【5分で分かる中学社会】アジアの自然と気候 中1地理
前回は三大宗教について学びました。今回はアジアの自然と気候についてです。
カレーの謎から気候を考えます。少々長いですが、最後までお付き合いください。
1:カレーの謎
インドはカレーが有名です。また東南アジアでもカレーは人気です。キーマカレー、グリーンカレー、レッドカレーなど様々なカレーがあります。
では、これらのアジアの地域では、なぜカレーがたくさん食べられているのでしょうか?今回は気候との関連から考えてみてください。
ヒント:日本のいわゆる「おうちカレー」とインドやタイのカレーの違いを考えてみてください。

2:カレーと気候
さて、日本のカレーとインドやタイのカレーを考えるさいに、重要になる要素はスパイス(香辛料)です。インドやタイのカレーはスパイスがたくさん入っていますね。なぜでしょうか?

実は、スパイスには食材を長持ちさせる効果があります。カレーによく入っているターメリック(ウコン)というスパイスは、細菌の増殖を抑える作用があります。他にもクローブやシナモンなどのスパイスにも抗菌作用があります。これらのスパイスを入れることで食中毒のリスクを下げることができます。
では、なぜこれらの地域では抗菌作用のあるスパイスをたくさん使うのでしょうか?食材を腐らないようにする必要があるということは、言い換えればそれだけ食材が腐りやすい環境が存在するということです。
食材が腐りやすい環境とはどのようなものでしょうか?細菌が繁殖しやすい環境を考えてみましょう。すると気温が高く湿気が多い環境であることが分かります。日本でもお弁当を持っていくときに保冷剤を使うことがありますね。そうしないと食材が腐ってしまいます。気温が高いとそれだけ細菌が繁殖しやすくなってしまうのです。
では、気温が高く湿気が多い環境とはどんなものでしょうか?これは前に学習した気候の記事を振り返ってみてください。すると主に熱帯の気候であることが分かります。(熱帯の記事を参照)
ですから暑くて雨が多い地域では、スパイスを多用する傾向にあるのです。また、味も辛くなりがちです。暑いと食欲が落ちますが、辛い物を食べて汗を促して食欲をUPさせるのです。
3:季節風
アジアに雨が多い理由の一つとして季節風(モンスーン)という風があげられます。季節風がアジアのカレー文化を育んだといってもよいでしょう。
季節風とはその名の通り季節によって風向きが変わる風です。夏には海から陸地へ吹きます。一方、冬は陸地から海へ吹きます。(下の図の①が夏の風、②が冬の風です。)この風がアジアの気候に大きな影響を与えてきました。

さて、季節風は気候にどのような影響を与えるでしょうか。まずは夏の季節風を考えてみましょう。夏の季節風は海から陸地へ風が吹くのでしたね。海から来た風は湿っています。水分を含んでいるのです。その空気が山などにぶつかって上昇すると雲になって雨を降らせます。
ですから、夏の季節風の影響を受ける地域は夏に雨がとても多く降るのです。その結果、アジアでは食材が腐ることを防ぐため、カレーなどスパイスを多用する食文化が生まれました。
今度は冬の季節風を考えてみましょう。冬の季節風は陸地から海へ風が吹くのでしたね。その結果、陸地にあった空気はどんどん海へ送られるため、雲になって雨が降ることが減ります。よって冬は乾燥しやすい気候になります。
季節風が届かない中国の内陸部やインドの西側から西アジアにかけての地域は乾燥した地域が広がっています。西アジアは砂漠が中心でしたね。
ちなみに、季節風を英語でモンスーンと言いますが、これはアラビア語の「季節(mausim)」から来ています。船乗りの人が「この風は季節で変わるなぁ。」と気付いてそのまま名前にしたそうです。
これは完全に余談ですが、テストで「季節風」と答える問題で、あえて「モンスーン」と書くのはオススメしません。確実に目を付けられます(笑)同様に歴史のテストで「御成敗式目」をあえて「貞永式目」と書くのもオススメしません(笑)これは採点者にしか分からないネタかもしれませんね。ともあれ、「モンスーン」は「季節」という漢字を忘れてしまったときの奥義として覚えておきましょう。
補講:季節風が吹く理由
ところで、なぜ季節風は季節ごとに風向きが変わるのでしょうか。これは長くなるので飛ばしても構いません。気になる方はお付き合いください。
前提として陸と海では温度の変化に違いがあります。陸はすぐに温まり、すぐに冷えます。一方、海はゆっくり温まり、ゆっくり冷えます。その結果、海と陸で気圧の差が生まれます。
温かい空気は膨張して軽くなり、上昇していきます。その結果、地表付近の空気は薄くなり気圧は減ります(低気圧)。一方、冷たい空気は収縮して重くなり地表付近に空気が集まり、気圧が高まります(高気圧)。そして空気は高気圧から低気圧の方へ流れるという性質があります。まずはこの前提をおさえておきましょう。
さて、夏は陸地がガンガン太陽に温められ、陸地の方が気温が高くなります。つまり空気が膨張して低気圧になるということです。すると陸地よりも気圧が高い海側から陸地へ空気が流れることになるのです。これが夏の季節風です。一方、冬は陸地の方が海よりも冷えています。その結果、陸地が高気圧になります。そしてより気圧が低い海の方へ空気が流れていくのです。これが冬の季節風です。
季節風の吹き方を理解するには気圧の理解も必要なので理科の学習と合わせて学ぶのが良いかもしれません。
4:アジアの自然
では、アジアの自然の様子を確認しましょう。

