【5分で分かる中学社会】東アジアの特色 中1地理
前回はアジアの気候と自然について学びましたら。今回は東アジアの特色についてです。
今日はiphoneから特色を考えます。少々長いですが、最後までお付き合いください。
1:iPhoneから考える
みなさんiPhoneは使っていますか?
この記事を見てくださっている方にもiPhoneユーザーがいると思います。
では、ここで問題です。iPhoneはどこの国で作られているのでしょうか?

「そんなの当たり前だよ!アメリカだよ!!スティーブ・ジョブズはアメリカ人だよ。」と思いますよね?
たしかにその通りです。iPhoneはApple社が作っていますから当然アメリカだと普通は考えます。しかし・・・iPhoneを実際に組み立てているのはアメリカではありません。
それはなんと中国なのです。全世界の約6割のiPhoneは中国の鄭州(ていしゅう。中国語でヂェンヂョウ)という場所で作られています。鄭州は別名「iPhoneシティ」とも呼ばれます。
最近はアメリカと中国の仲が悪くなっており、生産拠点をインドへ移す計画が進んでいるのですが、それでも中国はiPhoneの一大生産拠点です。ですから、みなさんが持っているiPhoneはMade in China(メイド イン チャイナ)の可能性が高いのです。
2:世界の工場
実はiPhoneに限らず、身の回りの多くの製品は中国で作られています。冷蔵庫や洗濯機、掃除機などの家電製品や洋服も中国製が多いです。中国の製品は世界中にあり、中国は世界の工場と呼ばれています。
では、なぜ中国は世界の工場になれたのでしょうか。その理由は主に3つあります。
一つ目の理由は人口が圧倒的に多いことです。中国には約14億人の人口がいます。ですから労働力が豊富なのです。
二つ目の理由は人件費が安かったことです。人件費は働いてもらう人に払うお金のことです。中国はかつて人件費が安かったため、多くの工場を建てることができました。
しかし、近年は経済発展が進み、人件費も上がってきたので、工場はより人件費が安い東南アジアやバングラデシュ、インドに移転する傾向があります。
三つ目の理由は海が近くにあることです。海が近いと貿易に便利です。ですから、中国では貿易がしやすい海沿いを中心に工業が発展していきました。
中国最大の都市は上海(シャンハイ)ですが、この都市は長江の河口に位置しており、海沿いにあります。(ちなみに中国の首都は北京(ペキン)です。)
ただ、中国が世界の工場になった結果、問題も起こりました。それが環境の汚染です。工場から流れる排水や排ガスが環境を汚染して、公害も発生しています。特に中国では大気汚染が深刻な問題になっています。
3:海沿いの発展
先ほども確認した通り、海沿いは貿易に便利で経済が発展しやすいというメリットがあるので中国の東側の地域に人口が集中しました。
ほかにも東側に平野が多いのに対して、西側や内陸部は山地や砂漠が広がり、人が住みにくいことも東側に人口が集中する要因となっています。
人口が増えたため、東側の経済はさらに発展したのですが、人口が多すぎる過密の問題も発生しています。人が多すぎて交通渋滞や家賃の上昇、ゴミ問題などの都市問題が発生しているのです。
また、海沿いは中国政府も経済の発展に力を入れてきました。経済を発展させるため、外国の企業を積極的に呼び寄せようとしたのです。税金を安くして外国企業が工場を作りやすいようにルールを整備しました。
このように海沿いに作られた経済発展のための特別な地区を経済特区と言います。
経済特区は5つあり、厦門(アモイ)、汕頭(スワトウ)、珠海(チューハイ)、深圳(シンセン)、海南島(ハイナントウ)の5か所を指します。これらの経済特区は貿易のしやすい中国の南側の沿岸に広がっています。(都市名を覚えるのは高校レベルです。)

