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【5分で分かる中学社会】地図と地球儀 中1地理 世界のすがた⑥

 前回は緯度と経度について学びました。今回は地図と地球儀です。
 実は地図に弱点があるのを知ってますか?


1:地図と地球儀の違い


 まずはこの地図を見てください。
 地図の中にあるオーストラリアとグリーンランドを見比べてみましょう。この2つの国、どちらが大きいでしょうか?

オーストラリアとグリーンランドの面積を比べてみましょう。

 「そんなの決まっているよ!グリーンランドだ!!」と思いますよね?

 しかし、実際はオーストラリアの方がグリーンランドよりもはるかに大きいのです。(約3.5倍)
 ・オーストラリアの面積:約769万k㎡
 ・グリーンランドの面積:約216万k㎡

 なぜこんなことになるのでしょうか?実は私たちが普段見ている世界地図は正確ではないのです。

 地球をほぼ正確に縮小したものは地図ではなく地球儀です。しかし、いくら正確だからといって地球儀を普段から持ち運ぶことは不便ですよね。そこで、持ち運びに便利な地図が作られたわけです。

 地球はその名の通り「球体」です。それを無理やり「平面」の地図になおすと、どうしても正確に表現できない部分が出てきてしまいます。先ほど、オーストラリアとグリーンランドの面積の比較が正しくできなかったのは、このような事情からなのです。

 正確ではない地図を使うと不具合が起こる場面が生じます。そこで、人々はその用途に合わせて様々な種類の地図を作りました。確認してみましょう。

2:地図の種類 

2-1:メルカトル図法

 まずは私たちが最も多く見かける地図ですね。この地図はメルカトル図法という方法で作られた地図です。

メルカトル図法

 地図の特徴は緯線と経線が直角に交わっていることです。ですから角度が正しく表示されます。逆に言うと、それ以外は厳密には正確ではありません。特に面積については高緯度ほど拡大表示されてしまいます。

 また、方位も厳密には正確ではありません。メルカトル図法の地図で東京から真東(右)に進むとアメリカ合衆国に到着するように見えます。ですが、実際には正しくありません。

 実際に東京から真東へ進むと南アメリカ大陸のチリにたどり着きます。私たちが普段から目にする地図で考えると信じられませんが、方位が正確ではないのでこのようなことが起こるのです。

 メルカトル図法は角度が正確なので航海図(こうかいず)として利用されてきました。航海図というのは船の移動で使用する地図ですね。メルカトル図法は角度が正しいので、出発地から目的地までを直線で結び、その角度を測ることで進むべき方向が分かるのです。

 海の上ではコンパスを使って方向を確認しますが、コンパスで測った方向をそのまま地図に反映できるのでメルカトル図法は航海図として使用されてきました。 

2-2:モルワイデ図法

 この地図はあまり見たことがないかもしれませんが、これはモルワイデ図法という方法で描かれた地図です。この地図の特徴は面積が正しいことです。

モルワイデ図法

 モルワイデ図法で描かれた地図でオーストラリアとグリーンランドの面積を比較してみましょう。少しわかりにくいかもしれませんが、オーストラリアの方がかなり大きく表示されていることがわかりますね。

 モルワイデ図法は面積が正しいので「どれくらい大きいか」を比較したいときによく使われます。具体的には分布図(ぶんぷず)など統計的なデータを表示する際に多く使用されます。

 人口の分布や森林面積、農地の広がりなどの分布を示す際には面積が正しいモルワイデ図法の地図が使われることが多いです。 

2-3:正距方位図法

 この地図もあまり見たことがないかもしれませんね。これは正距方位図法(せいきょほういずほう)という方法で描かれた地図です。(「距」のつくりは「臣」ではないので注意!)

正距方位図法

 漢字を読むと地図の特徴が分かるのですが、この地図は中心からの距離と方位が正しい地図です。ポイントは「中心から」です。中心以外からだと距離も方位も正しくないので注意してください。

 正距方位図法は大陸の形がゆがんで見えてしまうため、慣れないと場所が分かりにくいかもしれません。正距方位図法は中心から離れるほど形がゆがんでしまうのです。

 正距方位図法は主に航空図(こうくうず)として利用されてきました。航空図とは飛行機が使う地図です。正距方位図法は中心からの距離と方位が正しいので、中心から目的地までを直線で引けば最短距離が求められます。これにより「どちらの方角にどれくらい飛べばよいか」ということが分かるわけですね。

 よく「飛行機で目的地まで移動する場合の最短距離のルートを求めよ」という問題が出題されるのですが、これはまず正距方位図法の地図で出発地から目的地までを直線で引き、その直線がどのあたりを通っているかをメルカトル図法の地図で答えるという作業が必要になります。

 基本的にメルカトル図法の地図で目的地までを直線で引いた選択肢は間違いであることがほとんどです。しっかりと正距方位図法の地図を見て、飛行ルートを確認してください。

3:まとめ

 ここまでの学習をまとめましょう。

 ・地球儀=地球をほぼ正確に縮小したもの。しかし、持ち運びに不便。
 ・地図=正確ではない場合がある。しかし、持ち運びに便利。
    →用途に合わせた地図が作られてきた。
①メルカトル図法:角度が正しい→航海図に利用。
②モルワイデ図法:面積が正しい→分布図に利用。
③正距方位図法:中心からの距離と方位が正しい→航空図に利用。

次回は日本の位置について学びましょう。
練習問題はこちら


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