睡眠障害と認知機能〜長すぎもNG?〜
参考文献
Kong J, et al. Sleep disorders affect cognitive function in adults: an overview of systematic reviews and meta-analyses. Sleep and Biological Rhythms. 2023;21:133-142. doi:10.1007/s41105-022-00439-9.
睡眠障害は成人の認知機能に影響を与える:系統的レビューおよびメタ解析の概観
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
目的
この研究は、様々な形態の睡眠障害が成人の認知機能に与える影響について、既存の系統的レビューおよびメタ解析を包括的に整理し、その関連性を明らかにすることを目的としています。
方法
PubMed、PsycInfo、Web of Science、ScienceDirectの4つのデータベースを用い、2022年5月までに発表された睡眠障害と認知機能に関する系統的レビューおよびメタ解析を検索しました。
最終的に22件の論文が選出され、エビデンスのランクと評価が実施されました。
結果
睡眠不足は、主に
単純な注意
複雑な注意
作業記憶(ワーキングメモリ)
に悪影響を及ぼすことが示されました。
睡眠時間に関しては、1日7〜8時間が最適であり、この範囲を逸脱する短時間睡眠および長時間睡眠は、実行機能や作業記憶の障害リスクを高めることが確認されました。
特に長時間睡眠の方が、短時間睡眠よりも高いリスクと関連している可能性が示唆されています。
また、睡眠時無呼吸症候群(OSA)などの睡眠関連呼吸障害は、軽度認知障害(MCI)の独立したリスク因子であり、広範な認知領域に影響を与えます。
高齢者の不眠症については、作業記憶やエピソード記憶、認知的柔軟性などの低下に加え、アルツハイマー病の発症リスクを高めるエビデンスが得られました。
結論
睡眠障害は、注意、記憶、実行機能などの認知機能を損なう要因となります。
認知機能低下の予後を改善するためには、睡眠障害の早期発見と適切な介入が重要です。
スクリーニングには、客観的な神経心理学的記憶テストの活用が推奨されます。
ポイントと感想
7〜8時間のゴールデンタイム
理想的な睡眠時間は、人それぞれあると思います。
ショートスリーパー、ロングスリーパーなどといった言葉が流行っているのも、近年の睡眠に対する意識の高まりの現れではないでしょうか。
この研究では、睡眠時間と認知機能の間に「U字型」または「J字型」の関係があることが示されています。
睡眠時間においてどちらも極端に振れると認知機能に悪影響を及ぼす可能性があるということです
個人的に驚いた点としては長時間睡眠が短時間睡眠よりも高いリスクを伴う可能性です。
長すぎる睡眠は脳の代謝効率や炎症反応に影響を与えるバイオメカニズムが指摘されており、単純に長く寝れば良いわけではなさそうです。
理想の睡眠時間を探している方は、まず7~8時間から始めてみて、起きた時の状態で決めるのもいいと思います。
睡眠時無呼吸と不眠
睡眠時無呼吸症候群(OSA)がMCI(軽度認知障害)の独立したリスク因子であること、そして高齢者の不眠症がアルツハイマー病のリスクを直接的に高めるという点も示されています。
物忘れなどが、単なる加齢や疾患の影響だけでなく、背後に未治療の睡眠障害が隠れている可能性があります。
また、OSAに対するCPAP治療が認知機能を改善させるという報告は、適切な治療の重要性を示していると思います。
寝る子は育ちます。
適切な時間寝る子はもっと育つかもですね。
ではでは。
ー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●
投稿はこちらのXで随時報告しております。ぜひフォローをお願いします!
クリエイターページはこちらから!
関連の文献もご覧ください!
いいなと思ったら応援しよう!
皆さまのご支援は、AIへの課金、書籍やPCの購入など、日々の業務や良質な記事をお届けするための活動資金として大切に使わせていただきます。今後とも応援いただけると嬉しいです!