[EXCEL] 公務員に必要なエクセルのスキルとは?
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改めて、公務員(一般事務職)に必要なエクセルのスキルを、私なりに整理してみます。
noteやWEBでは、関数やショートカット等が挙げられているものを散見しますが、ここでは、少し「抽象度」を上げてみます。
具体的なテクニックの前に、何をやるか、その目的となる「業務」から考えてみるということです。
考え方は色々ありますが、とりあえず以下の通り整理してみます(今後変わっていく可能性があることをご了承願います)。
【まとめ】
公務員に必要なエクセルのスキル(2026/2/8版)
各項目の詳細は 目次 からどうぞ。順次追加しています。
1 入力
・迅速に、正しく、正確にデータを入力できる
*入力不要な仕組みを考えるのが理想
2 一覧表作成
・見やすく集計しやすい一覧表を作れる
3 集計
・迅速に正確に集計できる。
4 データ配布
・一覧表から該当データを取り出して特定先に配布できる(表形式または通知文で)
5 様式(入力表)作成
・入力・チェック・集計しやすい様式(入力表)が作れる
6 作表
・データをわかりやすい表にまとめることが出来る
7 グラフ作成
・データをわかりやすいグラフに出来る
8 分析
・集計したデータから、傾向の把握や今後の予測が出来る
9 自動化(仕組み化)
・定型業務(繰り返し業務)を再現する仕組みを作れる
10 引き継ぎ
・作成した「ファイル」や「仕組み」を後任が問題なく使えるよう引き継げる
*上記は概ね業務の段階順を想定していますが、必ずしもこの順番通りになるとは限りません。
【説明】
各項目を、もう少し細かく見ていきます。
詳細は個々の内容ごとに別記事にしていく予定です。
1 入力(必要スキル:キー操作、ショートカット、入力形式やルールの知識、入力環境整備、数式/関数の知識等)
・迅速に、正しく、正確にデータを入力できる。
基本中の基本。初歩の初歩です。
初任者がまず行うのは「入力」でしょう(ただし、初任者でもいきなり「本担当」となる場合が多いので、入力だけで済むケースは稀です)。
入力に必要な要素は主に以下の3つでしょう。
・迅速に(必要スキル:キー操作、ショートカット等)
入力に不要な時間をかけるのは「サボタージュ」になりかねません(適度な休憩は必要)。
迅速に入力するためには、キー操作に長(た)けていなければいけません。
タッチタイピング(ブラインドタッチ)は勿論、分かりやすいのは「ショートカット」。コピーのたびに、マウスに手を伸ばすのは時間の無駄です。
*ショートカット等でキー操作が速くなっても、「個人の作業の効率化」のレベルであり、「アウトプット」(成果物)は変わりません。
「業務の効率化」(重要ですが)ではあっても、「業務改善」とはいえません。これについては別記事にします。
・「正しく」(必要スキル:入力形式や入力ルールの知識)
「使えるデータ」として入力欄に適した形式で入力できる、ということです。当たり前なことですが、これが出来ていない人が散見されます。
例えば「数値に単位を付ける」「1セルに複数データ」「改行やスペースで調整」等は全てNGです。正しい形式で入力されていないデータでは正しい集計が出来ません。
*この「正しい」と次の「正確に」とは、意味合いが違います。詳細は別途。
・正確に(必要スキル:キー操作、デバイス・補助具、検算式の作成等)
数値は間違いなく入力する必要があります。
しかし、100%間違いなく入力することは困難です。誤りは生じます。
これをどう防ぐか?
