神経性跛行と多面的リハビリ
参考文献
Bussieres A, Cancelliere C, Ammendolia C, Comer CM, Al Zoubi F, Châtillon C-E, Chernish G, Cox JM, Gliedt JA, Haskett D, Jensen RK, Marchand A-A, Tomkins-Lane C, O'Shaughnessy J, Passmore S, Schneider MJ, Shipka P, Stewart G, Stuber K, Yee A, Ornelas J. Non-Surgical Interventions for Lumbar Spinal Stenosis Leading To Neurogenic Claudication: A Clinical Practice Guideline. J Pain. 2021;22(9):1015-1039. doi:10.1016/j.jpain.2021.03.147.
神経性跛行につながる腰部脊柱管狭窄症に対する非外科的介入:臨床診療ガイドライン
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
この臨床ガイドラインは、神経性跛行(neurogenic claudication: NC)を呈する腰部脊柱管狭窄症(LSS)の患者に対する保存療法を対象にしています。
LSS保存療法は、多くの方を対象にできそうです。
推奨はすべて「条件付き/弱い」でしたが、以下の3つが主な方向性です。
第一選択は非薬物療法の多面的アプローチ(教育・運動療法・マニュアルセラピーなど)
鍼治療や抗うつ薬(SNRI/TCA)は補助的に試しても良い
NSAIDs、アセトアミノフェン、プレガバリン、オピオイド、硬膜外ステロイド注射などの薬物治療は推奨されない
運動療法などのリハビリテーションを第一選択とし、薬物療法などはやや否定的な考えということがわかります。
ポイントと感想
高齢化社会における保存療法の意義
LSSによる神経性跛行は、上記の通り60代以上ではよく見られる疾患です。
加齢に伴う脊柱管の狭窄が、立位や歩行で下肢症状を増悪させます。
基本的に手術の前に保存療法が適応となります。
軽度〜中等度のLSSでは60%が自然に改善・安定するという報告もあるそうです。
保存療法で症状の緩和ができれば、手術による負担を避けることができますね。
多面的リハビリテーションとは
このガイドラインで強調されているのが、非薬物療法による多面的リハビリテーションです。
具体的には以下のような介入が含まれます。
患者教育と行動変容(例:痛みの理解、活動維持の重要性)
マニュアルセラピー(胸腰椎や骨盤へのモビライゼーションなど)
個別化された運動療法(自転車エルゴメータ、体重免荷トレッドミルなど)
認知行動療法(CBT)
監視下の運動+ホームエクササイズの組み合わせは、歩行距離、脚の痛み、機能障害などに対して有意な改善を示しており、6〜12か月にわたって効果が持続するというデータもあります。
行動変容、認知行動療法は、正直あまり知識のないところなので少し勉強してみましょう。
否定された薬物療法の多さに注目
個人的には、このガイドラインで多数の薬物療法が推奨されていなかったことが印象的ですね。
とくに硬膜外ステロイドはエビデンス的には高いのに利益と不利益のバランスから推奨されないとされています。
薬物療法+運動療法が個人的には一般的なのかなと思っていましたが、そうではないのかもしれません。
ではでは。
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