【5分で分かる中学社会】三大宗教 中1地理 世界のくらし⑥
前回は高山気候について学びました。今回は三大宗教について学びましょう。
今日は天井の謎から宗教をひもときます!
1:天井のなぞ
まずはこの図を見てください。

これは外国のホテルの天井の様子を示しています。この天井の矢印は一体何でしょうか?スクロールする前に少し考えてみてください。
天井の矢印の意味は何でしょうか。あの矢印はサウジアラビアにあるメッカという都市の方向を示しています。(矢印はキブラとよびます)では、なぜメッカの方向を示しているのでしょうか。
実は、メッカという都市はイスラム教の聖地になっています。イスラム教では1日5回メッカの方向に礼拝するという決まりがあるのです。ですからイスラム教の国ではメッカの方向を示す矢印(キブラ)が貼られているのですね。

このように世界では宗教的な教えが生活に根付いていることがよくあります。今回の記事では世界の宗教について考えていきましょう。
2:三大宗教
世界にはかなりの数の宗教があると言われています。細かく数えた場合、1万以上の宗教があるそうです。日本だけでも数百の宗教があると言われています。
これらの宗教をすべて学ぶことは数が多すぎて大変ですね。そこで今回は世界の主要な宗教について考えていきましょう。
世界に広く普及し、信者も多い宗教はキリスト教、イスラム教、仏教の3つです。これらを三大宗教とよぶ場合があります。
キリスト教はヨーロッパや南北アメリカに多く広がっています。イスラム教は西アジアや北アフリカに多く広がっています。仏教は東アジアや東南アジアに多く広がっています。
3:キリスト教の特徴
まずはキリスト教の特徴について学びましょう。キリスト教を信じている人は世界で20億人を超えていると言われています。世界最大の宗教です。
キリスト教はとても簡単に言うと「神と神の子イエスによる救い」を中心とした宗教です。
まず、キリスト教では神はただ一人であると考えます(唯一神)。このように神を一人しか認めない宗教を一神教と言ったりします。ちなみに、日本の神道のように神様がたくさんいる宗教は多神教と言います。
そしてイエス・キリストは神の子であり、人間の罪を背負って十字架にかけられて死んだと考えます。イエス・キリストの犠牲によって人々は救われると説きます。
ちなみに「イエス」は人の名前です。イエスは個人名でキリストは称号(救い主という意味)です。ですからイエス・キリストは「救い主イエス」といった意味になります。
また、キリスト教では人は生まれながらに罪を背負っている(原罪)ため、自分だけの力では完全には救われず、神の愛と赦し(ゆるし)によって救われると考えます。
このようなキリスト教の教えは聖書に書いてあります。聖書のように、その宗教の教えが書かれた本を経典(きょうてん)と呼びます。
キリスト教は主に3つの宗派に分かれています。カトリック・プロテスタント・正教会の3つです。
キリスト教を信じている人々の習慣は次のようなものがあります。
まず、神に祈りを捧げることです。食事の前や感謝をする際に祈ることが多いです。他には、例えばサッカーでシュートを決めたヨーロッパの選手が十字架を切ったりすることもありますね。
また、教会に行くことも大切です。日曜日は教会へ行き、礼拝に参加します。他にも聖書を読むことも大切なことです。聖書の教えをよく読み、それを実践するのですね。
キリスト教の主な行事としてはクリスマスがあります。日本だとプレゼントをもらったり、恋人とデートをする日になっていますが、これは本来キリストの誕生を祝うためのものです。
また、イースター(復活祭)もあります。イエス・キリストは十字架にかけられ処刑されるのですが、3日後に復活されたとされています。この復活を祝うのがイースター(復活祭)です。イースターではイースター・エッグという卵を飾り付けます。卵は命の象徴であり、復活を祝うときに使われるのですね。

ちなみにこれは全くの余談ですが、劇場版の名探偵コナン「世紀末の魔術師」(キッド様が出る回)ではメモリーズ・エッグと呼ばれるイースター・エッグが登場します。良かったら見てみてください。
4:イスラム教の特徴
次はイスラム教です。イスラム教は「唯一神のアッラーへの絶対服従」を中心とした宗教です。イスラムとは「服従」という意味です。
ちなみにイスラム教を信じている人々はムスリム(=服従する人)と言います。イスラム教にも宗派があり、スンナ派とシーア派の2つがあります。
イスラム教では神はアッラーただ一人であると考えます。それ以外の神は認めません。
また、ムハンマドを最後の預言者であると考えます。「預言者」とは神の言葉を聞いた人という意味です。「予言者」ではないので注意です。
イスラム教の経典はコーランです。クルアーンとも言います。コーランは神の言葉そのものが書かれており、非常に強い権威をもっています。
また、ムスリムには五行という基本ルールがあります。
1つ目は信仰告白です。これはアッラーのみを信じるということです。
2つ目は礼拝で1日5回聖地のメッカに向かって礼拝をします。最初にあった天井の矢印はこれに関係しますね。
3つ目は喜捨(きしゃ)です。これは寄付のことで、困っている人にお金や物を分け与える義務のことです。
4つ目は断食(だんじき)です。これはラマダンと言います。ラマダンの時期には日の出から日没まで飲食を断ちます。ラマダンの月は毎日食べない、飲まないことが基本です。ただ、夜は普通に食事をしてOKです。
5つ目は巡礼です。これは聖地のメッカに行くことです。
ムスリムの人々は宗教の教えと生活が一体となっています。ですから食事や服装にも細かな決まりがあります。例えば、豚は食べません。また、服装は女性はなるべく肌を出さないようにするという決まりがあります。厳格なイスラム教の国では女性は目以外の部分は出さない服を着ます。

