地域在住高齢者の活動量を決定づける要因とは
参考文献
D'Amore C, et al. Determinants of physical activity in community-dwelling older adults: an umbrella review. International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity. 2023;20 (1):135. doi:10.1186/s12966-023-01528-9.
地域在住の高齢者における身体活動の決定要因:アンブレラレビュー
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
目的
この研究の目的は、地域在住の高齢者における身体活動(PA)の決定要因に関する既存のエビデンスを包括的に要約し、社会生態学的モデル(SEM)に基づいて整理することです。
方法
6つの主要データベース(Cochrane、MEDLINE、Embase、PsycINFO、CINAHL、SportDiscus)を使用し、2022年8月までに発表された系統的レビューおよびスコーピングレビューを検索しました。
平均年齢60歳以上の地域在住者を対象に、PAの決定要因を調査した11件のレビュー(一次研究300件以上を包含)を抽出し、質の評価およびデータ抽出を行いました。
結果
分析の結果、PAの決定要因として
居住地域の歩きやすさ(Walkability)
若年であること
男性であること
身体活動に対する社会的支援
でした。
物理的環境に関する調査が最も多く行われていましたが、アクセスの良さや安全性、美観などの要因については、70%以上の研究で有意な関連が認められませんでした。また、一次研究の約8割が横断研究であり、PAの測定も多くが自己報告に依存していました。
結論
高齢者のPAを促進するためには、物理的環境の整備に加えて、対人関係における社会的支援が重要であることが示唆されました。
今後は、客観的なPA測定を行い、因果関係を特定できる縦断的な研究が必要です。
ポイントと感想
環境の質よりも歩きやすさと社会的支援
身体活動(PA)に関連する要因として、物理的環境(インフラの整備状況など)が最も多く研究されているにもかかわらず、その多くが統計的に有意な関連を示していませんでした。
一方で、「Walkability(歩きやすさ)」と「身体活動に特化した社会的支援」は有効な可能性が示唆されています。
Walkabilityは、
street connectivity(道路の接続性)
residential density(住宅密度)
land-use mix(土地利用の多様性・混在)
の3つの要素で構成されているものです。
その地域の歩きやすさが重要となりそうです。
身体活動に特化した社会的資源では、ただ単に外に出なさいという言葉がけではなく、歩きたくなる運動プログラムの構成と共有や、家族や友人と一緒に歩くなどソフト面の支援が、高齢者の背中を押す強力な因子になりそうです。
個別アプローチ
このレビューでは、特定の疾患を持つ集団についても触れられています。
脳卒中患者においては、バランス能力や身体機能といった身体的要因がPAと強く関連しています。
認知機能障害を持つ人々ではQOLがPAと正の関連を示す一方で、認知機能の低下そのものが阻害要因となる傾向が指摘されています。
先ほどのWalkabilityやソフト面への介入を前提におきながら、何を優先的にサポートしていくかを、ここの患者さんに合わせる柔軟性が求められます。
評価指標の限界と今後
論文内では、既存研究の多くが自己報告によるPA測定に頼っていることが課題として挙げられています。
これが環境要因との関連を不明瞭にしている一因かもしれません。
しかし、現代において以前より活動量等は測定しやすくなってきた気がします。
スマホを持っているいれば、歩数なども出ます。
そういう意味では、具体的な目標も立てやすそうです。
個人的にはWalkabilityではないですが、気候による活動量の変化がでかい気がしますね。
真夏に歩けというのは危険な気がしますよね。
ではでは。
ではでは。
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