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【不動産会社の中の人/賃貸管理実務①】その現地立会い、実は数万円のコストです

不動産投資はやめておけ連載、番外編として新しく始める「不動産会社の中の人」シリーズ。
第一回は賃貸管理実務編、テーマは原状回復工事の「見えないコスト」についてです。

この記事を書いている人

大手不動産会社で管理職を務め、賃貸管理・売買の両方に携わっています。現場で見聞きした「知らないと損する」実務のリアルを、このシリーズでお伝えします。

こんなオーナーさん、いませんか

入居者退去後、原状回復工事の見積書を管理会社から受け取ったとき。

「本当にこの金額で合っているのか」
「工事内容に無駄はないか」

そう感じて、現地に足を運び、業者から直接説明を求めるオーナーさんは少なくありません。
不安になるお気持ち、よくわかります。
目に見えない工事に、まとまった金額を払うわけですから、慎重になるのは当然のことです。

ただ実務の現場から見ると、ひとつだけお伝えしたいことがあります。
「立会い確認」自体は問題ではない
誤解のないように先に言っておくと、見積内容を確認すること自体は、まったく悪いことではありません。オーナーとして当然の権利ですし、むしろ健全な姿勢だと思います。

問題は、その確認のために発生する「時間」が、そのままコストになっているということに、意外と気づかれていない点です。

日程調整で失われる「発注までの期間」

現地立会いを希望される場合、通常は次のような流れになります。
1. 見積提出
2. オーナーのご都合に合わせて現地立会いの
    日程調整
3. 立会い・説明
4. 発注

このステップ2と3の間で、実務上よく1週間前後の時間がかかります。オーナー側のご都合(平日は仕事、休日しか空いていない等)を優先すればするほど、この期間は伸びやすくなります。

その間、部屋は当然ながら空室のままです。
つまり、確認のために使った時間の分だけ、家賃が入らない期間が延びているということになります。

数字にすると、こうなります
たとえば家賃15万円の部屋で、発注が1週間遅れたとします。
15万円 ÷ 30日 × 7日 ≒ 約3.5万円
これが、その1週間の「見えないコスト」です。


工事費そのものを数千円単位で見直すために使った1週間で、実は数万円単位の家賃機会損失が発生している。これは決して珍しいケースではなく、実務の現場では日常的に起きていることです。

では、どうすればいいのか

現地立会いをやめましょう、という話ではありません。

伝えたいのは、次の視点です。

•見積内容の確認は「金額」だけでなく「発注までの所要日数」も含めて管理会社と相談する

•どうしても立会いが必要な場合は、日程を早めに固定し、確認自体を短時間で終える

•信頼できる管理会社であれば、写真・動画での説明で代替できないか相談してみる


「確認すること」と「時間をかけて確認すること」は、実は別の話です。

ここを分けて考えるだけで、無駄な機会損失を減らせる可能性があります。

おわりに

今回は原状回復工事にまつわる「見えないコスト」を取り上げました。

賃貸管理の現場には、こうした「知らないと損をする」小さな落とし穴がまだまだあります。

次回以降も、実務の視点から少しずつご紹介していきたいと思います。

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