これについても別記事にします。
*そもそも「入力」自体をなくす(減らす)、という発想も重要です。「手書きデータを入力する」から「手書きしてもらうのではなく、データで入力してもらう」といった発想です。
2 一覧表作成(必要スキル:入力形式やルールの知識)
・見やすく集計しやすい一覧表を作れる。
「入力」はセル数個の場合もありますが、大半は、多くのデータを入力していく、でしょう。
多くのデータを入力していくと一覧表が作成されます(「データべ―ス」ともいえます)。
作成される一覧表は、見やすく、使いやすいものでなければいけません。「使いやすい」とは集計や抽出が簡単に行える、ということです。
*「1 入力」と別項目にしていますが、重複部分は多々あります。今後、合体させるかもしれません。
3 集計(必要スキル:論理的思考力、データ洗浄/クレンジング、数式、データ統合、ショートカット等)
・迅速に、正確に集計ができる。
エクセルの根幹部分ともいえます。
単にデータを並べるだけではなく、様々な要素による集計(例:特定の項目の件数や合計を出す)を、迅速かつ正確に行えることはとても重要です。
残念ながら、多くの行政データは「一覧表」どまりです。
また、多くの公務員は、単純集計以外の集計が苦手です。
迅速かつ正確に答えを出すには、数式の知識以前に、データをどう扱えば答えが出せるか、という論理的思考力が必要であり、それに基づいて適切な数式を用いて、かつ、ショートカット等により迅速に操作していく必要があります。
*関数を知らなかったり、適切な数式を組み立てる知識がなくても、「どの項目とどの項目をどうする」と論理的に考えられ、それを適切に言語化(箇条書きでいい)できるのであれば、生成AIを活用して数式は得られます。ただし、都度、生成AIを利用するのではなく、得られた数式を自分のものにしていく必要があります。でなければ、いつまでも「魚」を得るばかりで、「魚の釣り方」は覚えられません(内容・頻度にもよる)。
・「集計」以前にデータを整える「洗浄(クレンジング=集計の邪魔になる汚れ(空欄等)を取り除く」や、データの統合も必要です。
4 データ配布(必要スキル:数式、印刷)
・一覧データから該当データを取り出して特定先に配布できる(表形式または通知文で)
単に一覧表(データの集まり)を作るだけではなく、そのデータから必要なデータを取り出し(1つ乃至複数)、特定の相手に配布(送付)する、ということは日常業務の中で多々あります。
例えば、一覧表から該当部分だけ抽出した表の作成、あるいは、交付決定・許可・認可などの文書へのデータ差込。後者はワードの差し込み印刷で行う場合が多いでしょうが、エクセル内で完結できれば、より迅速に行えます(手間が省ける)。
5 様式(入力表)作成(必要スキル:想像力、数式・書式のルール等)
・入力・チェック・集計しやすい様式(入力表)が作れる。
これは、上の1~3とは観点が違います。
1~3は自己完結(自分だけの業務の仕組みづくり)もいえますが、この5は「他の人にやってもらう仕組みづくり」です(4は、1~3と5の中間位でしょうか)。
如何に、他の人(組織内・外の照会先、関係団体等)の担当者が、楽に、かつ、正確に入力できる様式を作るか、如何に取りまとめ者(自分含め)が、楽に、かつ、正確に取りまとめできる様式を作れるか、が問われます。
「川上」の配慮・工夫は「川下」の作業を楽にし、逆に「川上」が配慮・工夫に欠けた様式を作ると、「川下」の作業量は膨大になります(照会先×作業量)。
残念ながら、ここも多くの公務員が苦手とするところです。「苦手」というより、意識できていない、といった方が正しいでしょう。
入力者や取りまとめ者の手間を「想像」でき、その手間を最小化する知識が求められます。
*勿論、そもそもエクセルを使わずにWEB等で取りまとめが自動で出来れば、それが理想ですが、現実はまだまだEXCELが多いようです。
6 作表(必要スキル:想像力、書式のルール等)
・データをわかりやすい表にまとめることが出来る。
これは多くの公務員が日常的にやっていることと思います。
ただし、残念ながら、分かりやすいとはいえないものがあります。
説明しないと分からない表はダメです。
理想は、組織内で一定の「型」を持つこと。
これにより、個々の職員の「迷い」や「ブレ」が減ります。
見る側の負担も減ります。
また、入力 ⇒ 集計 ⇒ 作表 という3ステップではなく、入力 ⇒(自動集計)⇒ 作表、という「入力、即集計」の2ステップが理想です。
7 グラフ作成(必要スキル:想像力、グラフ作製の知識)
・データをわかりやすいグラフに出来る
これも、公務員には苦手な分野です。
