介護施設の転倒予防〜多因子+運動+栄養〜
参考文献
Dyer SM, Kwok WS, Suen J, Dawson R, Kneale D, Sutcliffe K, Seppala LJ, Hill KD, Kerse N, Murray GR, van der Velde N, Sherrington C, Cameron ID. Interventions for preventing falls in older people in care facilities. Cochrane Database Syst Rev. 2025;8(8):CD016064. doi:10.1002/14651858.CD016064.
介護施設における高齢者の転倒予防のための介入
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
この論文は、介護施設入居者(平均84歳、女性72%)を対象にしたRCT104件(計68,964人)のCochraneレビューです。
主要アウトカムは
転倒率
転倒者数
重要アウトカムは
骨折
有害事象
費用対効果
でした。
結論として、多因子での介入は、全体では転倒率に明確な効果は示しにくいものの、転倒者数はわずかに減少しました。
とくに職員が関与し、認知症など個々の状況に合わせて調整された介入では、転倒率・転倒者数ともに低下が示されました。費用対効果も良好とする試験もいくつかみられます。
運動単独は、転倒率、転倒者数を減らす可能性がありますが、継続しないと効果は消失傾向となります。
認知機能障害のある入居者でも転倒者数の減少が示唆されています。
骨折リスクへの明確な影響は示されていません。
薬物療法は全体として転倒アウトカムへの影響が小さく、単独での介入としての有効性は不確実です。
栄養では、栄養士の支援で乳製品摂取を増やすメニューを導入した施設で、転倒者数と骨折リスクの低下が示唆されました。
ビタミンD補給は、ビタミンDが不足しているものに対し、転倒率の低下に関連します(対象は低ビタミンDの入居者)。
エビデンスの確実性は中程度~低程度が中心で、有害事象の報告は不足しています。
ポイントと感想
カスタム化された多因子+職員巻き込み
単に多要素を足すのではなく、
個々の評価→優先課題を絞る→職員が共に実装
という流れが重要です。
その中で、自分たちの専門性を活かしていけるといいですね。
運動をしている間は効く
運動ですが、介入期の効果は明確で、止めると効果が薄れます。
そういう意味では、施設毎にルーティン化してしまえば、継続しやすいかもしれません。
週2–3回×バランス・筋力・起立移乗練習を、生活動作やレクリエーションに埋め込めるといいですね。
栄養は骨と筋のもと
乳製品の提供強化は転倒者数と骨折を下げる可能性が示唆されました。
適切な栄養指導も必要ですし、特定のものの摂取を促すことも必要かもしれません。
嚥下・咀嚼、食事姿勢等へ介入することは、栄養介入の実効性を後押しできますね。
ではでは。
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