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24時間の運動ガイドライン

参考文献

Ross R, Chaput JP, Giangregorio LM, et al. Canadian 24-Hour Movement Guidelines for Adults aged 18–64 years and Adults aged 65 years or older: an integration of physical activity, sedentary behaviour, and sleep. Appl Physiol Nutr Metab. 2020;45(10 (Suppl. 2)):S57-S102. doi:10.1139/apnm-2020-0467.

18-64歳の成人および65歳以上の高齢者のためのカナダの24時間運動ガイドライン:身体活動、座りがちな行動、および睡眠の統合


とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

目的

18歳から64歳の成人、および65歳以上の高齢者を対象として、身体活動、座りがちな行動、睡眠という3つの運動行動を統合した、24時間の指針となるガイドラインを策定することを目的としています。
従来の単一の行動に焦点を当てた推奨事項から脱却し、1日の中での行動の組み合わせが健康に与える影響を明らかにすることを目指しています。

方法

ガイドライン開発プロセスは、AGREE IIツールに従って進行されました。
米国の2018年身体活動ガイドライン科学報告書を基礎とし、不足している領域(筋力トレーニング、バランス訓練、座位行動のパターン、睡眠の質とタイミング等)を補うために、6つの系統的レビューまたはレビューの概要が実施されました。
さらに、専門家等からのフィードバックを反映させ、最終的な勧告が作成されました。

結果

健康的な24時間のための構成要素として、以下の項目が強く推奨されました。

  1. 身体活動
    週に150分以上の中〜高強度の有酸素運動、週2回以上の筋力トレーニングを推奨。
    高齢者ではこれにバランス訓練を追加。
    また、強度の低い活動を数時間行うことも重要。

  2. 座りがちな行動
    1日の座位時間を8時間以下に制限し、そのうち娯楽目的のスクリーンタイムを3時間以内に抑える。
    長時間の座位は頻繁に中断する。

  3. 睡眠
    成人は7〜9時間、高齢者は7〜8時間の質の高い睡眠をとり、規則正しい睡眠パターンを維持する。

結論

身体活動、座位行動、睡眠は相互に関連しており、24時間全体を一つのパッケージとして捉える必要があります。
座位時間を身体活動へ置き換えること、あるいは低強度の活動を高強度の活動に転換し、かつ十分な睡眠を確保することで、健康上の利益が最大化されます。
完璧な達成が困難な場合でも、目標に近づくプロセス自体にメリットがあることが示されました。


ポイントと感想

24時間を連続体として捉える

このガイドラインでは、自分たちがどうしても着目してしまう運動だけを切り取らず、睡眠や座っている時間も含めた24時間のバランスをマネジメントするという視点の重要性を示しています。

重要なのは、10分未満の身体活動であっても、蓄積すれば死亡リスク低下などの健康上でのメリットがあるという点です。
まとまった運動時間を確保しにくい方であっても重要な視点ではないでしょうか。
数分の運動の積み重ねが重要ですね。

高齢者における睡眠時間の上限とバランス練習

高齢者向けの推奨事項では、睡眠時間の上限が8時間に設定されています。
9〜10時間以上の過度な睡眠が併存疾患や死亡率に関連しているという知見もあるそうですよ。

また、高齢者にはバランス練習が組み込まれています。
転倒予防が生活の質に直結する高齢者において、有酸素運動や筋力増強だけでなく、立位バランスや機能的トレーニングを日常的に組み込むことの重要性が再確認されました。

座りすぎをどう中断させるか

座っている時間を1日8時間以内に抑えるという数値目標が示されています。ただ、これは現代社会において非常に高いハードルです。
ガイドラインでは「低強度の身体活動(LPA)」への置き換えを推奨しています。
例えば座る代わりに立つといった、強度の低い活動が、座位行動の悪影響を相殺する鍵となりそうです。
最近は、高さを調整できるデスクも見かけますね。
座っている時間をいかに減らしているか、個人も企業も考えていく必要がありそうです。

ではでは。

#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

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