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キャラクタービジネスのノウハウを応用してヒットの確率を高めよう!

【はじめに】

 こんにちは。
 私は1990年から2019年まで㈱バンダイに在籍し、途中、㈱ナムコへの9年間の出向を含め、玩具・ゲーム・イベント・テーマパークなど幅広い事業で企画やマーケティングを担当してきました。
 商品企画とプロモーションを担当したハイパーヨーヨーやキャラウィール、プロデュースを手掛けたアーケードゲームイベント「太鼓の達人日本一決定戦」、コンテンツ企画やプロモーションを担当したキャラクターテーマパーク、アジアでのアニメ番組プロデュースなど、数々の現場経験を通じて実感したのは、ヒットは偶然ではなく、いくつかのポイントを押さえて企画・制作していけば、ヒットの確率を高められるという事です。

 また、このポイントはキャラクタービジネスだけでなく、異業種でも応用が可能という事にも気づきました。
 これらを「5つのポイント」として整理し、短縮版でご紹介しますね。
 皆様のビジネス成功のヒントになれば幸いです。

【ポイント1:ゴールデンエイジ】

『子供時代の体験は、一生の価値観を左右する。ブランド訴求するなら子供からはじめよう!』

 幼少期に出会ったキャラクターや遊びは、大人になっても「懐かしさ」「愛着」として心に残り続けます。大人買いとは、その発現の1つと言えるでしょう。
 脳の神経系が最も発達する※ゴールデンエイジ(5〜12歳=小学生)で得た感動は、長期的なブランド愛につながるのです。
 つまり、ブランドファンを育成するなら、柔軟で神経系が絶賛発育中の小学生に訴求することで、将来のファンや顧客になってもらえる可能性が高まります。逆に中学生以降になると、年齢とともに興味や趣味、趣向、個性が確立(固定)されていくので、新たな価値提案やブランド訴求の難易度は高まると言えます。
 スポーツの世界において、トップアスリートが漫画やアニメの影響を受けてスポーツを始めたというエピソードは多くの事例があります。学校においても、バスケやサッカーのヒット作品の影響で、部員が急増する現象が起きたことも事実です。
 これらの事象からも、子供時代の体験は一生の価値観を左右する可能性が高いのです。
 ※出典「米国学者・スキャモンの発育・発達曲線」

【ポイント2:温故知新】

『顧客の“過去”を調べると、現在・未来のヒットにつながるヒントが見えてくる。』

 ターゲット世代が子供の頃に夢中になった漫画やアニメ・音楽・スポーツ、ホビー、ファッション等を調べれば、成長後の今、心を動かすヒントが得られます。
 これを視覚化するのが「記憶のヒットマップ」です。
 例えば、ターゲットを2025年現在、30歳の女性とします。
 その女性がゴールデンエイジを過ごしたのは、約2000年~2007年となります。年代ごとに流行ったコンテンツを記載すれば、マップは完成です。
 このようなマップを作ることで、説得力ある企画の根拠になります。
 ブランドファン育成において、対象となるターゲットが決まりましたら、記憶のヒットマップを活用していただくと、企画のヒントがつかみやすいと思います。
 これを私は「温故知新(過去を知り、現在に生かす)」としました。

【ポイント3:6年周期】

『トレンドは約6年周期でリセットされる。周年記念イベントはその代表例』

 小学生のコミュニティが一巡するのが約6年(1年生から6年生)。
 中学~高校生のコミュニティーが一巡するのが計6年。
 過去にヒットした商品を、リニューアルや再販で6年以上空けて再投入すると、鮮度を取り戻し、再びブームになる確率が高まります。
 その理由は、過去を知らない子供には再販やリニューアル商品が新鮮に受け入れられ、成長した子供達には「懐かしいもの」として好意的に受け取られるからです。
 逆にコミュニティが一巡する前に投入すると、「まだそれで遊んでいるの?まだ見ているの?」と、古さや子供っぽさ、時代遅れ感などが同一のコミュニティ内で強調されネガティブに捉えられてしまいます。
 ネガティブな感情が「懐かしい」と好意的に変化するタイミングは個人差がありますが、経験上、6年は目安になると思います。
 これが、「トレンドは約6年でリセットされる」という考え方です。
 他方で、「5周年」「10周年」という名目で様々な商品やサービス、キャラクターコンテンツなどの周年プロモーションが実行されていますが、これもある意味、6年周期の変化版と言えるのではないでしょうか。
 ブランドファン育成においては、この周期や周年を継続することが重要なファクターになることは、是非もなしかと思います。

