこともあり、よく覚えている。

宇宙初解禁される楽曲をラジオで聴きながら、リスナー同士でこの瞬間を共有していると思うと、なんだか嬉しかった。

当時は今ほどSNSも発達しておらず、よりその時間は目には見えなくても、確かに誰かと同じ時間を共有しているような感覚があった。

夏らしく爽やかなこの曲は、当時、高校一年生だった自分にとって来る「夏」への期待を高めるような感じがした。

繰り返し聞けば聞くほど、「理想の夏」「理想の青春」といった”憧れ”の象徴のような存在だった。

後に解禁されたMVを見て、その思いはさらに強くなった。

2.理想と現実のギャップ


この曲には「太陽」「海」「花火」「ひまわり」「砂浜」といった、夏や青春を連想させる歌詞が散らばっている(「夏」「青春」もストレートに出てくる)。


MVには当時10代だった林遣都が出演している。
プール掃除をし、気になる子を花火大会に誘うーーという、夏と青春が溢れていた。

「こんな青春を送りたい…!」

と、心の底から思った。
しかし、実際は理想とは程遠かった。
夏休みも部活が大半を占め、先輩も厳しく、理不尽な指導も少なくなかった。

彼女はおろか「恋に恋した非モテ男子」で、気になる子を花火に誘うなんてのは、もはやファンタジーだった。

だからこそ、夏や青春が散りばめられたこの曲は「理想の象徴」であり、ある種の希望だったのかもしれない。

3.青春の儚さと、”今”への情熱


「理想の青春」ではあるが、当時の自分を思うと、妬みやひがみで終わってしまってもおかしくなかったと思う。
では、なぜ、この曲がここまで心にも残ったのか。

懐かしくなる いつか必ず
砂に書いた 未来なんて あてにデキナイ

YUI『SUMMER SONG』より


曲の終盤、上記の歌詞がある。

爽やかな青春ソングのなかで、時間の流れを意識させる、少しシビアな一節だ。

青春(夏)はいつか終わること、その時間も懐かしくなること、未来はどうなるか分からないことーーそうした感覚が集約されているように思う。

”真っ赤なブルーだ”

YUI『SUMMER SONG』より


そのうえで、最後に繋がるのがこのフレーズ。

未来や時間の流れを意識させたうえで、なお熱く”今”を大切にするまっすぐな気持ちが感じられる。

時間の流れや、何かに全力に取り組む感情は誰にでも共通だ。

だからこそ、理想と現実にギャップがあった自分にも、“押し付けられた理想”ではなく、”共感できる憧れ”として響いたのだと思う。

4. 時を超えて共鳴する青春体験



リリース当時、男女問わずYUIは人気があった。
大人になってからも、「初めて買ったCDはYUI」と話を聞くことも多く、同世代では「青春の象徴」のような存在だ。

時を経て、2021年にセルフカバーミニアルバム『NATURAL』が発売された。



その中に『SUMMER SONG』のセルフカバーも収録されており、こちらが初解禁されたのは、北海道のラジオ局・AIR-Gの『イマリアル』という番組だ。

パーソナリティの森本優さんは、自分と同世代であり、『SCHOOL OF LOCK!』の元生徒(リスナー)だ。

その方の番組で、セルフカバーを聴けたのは感慨深かった。
「YUI」「SOL」という青春の共通体験を通して、会ったこともないパーソナリティと共鳴したような感覚だった。

そのような経験もあり、自分にとっても『SUMMER SONG』はさらに大切な一曲となった。

当時の森本さんのnoteで、YUIと過ごした青春時代ついても書かれているので、こちらも併せて読んでいただきたい。


5. 2025年の「真っ赤なブルー」


この曲の世界観は、当時は届かない理想だったかもしれない。
しかし、曲が描く夏や青春の光景は、過去の自分にも、今の自分にも確かに届く。

2025年の夏も、いつかは必ず懐かしく思い返す日が来るだろう。

もう”青春”とは呼べる年齢ではないと思うが、残り少ないこの夏も「真っ赤なブルー」と呼べるような気持ちで過ごしていきたい。


Goose houseのカバー動画も大好きで何度も見ているので、よろしければどうぞ。


よろしければ、こちらの記事もどうぞ。
AKBとBase Ball Bearを通して、青春を振り返っています。


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