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動画生成AIでミュージックビデオを作るのは「地獄」だった。8秒ずつ紡いだエンジニア父の執念(AI作曲後編)

「PoC(概念実証)は完了している。あとは実装するだけだ」

エンジニアがプロジェクトの序盤でよく口にする、死亡フラグです。

前回、SunoAIで作った我が家の迷曲
『STOP! 懲りないプリンセスと母のレッドカード!』。

※作る経緯になったお話はこちら↑

実は以前、Noteの「スキ」を押してもらった時に表示される短いお礼動画を生成AIで作ったことがあり、
「これなら、フルバージョンのMV(ミュージックビデオ)を作るのも、
  その延長線上でいけるだろう」

そう高をくくっていた僕は、全世界への公開を目指してプロジェクトを
始動しました。 しかし、そこには「権利関係」と「動画生成の沼」、
そして「家庭内稟議」という高い壁が待っていたのです。

最終巻(都を駆け抜ける)が早くもaudible化されたのです。僕は今月聴こうと楽しみにしてます。

1. 著作権の壁と、偽りの予算申請

まず直面したのが、SunoAIの利用規約です。
無料プランで作った楽曲は、商用利用はおろか、YouTubeでの一般公開も
権利関係でグレー(基本はSuno側に権利帰属)であることが判明しました。

「せっかくの名曲を、お蔵入りにするわけにはいかない」

解決策は一つ。有料プラン(月額約1500円)に加入し、商用利用権を獲得して、同じ歌詞で曲を作り直すことです。

ここで我が家の「財務システム」が立ちはだかります。
お父さん猫家にお小遣い制度はありません。
必要な経費はその都度、財務大臣(お母さん猫)に申請し、
承認を得る「申請制」なのです。

本来は少額(月1カ月のみの契約だったので1500円)なので申請不要なのですが下記の前回の件もあります😹 僕は妻に事前報告することにしました。

優しい妻なので特に今まで困ったことはなったのですが結婚して初めて困りました。

正直に「母と娘との喧嘩をネタにした歌をYoutubeで公開したいから1500円ください」と言えばどうなるか(笑)
「却下」のハンコが押されるのは目に見えています😸

そこで僕は、ある「建前」を用意しました。

「ちょっと相談なんだけど。こねこ君(息子)のために、九九や漢字を覚える『勉強用ソング』を作ろうと思って。
 その実験のためにSunoAIの有料版が必要なんだ」

これは完全な嘘ではありません。本当に(後日※)やるつもりです。
しかし、今回の第一目的が「娘のネタ曲の公開」であることは伏せました。
※実際に作ってみました(その話はまた今度。)

妻は家計簿から目を離し、眼鏡の奥からジッと僕を見つめました。
そして静かに言いました。

「……『こねこ君のため』になるなら反対はしないわ。
 あくまで『教育目的』での使用申請、ということで受理しておくわね
 (ニッコリ)」

背筋に冷たいものが走りました。 「教育目的」という言葉の圧力がすごい。 こうして僕は、逃げ場のないプレッシャーを抱えて再スタートを切りました。

2. 「Flow」のクレジット枯渇と工数爆発

曲のリメイクは完了。次は動画です。
僕は1月に話題になっていたGoogleの動画生成AI『Flow』を
使うことにしました。
※追加ツールはさすがに予算は通りません(笑)

「これなら、プロンプト一発で映画のようなクオリティが出るはず」

しかし、現実は甘くありません。 プロンプト通りに作らせようとしても、
AIは平気でキャラクターの顔を変えてしまいます。 例えば、お姉ちゃん猫が後ろを向いた状態から、次のアニメーション(振り向く動作など)を生成しようとすると、振り向いた顔がさっきまでとは全く違う猫になっていたりするのです。

一貫性のあるキャラクターを維持するのが、これほど難しいとは。

試行錯誤を繰り返し、「なんか違う」とリテイクをしているうちに、
無慈悲な通知が出ました。 『クレジット残高がゼロになりました(1カ月後にまたしてね♪)』

ものの数十分。僕の淡い期待と貴重なクレジットは、電子の藻屑と消えました。 手元に残ったのは、奇跡的にまともな「20秒」の動画素材だけ。

しかし、現実は残酷です。
『STOP! 懲りないプリンセスと母のレッドカード!』の曲の長さは、
「2分46秒」もあるのです。

……計算したくありません。進捗率は約12%。
仕事のプロジェクトなら炎上確定、デスマーチの始まりです。

3. 1日3回の地道な「手作業」

有料ツール(Flow)が尽きた今、残された道は一つ。 以前PoC(Noteの動画作成)で使った、Googleの『Veo 3.1』(Geminiから利用できる機能)です。 こちらは無料枠で使えますが、厳しい制限があります。