イスラム教の礼拝所はモスクと言います。ちなみに日本にもモスクがあり、渋谷には東京ジャーミーという日本最大のモスクがあります。

5:仏教の特徴
次に仏教について考えていきましょう。仏教は一言でいうと「苦しみから解放されるための教え」です。神を信じることよりも、どう生きるか、どう心を整えるかということに重点を置いています。
仏教の創始者はブッダです。漢字で仏陀と書きます。ブッダは神ではありません。人間として悟りを開いた存在です。ちなみにブッダは称号で「目覚めた人」という意味です。
ブッダ以外にはシャカ(釈迦)という呼び方もあります。これは釈迦族という出身の呼び方です。ブッダの個人名はゴータマ・シッダールタと言います。ブッダはインド出身ですが、仏教はインドには広まらず東アジアや東南アジアに広がっていきました。
仏教では大きく上座部仏教と大乗仏教の2つの宗派があります。
仏教は人生は「苦」であると考えます。(四苦八苦)そして、その苦しみの原因は欲望であると説きます。そこで欲望から自由になる悟りを開くために修行をするのです。
仏教の経典は経(きょう)です。お坊さんがお経を唱えていますが、そのお経が経典になっています。
仏教には絶対神はいません。信仰するよりも実践を重んじており、苦しみの原因を理解して、それを手放す練習をするのが仏教の教えです。
仏教には基本的に神はいませんから、仏閣(お寺)と神社は別の宗教のものです。意外と知らない人もいるので注意しておきましょう。
6:民族宗教
世界には三大宗教以外の宗教もあります。特定の民族のみが信じている宗教を民族宗教と言います。例えば、日本の神道(しんとう)が民族宗教として有名です。
神道ではあらゆるものに神が宿ると考えます。山や川などの自然や祖先、偉大な人物などすべてに神が宿ると考えるのです。八百万の神(やおよろずの神)
あらゆるものに神が宿ると考えるのはキリスト教やイスラム教とは真逆の考え方ですね。日本では貧乏神や疫病神など、不幸なことにも神がいると考えるのがユニークなところです。(ちなみに貧乏神や疫病神は正式な神道の神ではないそうです。)
神道は神社が中心となっています。神社には神様が祀(まつ)られていますね。また、神道の行事が日常に溶け込んでいることも多いです。初詣(はつもうで)や七五三、お祭りでお神輿(おみこし)を担ぐなど、神道の行事に参加したことのある人も多いと思います。
ほかの民族宗教としてはインドのヒンドゥー教が有名です。ヒンドゥー教にも多くの神がいます。例えば、創造の神であるブラフマー、世界を維持する神のヴィシュヌ、そして破壊の神シヴァなどです。ですから多神教の宗教ですね。
ヒンドゥー教の信者は9億人を超えているといわれています。これは仏教の信者数(約3億人)よりも多いのですが、基本的にヒンドゥー教はインドにのみ広がっているので、民族宗教として扱われます。
ヒンドゥー教にはカースト制度と呼ばれる身分制度があります。人々はバラモン(司祭)、クシャトリア(王族、士族)、ヴァイシャ(庶民)、シュードラ(隷属民)の4つに分かれ、就職できる仕事などに違いがあります。ちなみにシュードラの下にはダリット(不可触民)と呼ばれる差別されてきた人々がいます。
ヒンドゥー教では牛を神の使いと考えて大切に扱っています。ですからインドでは牛を食べません。インドにはベジタリアンも多く、マクドナルドではベジタリアン専用のメニューもあります。
また、ガンジス川を聖なる川と考えており、沐浴をして体を清めます。
ほかにもユダヤ教というユダヤ人が信じている民族宗教があります。ユダヤ教は神はただ一人であると信じています。神はヤハウェと言います。
ちなみに、キリスト教はユダヤ教から派生しました。
ユダヤ教は「契約(コヴィナント)の宗教」であると言われます。ユダヤ教では神とユダヤ人が特別な契約を結んでいると考えており、ユダヤ人は神に従い法律を守る代わりに、神から守られると信じています。
ユダヤ教の重要人物としてモーセがいます。「モーセの十戒」という言葉を聞いたことがある人がいるかもしれませんね。モーセが神からうけとったトーラーと呼ばれる法律がユダヤ教の基本ルール集となっています。
7:まとめ
さて、長くなったのでまとめましょう。
・三大宗教=キリスト教、イスラム教、仏教
キリスト教
・イエス・キリストが始める。
・聖典は聖書
・カトリック、プロテスタント、正教会の3宗派
・日曜日は教会へ行く
・クリスマス、イースターなどの行事
イスラム教
・ムハンマドが始める
・聖典はコーラン
・スンナ派とシーア派に分かれる
・豚は食べない。
・1日5回メッカの方向へ礼拝
・礼拝所はモスク
・女性は肌を見せない
仏教
・ブッダが始める
・上座部仏教と大乗仏教に分かれる。
・聖典は経
民族宗教
・日本の神道
・インドのヒンドゥー教
→牛を食べない、カースト制度
・ユダヤ人のユダヤ教
次回はアジアの自然と気候について学びましょう。
練習問題はこちら。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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