季節風がぶつかる高い山や高地がアジアの内陸にはあります。まずはヒマラヤ山脈です。ヒマラヤ山脈は標高8000m級の山々が並びます。世界最高峰のエベレストがあるのもヒマラヤ山脈ですね。季節風はヒマラヤ山脈にぶつかります。季節風がぶつかるヒマラヤ山脈の南側(インド側)は大雨になり、北側は乾燥しています。
そのヒマラヤ山脈の北側にはチベット高原という巨大な高原が広がっています。平均標高4000m以上で世界の屋根と呼ばれています。ヒマラヤ山脈に雨雲がせき止められているため、乾燥した地域になっています。
ヒマラヤ山脈やチベット高原などの標高の高い場所から川が流れ始め、やがて大河になっていきます。ヒマラヤ山脈の氷河がとけてガンジス川やインダス川へと流れていきます。チベット高原は長江や黄河などの多くの川の水源地となっています。
大河についても学びましょう。インダス川はインダス文明という古代文明の中心地でした。詳しくは歴史で勉強しましょう。ガンジス川はヒンドゥー教で聖なる川として扱われていましたね。(宗教の記事を参照)
長江はアジア最長の川です。農業や人口の中心地となっています。長江の河口には上海(シャンハイ)という巨大な都市があります。黄河もインダス川のように古代文明発祥の地として有名です。こちらも歴史で勉強します。
(※地図で示した川はフリーハンドで作成したものなので厳密には正確ではありません。ご注意ください。)
大河が流れるとその流域では農業が可能になります。よって人口が増えるのです。アジアには世界の人口の約6割が集中しています。
では、アジアの農業の中心は何でしょうか?季節風の影響で雨が多いのでこれは稲作ですね。東アジアや東南アジアなど季節風の影響で雨が多い地域では米作りがさかんなのです。
また、アジアには大きな半島が3つ並んでいます。アラビア半島、インド半島、インドシナ半島です。特にアラビア半島は世界最大の半島です。世界最大といえばカスピ海も有名です。名前に海とありますがカスピ海は世界最大の湖です。
インド半島には綿花栽培で有名なデカン高原があります。詳しくはインドの学習で学びましょう。
5:まとめ
では、内容をまとめましょう。
・アジアには季節風が吹く。
→夏は海から陸へ吹く。
→冬は陸から海へ吹く。
⇒夏は雨が多く冬は乾燥する。
⇒季節風が届かない中国内陸や
西アジアは乾燥する。
アジアの自然
・ヒマラヤ山脈、チベット高原
→大河を形成する。
・インダス川、ガンジス川
長江、黄河など
アジアには3つの大きな半島がある。
・アラビア半島(世界最大)
・インド半島
・インドシナ半島
その他
・デカン高原は綿花栽培がさかん。
・カスピ海は世界最大の湖
次回は東アジアの特色について学びましょう。
練習問題はこちら。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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