運動イメージは健康高齢者の歩行を変えない可能性
参考文献
Nicholson V, Steele M, Wilson P. Motor imagery does not effectively improve walking-related performance in older adults: A randomised controlled trial. Ann Phys Rehabil Med. 2025;68(4):101899. doi:10.1016/j.rehab.2024.101899
運動イメージは高齢者の歩行関連能力を効果的に改善しない:ランダム化比較試験
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
この研究は、「運動イメージトレーニング(motor imagery training)」が健康な高齢者の歩行能力にどのような影響を与えるかを検証したランダム化比較試験です。
対象は地域在住の健常高齢者53名です。
4週間にわたり、歩行に関連した運動イメージ訓練を実施する群と、実施しない群に分けて比較されました。
評価には、狭い道を歩く課題やTUG(Timed Up and Go)テスト、ステップオーバーテストなど、5種類の歩行に関連するテストが用いられました。
さらに、運動イメージの明瞭さを評価するKVIQ-10も使用されています。
結果として、運動イメージトレーニングを行っても、身体的な歩行パフォーマンスや想像上の歩行能力に有意な改善はみられませんでした。
非歩行課題(手や上肢のイメージなど)における運動イメージの明瞭性は向上したとのことです。
健康で歩行能力が高い高齢者に対しては、4週間の運動イメージトレーニングでは歩行関連能力を向上させる効果は認められませんでした。
ポイントと感想
運動イメージの効果
運動イメージ、これを介入に生かしている人はどの程度いらっしゃいますか?
自分は、ほとんど患者さんの運動イメージについてアプローチしたことがありません。
これまでは、脳卒中後や整形外科手術後のリハビリ、転倒歴のある高齢者などにおいて有効であることが報告されています。
今回の研究のように健常高齢者では、その効果が乏しい可能性が示されました。
これは、被験者のベースラインでの歩行能力が高く、改善の余地が少なかったことが一因でしょうか。
運動イメージそのものを明瞭に
一方で、運動イメージそのものの明瞭さ(鮮明に思い描く力)は向上していました。
想像上の動作をより明確に描けるようになったことは、より複雑な課題や身体制約があるケースでは、有効性を高める可能性に繋がりますね。
運動イメージは「脳と身体のギャップを埋める手段」ではありますが、健康な高齢者にとってはすでにギャップが小さい状態なんだと思います。
逆に、身体の状態と目指す能力のギャップがある程度ある場合は、その効果は大きくなる可能性がありますね。
ではでは。
ー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●

投稿はこちらのXで随時報告しております。ぜひフォローをお願いします!
クリエイターページはこちらから!
関連の文献もご覧ください!
いいなと思ったら応援しよう!
皆さまのご支援は、AIへの課金、書籍やPCの購入など、日々の業務や良質な記事をお届けするための活動資金として大切に使わせていただきます。今後とも応援いただけると嬉しいです!