  • 一度に作れる動画は「8秒」まで。

  • 1日に生成できるのは「3回」まで。

残り2分以上を埋めるには、単純計算でも20回以上の成功テイクが必要です。 失敗も含めれば、数週間はかかります。

「……やるしかない」

そこからは、AIという名の「手作業」の日々でした。
朝起きて1回。
昼休みに1回。
夜寝る前に1回。

8秒の動画を作るために、プロンプトを微調整し、
祈るように生成ボタンを押す。

当初の見積もりでは「数時間で終わる」はずだった工数は、
すでに大幅に超過しています。 仕事なら完全に赤字案件、
プロジェクトマネージャーなら始末書ものです😹

僕は画面の中の、少しぎこちなく動くキャラクターを見ながら思いました。 「クリエイターさんって、本当にすごいんだな……」

手描きで命を吹き込むアニメーターさんは、間違いなく神の領域です。
でもそれだけじゃありません。今、YouTubeやSNSで素敵なMVを公開している全ての人たち。 AIを使おうが手作業だろうが、一本の作品を
「破綻なく」完成まで持っていくその熱量と技術に、
心からの敬意を表したくなりました。

4. 娘と妻による「品質チェック」

そんな地道な作業を続けていたある週末。
リビングでこっそり動画の編集作業をしていると、背後から声がしました。

「ねえ、パパ。何作ってるの?」

しまった。ねえね(娘)です。 画面には、テスト勉強から逃避して
スポッチャに行こうとする娘(のアバター)が映っています。
娘は画面を見るなり、目を輝かせました。

「えっ、すごーい! 動画!?」

「あ、いや、静かに…」

僕の制止も聞かず、彼女は高らかに叫びました。

「お母さーん! ちょっと来て! パパがなんかすごい動画作ってるよー!」

「あら、何かしら?」

万事休す。 「母と娘の動画」を作っていたことがバレました。
僕は覚悟を決めて、作りかけの動画を再生しました。

※2分の動画なので一緒に見ていただけるととても嬉しいです😹
※あっ、これ作っていてスポッチャの宣伝動画みたいになっているなと思ったのですが僕はRAOUND1さんの社員さんではありません(笑)

曲が終わり、静寂が流れます。 怒られるか。それとも「消して」と言われるか。

「……うん。よく出来てるじゃない」 お母さん猫が意外な感想を
漏らしました。

「泣いているシーンで、なぜか手からも水が噴き出してたり、靴が消えたりしてるけど。面白いね」
娘もまんざらではない様子で笑っています。

そして、運命の判決。 お母さん猫は、呆れたように、でも少し優しく
苦笑いしました。

「全く……。こんな変な動画作って、もう、本当にしょうがない人ね」

「ご、ごめん…あの・・これ、Youtubeで公開してもいい?」

「これだけ頑張って作ったんだと思うし、面白いし、個人も特定されないし、公開してもいいわ」

「本当!? ありがとう!」

妻はふっと笑って、最後にこう付け加えました。

「ただ、一つだけ言わせて。 この動画のお母さんの猫、
 鬼みたいに怒ってるけど……私、普段こんなに怒ってないわよね?
 (ニッコリ)」

「あ、当たり前だよ! これはあくまでエンタメ上の演出だから!
 君はいつも優しいよ!

僕は全力で首を縦に振りました。※普段は穏やかな優しい妻なのです😹

【お父さん猫コメント】
というわけで、苦節数週間。
『STOP! 懲りないプリンセスと母のレッドカード!』のMVがついに完成し、妻の特別許可も降りました。

ただ、妻の「私、あんなに怒ってないわよね?」という笑顔が頭から離れません。 こねこ君のための勉強曲を作るプロジェクト、来期の予算が『永久凍結』される前に、納期厳守でコミットしてきます。

動画は感想をいただけるととても嬉しいです♪
近い将来、そのうちもっと簡単に作れるようになるんでしょうね。
きっと笑い話になるかと思います。

ちなみにnoteを書いていることは僕の家族は知っていますがどんな内容かは知りません、鉄壁の秘密なのです😸絶対に見せられません(笑)
皆さんのご家庭はどうでしょうか?

※最近頂いたヨックモックを家族で食べました。美味しかったです♪
ヨックモック、ついタバコ吸う真似したくなりますよね?ちなみに・・僕はタバコは吸いません😸


反応がないと寂しくて筆が止まりそうになるので、 『読んだよ』の代わりにスキ❤️を押していってもらえると嬉しいです😺

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お父さん猫@家事/育児カイゼン担当 ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました! 「お疲れ様、コーヒーでも飲みなよ」というお気持ちをいただけると、飛び上がって喜びます。頂いたサポートで美味しいコーヒーを飲みながら、また次の記事を書きたいと思います。