定型的なグラフは作れても、分かりやすいとはいえないものを散見します。
なお、グラフについては、当サイトの弱いところです。
中々グラフまで辿り着けない、という状態です。
私もグラフを作ることがありますが、こんなとことに注意しています(詳細はいずれ)。
① 初期設定(デフォルト)の色は使わない。
⓶ 凡例は枠外に表示しない(デフォルトの凡例は削除)
③ 円グラフ・3Dグラフは使わない。
④ グラフ内に数値を表示する(可能な限り)
⑤ 複雑にしない。
8 分析(必要スキル:想像力、論理的能力、言語化能力等)
・集計したデータから、傾向や今後を把握することが出来る。
重要ですが、これも公務員の多くは弱いところでしょう。
データは集計できても、そこから何を見出すか。
理想は表なりグラフなりから「傾向」を見出すことですが、公務員は主観的な判断を嫌う傾向があるため、どうしてものっぺりとしたデータの一覧やグラフになりがちです。
データの一覧を集計・グラフ化して、傾向や今後の展開を予測する、これは「計画」「戦略」といった大きな視点でものごとを見る際にはとても重要です。
あるいは、データの塊が、どんな要素からできているか、それを解きほぐせるか、も重要です。テストに例えれば、平均点だけを注目するのではなく、科目別や個人別の「偏り」「ばらつき」等に気づけるか、それをどう捉えて、どう対応していくか、です(学校の先生は、当然そうしていることでしょう。勿論平均も重要です)。
9 自動化(必要スキル:分解力、生成AI操作/言語化能力、VBAの知識等)
・繰り返し業務を自動化するマクロを作ることが出来る
公務員の業務の多くは定型業務(ルーティン)です。法律・規則・政令・条例・要綱・要領等で定められた手順に従って案件を処理していきます。
集計等も同じ作業の「繰り返し」が多くあります。
この同じ作業の繰り返しを人間がいちいちやっていくのは非効率です。
Excelには定型的な作業を自動化できる「マクロ」(VBA)という機能があります。
これを使うことで、定型的な業務を人力で行うことなく、迅速かつ正確に行うことができます。
必ずしも「マクロ」である必要はありませんが、個人の資質によらず、誰でも同じ作業・結果を「再現できる」仕組みを作る、ことが重要です。
マクロについても、当サイトではほとんど触れていませんが、マクロ(VBA)の作成には必ずしも専門知識はいりません(あった方がいいのは事実)。
今なら、適切な指示文(プロンプト)を与えることで、そのまま使えるマクロを生成AIが作成してくれます(内容による)。
ただし、そのためには、作業をどう細分化し、言語化していくか、が必要になります。
最近私は定型文書(相手先ごとに額等が異なる)をマクロでPDF化するようになり大変楽になりました。
これについても、順次記事にしていきます。
10 引き継ぎ(必要スキル:想像力、言語化能力等)
・作成した集計表やマクロを後任が問題なく使えるよう引き継げる
公務員に異動は付きもののです。
2~4年毎の異動時には後任に適切に引き継ぐ必要があります。
その際、個々のエクセルファイルの扱い方や修正方法を細かく説明することは時間的にも困難です。
引継ぎを受ける側も、一度に全ては理解できません(担当事務自体の知識がなくイメージできない)。
そのため、口頭(だけ)で引き継ぐのではなく、文書で引き継ぐ必要があります(文書=Wordとは限らない)。
そもそも、エクセルで数式やマクロを作成する際は、引継ぎを想定した作りこみ(なるべくシンプルに)やマニュアル(解説)の作成が重要です(引継ぎ時ではなく、作成時に行うことが望まれます)。
業務をブラックボックス化しないために、これらはとても重要です。
以上、ざっくりですが、「業務」の観点から見た「公務員に必要なエクセルの知識」です。
もちろん、公務員にはエクセル以外にも様々な知識が必要です(むしろ、そちらの方が重要)。
ただし、担当業務が変われば、必要な知識(法律等)も変わります。
一方で、上記のスキルは、使用頻度やレベルの差はあれ、どこの部署にいっても役に立ちます。
そのために、これらにスキルを習得しておくことは、公務員として、効率的かつ正確な業務遂行にとても重要です。
同じ作業を効率的(=短時間)で行えれば、より創造的な業務に時間を充てられます。あるいは、自分時間(休暇)も得られます。
また、正確な業務を行うことは、「手戻り」の発生を防ぐぎことになり、結果、「効率的」であるとともに、「信頼性の獲得」にも繋がります。
以上
各項目の詳細は 目次 からどうぞ。順次追加しています。
選挙の夜に(以前から書き溜めていたものですが)。
速報は冒頭のみで止めました。どう変わっていくのでしょうか。