このように東側の経済が発展した結果、中国国内である問題が発生しました。それが経済格差です。中国は東側が豊かな地域であるのに対して、西側や内陸部は貧しいのです。
中国は社会主義という経済の仕組みを採用しています。これは本来、みんなが平等になることを目指す経済の仕組みです。(ちなみに日本は資本主義という経済の仕組みを採用しています。お金持ちもいれば貧しい人もいる経済の仕組みです。)
しかし、現実の中国は平等な状態ではありません。この問題は中国政府も認識しており、現在では西部の経済を盛り上げるため、西部大開発という経済政策を行い、格差の解消に取り組もうとしています。
4:人口の問題
中国の人口は14億人と非常に多く、過密の問題が発生しました。
そこで、中国はかつて一人っ子政策を実施しました。その目的は人口の増加を抑えることです。中国では一人っ子政策により人口を抑制することにある程度成功したのですが、今度は少子高齢化や労働力不足、男女のバランスの偏りなどの問題も発生しました。その結果、現在の中国では一人っ子政策は行っていません。
また、子ども一人に対して親やおじいちゃん、おばあちゃんが愛情を集中させた結果、「小皇帝」と呼ばれるわがままで皇帝のようにふるまう子どもが登場しました。家族の期待を一身に背負った結果、小皇帝が誕生したのですね。
5:人口を支える農業
さて、14億人の人口を支えるには、それだけたくさんの農産物を生産しなくてはなりません。中国の農業はどのようになっているのでしょうか。
前回、季節風について勉強しましたね。季節風は夏に海から陸地へ吹いてくるので中国の南部や東部では雨が多く降ります。その結果、この地域では稲作がさかんになりました。ですからこのあたりはチャーハンなどの米を使った中華料理が多いですね。
一方、季節風が届きにくい北部や内陸部の地域は乾燥しています。ですから稲作には不向きです。これらの乾燥した地域では乾燥に強い小麦を多く生産しています。ですからこの地域では小麦を使った餃子や饅頭などの料理が多く食べられているのです。

6:人口の中身
さて、一口に「中国人」といっても14億人もいるわけですから、具体的な民族は異なります。
私たちが一般的に中国人と言って想定する人の多くは漢民族の人々です。しかし、中国には漢民族以外にも多くの民族が住んでいます。このように一つの国にたくさんの民族が住んでいる国を多民族国家と呼びます。
中国人の約9割は漢民族ですが、1割の少数民族の中には50種類以上の民族がいるのです。
例えば、中国西部の新疆(しんきょう)という地区に住み、イスラム教を信じているウイグル族やチベット高原周辺に住みチベット仏教を信じるチベット族などです。
7:お隣の国、韓国
東アジアの学習は中国をおさえることが基本ですが、韓国について出題されることもあります。ここでは簡単に韓国について紹介しておきます。
韓国は最近、若い世代の間で人気になってきましたね。韓国のドラマやK-POPが人気です。ここから分かるように韓国はコンテンツ産業に力を入れている国です。
韓国の首都はソウルで人口は約5000万人です。人口の多くは首都のソウルに一極集中しています。
韓国の気候は日本とほぼ同じで温帯に属しています。夏に雨が多く冬は寒い気候です。ですから米作りが可能です。これも日本と似ていますね。
工業では電子工業や自動車、鉄鋼・造船の分野が強いですね。電子工業では特にスマートフォンが有名です。サムスンという会社のギャラクシーというスマホは聞いたことがあるかもしれません。
自動車では現代(ヒョンデ)という自動車メーカーがあります。日本ではあまり見かけませんが、海外への輸出もさかんです。
また、韓国の政治的な問題として北朝鮮との関係をおさえておきましょう。韓国と北朝鮮は1950年~1953年にかけて朝鮮戦争という戦争をしています。
そしてこの戦争はいまだに終結していません。現在は休戦状態が続いているのです。(詳しくは歴史で勉強します。)
韓国と北朝鮮は北緯38度線に沿って国境が引かれています。
8:まとめ
ではこれまでの内容をまとめましょう。
中国は世界の工場と呼ばれる。
・人口約14億人
・人件費が安い
・海沿いで貿易◎
しかし問題も・・・
東西の経済格差
都市問題、大気汚染など
海沿いの発展=経済特区の設置
→外国企業を誘致
中国は一人っ子政策を実施した
→人口を抑制するため
→効果◎
しかし少子高齢化や小皇帝の問題も
中国は多民族国家
→約9割は漢民族
→少数民族のウイグル族やチベット族も
韓国
自動車、電子工業、造船・鉄鋼の分野に強み
近年はコンテンツ産業にも力を入れる
北朝鮮と北緯38度線の国境
次回は東南アジアの特色について学びましょう。
練習問題はこちら。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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