見出し画像

勝負はウォーミングアップから〜ウォーミングアップの筋力への効果〜

参考文献

Li FY, et al. A systematic review and net meta-analysis of the effects of different warm-up methods on the acute effects of lower limb explosive strength. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2023;15 (1):106. doi:10.1186/s13102-023-00703-6.

下肢の爆発的筋力に対する急性効果への、異なるウォーミングアップ方法の影響に関する系統的レビューおよびネットワークメタ解析


とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

目的

下肢の爆発的な筋力(ジャンプ力やスプリント力)に対する急性効果について、異なるウォーミングアップ手法を網羅的に比較・評価し、最適な方法を明らかにすることを目的としています。

方法

35編のランダム化比較試験(RCT)または前後比較試験を対象に、ネットワークメタ解析を実施しました。

検証された手法は、

  • 静的ストレッチ(SS)

  • 動的ストレッチ(DS)

  • バリスティックストレッチ(BS)

  • PNFストレッチ

  • 静的・動的複合ストレッチ(SDS)

  • フォームローリング(FR)

です。

垂直跳び(CMJ)の高さとスプリントタイムを指標として解析が行われました。

結果

垂直跳びにおいては、SDSとDSが対照群と比較して有意な向上を示しました。
スプリントタイムについては、DSのみが有意な改善を示し、一方でSSはパフォーマンスを低下させる負の影響が認められました。また、DSの効果を最大化するための実施時間は、7分から10分が最も効果的であると示されました。

結論

爆発的パフォーマンスを向上させるためには、動的ストレッチ(DS)または静的・動的複合ストレッチ(SDS)が有効です。
静的ストレッチ(SS)は単独で行うとパフォーマンスを低下させる可能性があります。
動的ストレッチを7分から10分間実施することが、最も安定的かつ効果的な準備方法です。


ポイントと感想

静的ストレッチの功罪

この研究では、爆発的な力の発揮が求められるウォーミングアップでSSのみを行うことは、逆効果になるリスクが示されています。これは、以前から言われていることですね。

一方で、静的ストレッチと動的ストレッチを組み合わせた「複合ストレッチ(SDS)」が、垂直跳びにおいて最も高い効果を示しています。
SSによって柔軟性を確保した後にDSを行うことで、SSのデメリットを打ち消しつつ、運動単位の動員を増やすことが可能とされています。

順番はSS→DSです。

動的ストレッチは「時間」と「対象」

動的ストレッチ(DS)はどの程度の時間行えばよいのでしょうか。
この解析では、7分から10分が最も高い効果を生むとが示されています。
短すぎると筋温の上昇や粘性の低下が不十分であり、10分を超えると疲労が勝ってしまうとのことです。

また、「21歳未満」や「一般的なフィットネス愛好家」でより顕著な効果が見られるそうです。
トップアスリートはすでに身体能力が高く、伸び代が少ないのに対し、一般の方や若年層は刺激に対する反応性が高く、準備運動の質がダイレクトにパフォーマンスに反映されるそうです。

他の介入手段は?

近年普及しているフォームローリング(FR)についても触れられています。
FRは血行促進や筋肉痛の緩和には寄与するものの、爆発的筋力の向上についてはあまり効果がなさそうです。
同様に、PNFストレッチも爆発的動作に対しては負の影響を与える可能性が示唆されています。

適材適所ということですね。

ではでは。

#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

ー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●

投稿はこちらのXで随時報告しております。ぜひフォローをお願いします!

クリエイターページはこちらから!

関連の文献もご覧ください!

いいなと思ったら応援しよう!

PT Type B 皆さまのご支援は、AIへの課金、書籍やPCの購入など、日々の業務や良質な記事をお届けするための活動資金として大切に使わせていただきます。今後とも応援いただけると嬉しいです!