腰痛には股関節のストレッチを。
参考文献
Hatefi, M., Babakhani, F., & Ashrafizadeh, M. (2021). The effect of static stretching exercises on hip range of motion, pain, and disability in patients with non-specific low back pain. Journal of Experimental Orthopaedics, 8:55. DOI: 10.1186/s40634-021-00371-w
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
この研究は、非特異的腰痛(NSLBP)の女性患者30名を対象に、股関節をターゲットにした静的ストレッチの効果を検証したものです。実験群は8週間、週3回のストレッチを実施。痛み(VAS)、障害(ODI)、股関節の可動域(PROM)を比較した結果、ストレッチ前後で有意な改善が見られました。グループ間の違いは統計的には有意でなかったものの、ストレッチ介入自体にはポジティブな効果があると示唆されました。
既知の事実を知る〜文献内参考文献より〜
股関節の可動域(ROM)は、身体のバランスやスムーズな運動のために重要です。特に股関節の伸展が制限されると、その分の動きを腰椎が代償しようとします。
たとえば、
股関節伸展の左右差は腰部の代償運動を引き起こしやすく(Kim & Shin, 2020)、
慢性腰痛のある人では健康な人と比べて股関節の可動域が低い傾向にあります(Roach et al., 2015)。
また、脊椎伸展に敏感な患者では、股関節屈筋の緊張によって股関節の伸展が制限され、腰椎の過剰な伸展が誘発される可能性があるとの報告もあります(Vigotsky et al., 2016)。
このように、股関節の柔軟性と腰椎の健康は密接な関係にあります。
結果の自分なりの解釈
今回の研究は、静的ストレッチが痛みや機能に良い影響を及ぼす可能性を示しました。グループ間の有意差は認められなかったものの、実験群ではVASやODIスコア、PROMが改善しており、股関節伸展が腰部への負担を軽減する一助になっている可能性があります。
股関節伸展のストレッチは腰痛に良さそうですが、特に注目したいのは、脊柱管狭窄症や腰椎伸展で痛みが出る患者における応用です。こ
のようなケースでは、股関節の伸展制限が原因で腰に負担がかかっている可能性が高いため、腰自体ではなく"股関節"にアプローチするという視点はとても重要です。
実際患者さんに教える際は、立位や膝立ち位で前後に足を開くようなやり方が教えやすいかもしれません。
ではでは。
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