ACSMが提示する筋トレのガイドライン
参考文献
Currier, Brad S., et al. American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2026; 58(4): 851-872. doi:10.1249/MSS.0000000000003897.
健康な成人における筋機能、肥大、および身体パフォーマンスのためのレジスタンストレーニング処方に関するアメリカスポーツ医学会ポジションスタンド:レビューの概要
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
目的
このレビューの目的は、最新のエビデンス合成手法を用いて、レジスタンストレーニング(RT)の処方変数が筋機能(筋力、パワー、持久力)および筋肥大に与える影響を明らかにすることです。
方法
2024年10月までに発表された、6週間以上のRTを実施し、筋機能や筋サイズ、身体パフォーマンスの変化を報告した健康な成人(18歳以上)対象の系統的レビューを主要データベースから抽出しました。
最終的に137件の系統的レビュー(参加者3万人以上)のデータを統合しています。
結果
RTは対照群と比較して、筋力、サイズ、パワー、持久力、歩行速度、バランスを含む複数の身体機能アウトカムを大幅に改善しました。
筋力向上には高負荷(1RMの80%以上)、フル可動域、セッション序盤での実施、週2回以上の頻度が有効でした。
筋肥大は週10セット以上の高ボリュームとエキセントリック・オーバーロードによって促進されました。
一方、筋疲労までの追い込みや特定の器具の使用、複雑な期分けなどは、結果に一貫した影響を与えないことが示されました。
結論
健康な成人が筋機能や身体パフォーマンスを向上させるためには、個人の目標や好みに合わせ、本知見に基づいた多様かつ漸進的なRTを実施すべきであると結論づけられました。
ポイントと感想
目的に応じた最適化
今回のアップデートでは、「負荷設定」や「セット数」といった変数が、目的に応じて整理されています。
最大筋力の向上:1RMの80%以上の高負荷が推奨されています。また、フル可動域(ROM)での実施や、疲労のない中での実施が重要視されています。
筋肥大の促進:週あたり10セット以上の「ボリューム」が鍵となります。総ボリュームが同じであれば、低負荷でも高負荷でも、また週1回の頻度でも週5回でも、筋肥大効果に有意な差は認められていません。
パワーの向上:1RMの30%〜70%の中程度の負荷を用い、求心性収縮を可能な限り速く行うトレーニングが重要です。
限界までの追い込みは必須ではない
オールアウトの必要性について、本論文は必須ではないとの見解を示しています。
具体的には、あと2〜3回反復できる余力を残した状態でも、限界まで追い込んだ場合と同様の適応が得られるとしています。
個人的には、最終セットはオールアウトでそれまでは、少し余力を残した方がそうボリュームが維持できるかと思います。
身体機能維持における筋トレの重要性
筋トレが歩行速度、バランス、TUG(Timed Up-and-Go)、椅子立ち上がりテストの結果を改善することを報告しています。
特に、パワーに焦点を当てたトレーニングは、Short Physical Performance Battery(SPPB)のスコア向上など、日常生活に直結するパフォーマンス改善に寄与します。
また、フリーウェイトだけでなく、マシンやレジスタンスバンド、自重トレーニングでも何もしない状態より明確な利益が得られるとされています。
患者の環境(在宅や施設など)に合わせて、「個別化」の視点がこれまで以上に求められると感じました。
ではでは。
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