有酸素+筋トレが中高年者の体組成改善には最適解
参考文献
Khalafi M, Kheradmand S, Habibi Maleki A, Symonds ME, Rosenkranz SK, Batrakoulis A. The Effects of Concurrent Training Versus Aerobic or Resistance Training Alone on Body Composition in Middle-Aged and Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Healthcare (Basel). 2025;13(7):776. doi:10.3390/healthcare13070776.
中高年における有酸素運動または筋力トレーニング単独と同時トレーニングの体組成への影響:系統的レビューとメタアナリシス
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
目的
50歳以上の中高年者を対象に、有酸素運動(AT)またはレジスタンストレーニング(RT)単独と比較して、両者を組み合わせたトレーニング(CT)が体組成(脂肪量、筋肉量など)に及ぼす影響を明らかにすることを目的としています。
方法
2024年3月までに発表されたランダム化比較試験を検索しました。50〜64歳の中年層と65歳以上の高齢者を対象に、CTとATまたはRTを比較し、脂肪量、体脂肪率、除脂肪体重(LBM)、筋肉量、筋肉断面積(CSA)などを評価した53の研究、計2873人をメタ分析の対象としました。
結果
CTはAT単独と比較して、体重およびLBMを有意に増加させ、筋肉量やCSAを増加させる傾向が強いことが示されました。一方で、RT単独との比較では、体重、BMI、体脂肪率、脂肪量、LBMのいずれにおいても、CTとの間に有意な差は認められませんでした。
結論
CTは中高年者において、体脂肪を減少させる効果についてはATと同等であり、筋肉量を増加させる効果についてはRTと同等に効果的です。
筋肉量の維持・増加と体組成の改善を同時に目指す戦略として、CTの実施は推奨されます。
ポイントと感想
干渉効果を恐れない
スポーツ科学の世界において、有酸素運動と筋トレの互いの干渉効果が議論されてきました。
有酸素運動を併用すると筋肥大シグナルが阻害される可能性があるからです。
今回は、その干渉効果にとって否定的な結果となりました。
今回の対象となったアスリートではない一般の中高年層は、トレーニングによる伸び代が大きいため、有酸素運動による持久的刺激と筋トレによる機械的刺激が競合しても、結果としての筋肥大効果が損なわれにくいのかもしれません。
年齢による反応性の違い
この研究では65歳以上の高齢者よりも、50〜64歳の中年層の方が除脂肪体重(筋肉量)の増加効果が大きい傾向が示されました。
これは、加齢に伴い筋肉合成に関わる細胞内シグナル(mTORなど)の反応性が鈍くなることや、腎機能の低下により、筋肉合成に必要な十分なタンパク質摂取を推奨しにくくなる背景が影響していると考察されています。
若い頃はそれなりに筋肉がつきやすい人も、年齢とともに様々な要因から、筋量の増加を目指しにくくなっているのかもしれませんね。
変化させられるのは、運動と食事の面ですね。
介入期間と優先順位
今回、体脂肪率やウエスト周囲径の減少は期間が長いほど効果が高まる一方、筋肉量の増加は中期的な介入(24週未満)で顕著になるという傾向が見られました。
長期にわたるCTは疲労の蓄積を招きやすく、高齢者の場合はそれが筋肉の成長を頭打ちにさせる可能性があることを示唆しています。
まずは、筋肉量の増加から基礎的な代謝を上げることで、より体脂肪率などの変化につながる可能性があります。
ではでは。
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