連載#12│”リアルの分かち合い”が自分に貢献すること
ようやく辿り着いたその場所。
その日はとても天気が良く、その場所には
太陽の光が燦々と降り注がれ、光り輝く陽光を
浴びながら、わたしは胸に希望を抱いていました。
なんだか落ち着かない高鳴る思いとともに
ゆっくりと中へ入り、家族の集まりが開催される
部屋を受付で尋ねると
「あっ!お待ちしてましたよ」と、電話を
受けてくださった方らしき人が声をかけてくれ
その部屋へと案内してくれたのでした。
それだけでも、心の底から安堵した感覚に
包まれ、とても嬉しかった。
そんな感覚すら、本当に久しぶりに味わう
安らかで温かな気持ち。
ただただ来て良かった、という安心した
気持ちになれて、たったそれだけのことに
心強さを感じながら部屋の中へ進みました。
そこに居る人たちに軽く会釈をしながら
席についたわたしは、来られてる方々を
ぐるっと見渡し
”ここに居る”というだけで、決心が間違いでは
なかったと感じれたのでした。
始まりを待つ間、隣の席になった少し年の離れた
お姉さんのような女性が「初めてですか?」と
優しく声をかけてくださり
関心を向けてもらえたことにも、安心感を更に
強く感じたことを覚えています。
その数分後に始まった初めて参加した家族会は
わたしにとって、バーチャルでは感じれなかった
温もりを肌で感じることができた体験となり
荒んだ日常へ帰るための大きなエネルギーと
なったのでした。
会が終わった後は、その場所を2時間ほど
解放していただけ、参加した人たちが思い思いに
コミュニケーションがとれるよう提供されていて
最初に声をかけてくれた女性とお昼をご一緒
させてもらいながら、お互いの現状を話し
苦しみや辛さを分かち合うことができた初回。
同じ空間を共有していた他の方たちも
とても気さくに話すことができ、和やかな
時間が過ごせたその場所は、まさに重荷を
降ろしに行ける場所でした。
電話することに…
その場所へ行くことに…
何度も何度も躊躇いながら過ごした年月。
助けを求めることが、本当に重要で
あることを知れた体験です。
ここへ辿り着くのにたくさんのことに勇気が
いりましたが、なにかに導かれたようなこの
体験は、更にその後の自分の目覚めを加速させ
それから毎月、片道2時間かけてもその場所へ
通うようになりました。
最初に声をかけてくれた女性とも、電話番号の
交換をさせてもらい
先行く仲間として、いつでも相談できる
繋がりが持てたことは、わたしに、前へ進む
強さを取り戻させる助けとなったのでした。
同じ問題を抱えた痛み…
同じ問題を抱えたということだけの共通点…
それだけで
ただ集うだけの場所。
でもしかし、そのことがどれだけ大きな
パワーとなることか…
分かち合う、ということが
どれだけ自分の癒しとなり、救いのきっかけに
なるかを、本当に身をもって知りました。
薬物問題や依存問題の知識を通して、浮かび
上がった”自分”にある問題に目が向けられる
ようになり
自分自身の在り方を問うことが近道であると
理解できるようになると、集まった人たちの
話してくださる体験から
自分に見えてなかったものや、良かれと思って
してきた行動が、かえって問題を助長してた
ことに気づけるようになっていきました。
そして、そこへ通うようになって初めて
自分の中にひとつの疑問が浮かんだのです。
それは、よく見ると、その場に集われてる
方が全て親御さんだということ。
パートナーという存在で参加してるひとは
わたし以外には居ませんでした。
初めて参加したときは気づかなかった
そのことが、何度か通ううちに疑問となって
膨らみ始めました。
しかし、その疑問によって、ようやく
かなりの共依存に陥ってたことを自覚する
ことができるようになっていき
そして、新たな選択肢があることを
感じ始めたのです。
いつかそんな日がくる予感は、問題の渦中に
薄々感じたことではあったけど、司のためを
理由に、そこに自分の存在価値を見出そうと
していた以前のわたしは
彼のため、ではなく
”わたしのため”という思いに変化し始めました。
どっぷりと共依存に陥っていた間、いつも
「離れたいけど離れられない…」
「離れられないけど離れたい… 」 と いった
矛盾した感情を抱え
長い間不健康な関係を手放せなかった実態に
ひとつの疑問が浮かび上がったことで、絡み
合っていた紐が解け始めたのでした。
少しづつではありながらも、微かな気づきを
携えて帰宅しては、司に対しての自分の言動に
注意をはらい
その結果、自分の中に湧いた感情、思考を
ブログにアウトプットしては、彼ではなく
自分の在り方を俯瞰する努力を続けました。
最初は感情にすぐ押し流され、
「またやってしまった」
「また言ってしまった」 と、自分に嫌気が
さすことも度々で、上手くいかずに失敗ばかり
ではあったけど
その体験をまた分かち合える場所があることが
わたしを支えてくれました。
自分以外の何かや誰かではなく、自分自身に
焦点を当て、深層心理を掘り下げながら内観する
時間は、一歩進んでは三歩下がったりと
何度も一進一退を繰り返しながら、それでも
自分自身の小さな変化に繋がっていったのでした。
新しい何かと繋がること。
新しいどこかへ出向くこと。
新しいことへチャレンジすることは
本当に勇気がいるものです。
知っている領域なら躊躇わずにいれることも
人は、見通しが立たないことや、知らないことを
始めることには怖れを感じやすく
共依存に陥りやすい性質を多く持ち合わせて
いればなおのこと、変化を怖れる傾向が強く
なりがちです。
それでも、その状況を自分ではどうにもこうにも
できなくなったとき、ようやくサレンダーできる
ときが訪れ
はじめて、行動を起こし始める。
まさしく、わたし自身のことでした。
リアルでの分かち合いは、自分を諦めないという
勇気を与えてくれ、前を向く力となり、繋がりに
支えられました。
そして、なんといっても自分にいちばんの
貢献となったことが”自己受容”です。
はじめは、共依存していることや
家族に抱えた薬物依存の問題は、自分に
責任があると思っていたり
そんな問題を抱えたのは、人としての
至らなさや未熟さが自分にあると、無意識に
いつも責めていて
そんなわたしはダメで
そんな自分だから愛されない。
そんな自分だから
依存し合う不健康な関係でも、失くして
しまうと欠けてしまう。
そんなふうに受け入れられずにいた
自分自身を、リアルで繋がることのできた
人たちにそのままで受け入れられたことが
自分の自己受容する力を高めてくれました。
どんな形でもいいと思うんです。
安心して話せる場所。
相談できる場所。
リアルにそういった場所を確保することは
勇気となり支えとなります。
問題を抱えた当事者ではなく、まず自分。
そのことを忘れないこと。
あなたにも
あなたの生きるべき人生があるのです。
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次は
『最終章・当事者も家族も生きたい人生を生きていい』に
ついて書いていきます。
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