【ポイント4:三世代戦略】

『子供・親・祖父母を巻き込めば、ブランドは長生きする。同一ブランドでも、世代ごとの商品、サービス提供が重要!』

 ガンダムや仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズのように、親子三世代が同じ作品を共有することで市場が拡張します。
 ノスタルジー効果と家族の共有体験が、長期的なブランド資産を生むのです。
 特にスーパー戦隊シリーズは、2025年で50周年を迎え、文字通り「子供・親・祖父母」の3世代に渡りファンの育成に成功しています。継続は力なりですね。
 この成功の秘訣は、子供、親、祖父母、それぞれのターゲットの成長に合わせて映像や書籍、商品、サービス、イベント等を絶え間なく供給しつづけている事です。
 ブランドファン育成においては、これらのキャラクター作品で成功している手法を応用することで、異業種においても成功モデルを作れるのではないかと思います。
 例えばお醤油やソースなど、調味料を例に挙げて解説しましょう。
 昭和の時代には、家族そろって食卓を囲むというような光景が普通でした。そこでは、母親が用意した調味料は「家族の思い出の一部」となり、世代間で愛着を深め、子供が成長した後も自然と母親が用意してくれた銘柄の商品を買うという購買動向がみられました。
 他方、現代では家族で食卓を囲むという情景が減少傾向にあります。結果、親から子に対する特定の調味料ブランドの伝承機会は減り、競合商品の増加も相まって、老舗ブランドが市場シェアを維持し続ける事が困難となっています。また現代の子供目線で見た場合、「親が使っていたもの=古くさい、若者むけじゃない。」という解釈をされてしまうリスクもあり、ますます老舗ブランドほど若者から敬遠される可能性があるのです。
 このような市場環境の時こそ、同一ブランドでくくりつつも、パッケージデザインや味、成分を変えたターゲット別の商品展開が効果的だと思いますが、いかがでしょうか?

【ポイント5:感動創造】

『五感+驚き+記憶が、人を動かす=感動する。感動ポイントを可視化しよう!』

感動は目に見えないものではなく、可視化できます。
私は可視化するツールを、「感動メーター」と名付けました。
感動メーターでは、7つの評価ポイントでレーダーチャートを作ります。それら7つの評価ポイントは、「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・驚き・記憶」です。
商品、サービスなど、大抵のものは感動メーターに当てはめる事で、弱み、強みを把握することができます。
キャラクターや映像作品などについては、評価ポイントを入れ替える事で、専用のチャートに作り変える事が出来ます。
評価のポイントは、以下の通り。
(1)特定の指標が突出している。
(2)指標全体のバランスが高い。
使い方は、まず過去の実績ある商品やサービスで感動メーターを作成し、それを新製品や企画中のもので作成し比較する事です。
このデータを蓄積する事で感動メーターの精度は高まります。
感動メーターを駆使できるようになれば、人を動かすポイントが可視化され、感動創造に結び付く可能性が高まります。

ヒットは偶然ではありません。
「ゴールデンエイジ理論」から「感動創造」まで──5つの方法はどの業界にも応用可能です。

共通するのは、人の心をどう動かすかを科学し、仕組みに落とし込むこと。
そうすれば、ヒットの確率を高め評価を可視化できるようになります。
これからも、感動体験を創り出すための方法と実践を発信していきます。
(短縮版なので、説明不足な点はお許しください。)

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