「社労士って、いつからこんなに難しくなったんだろう?」司法書士・行政書士試験と比較
私が資格系の情報を見ていたのは平成20年代の前半まででした。
最近noteを始めていろいろな情報と見てみると、「社労士の合格率が随分低いな。」と感じていました。
私自身は社労士の試験は受けたことがないのですが、「社労士ってこんなに難しいイメージの試験だっけな?」というのが正直感じていることでした。
そんな疑問を払拭しようと調べて、司法書士と行政書士と社労士の受験者数、合格者数、合格率だけを比較してみました。
この3つの資格が比較対象としてちょうどよいかなというチョイスです。
受験者数の推移(社労士・行政書士・司法書士)
まずそれぞれの受験者数の推移を見てみます。

行政書士|2000年代前半の急進は「ブームの波」
まず目につくのが、行政書士の急激な伸びです。
2000年頃から2006年頃にかけて、受験者数は一気に跳ね上がっています。
2001年(平成13年)の行政書士法改正などもありますでしょうが、それだけでは説明がつきません。
大きな要因となったであろうことは、2001年(平成13年)に放送されたテレビドラマ『カバチタレ!』の社会的インパクトでしょう。
それまで「役所の代書屋」という地味なイメージで語られていた行政書士という職業を、現代的な「街の法律家」として世に知らしめました。
漫画でもあったのですが、絵が受け入れられないという人が多かったですね。
資格予備校や通信講座市場もこのブームに即座に反応し、「ドラマで話題の資格」というキャッチコピーでプロモーションを展開して、、普段は法律に触れることのない層(主婦、学生、非法律系会社員)を大量に受験市場へ招き入れることに成功しました。
それに、平成18年(2006年)の試験制度抜本改革が重なりました。
「新制度になれば合格は至難の業になる」という予測からの、いわゆる「駆け込み需要」があったということにもなるでしょう。
記述式が増えたのはこの時です。
司法書士|伸びの正体は「制度による役割拡張」
司法書士も、2000年代前半から後半にかけて明確な上昇トレンドを描いています。

この背景にあるのが、簡易裁判所における訴訟代理権の付与です。
さらにその後、過払い金返還請求が社会問題化し、
業務のイメージが分かりやすくなった
稼げる資格というイメージになった
ことで、難関であっても「挑戦する価値がある資格」として選ばれるようになります。
社労士|唯一「静かに伸び続ける資格」
一方で、社労士だけはまったく違う動きをしています。
急激な跳ね上がりがない
大きな崩落もない
長期で見ると、ゆるやかに右肩上がり
合格者数の推移(社労士・行政書士・司法書士)
次に、同じ3資格について「合格者数」の推移を見てみます。

このグラフは、「どれくらいの人が受かったか」を示していますが、実際に見てほしいのは人数そのものよりも、その動き方の違いです。
社会保険労務士|合格者数の推移
まず社労士ですが、2000年以降の合格者数を見てみます。

受験者数は増減しているにもかかわらず、合格者数はおおむね2,000人台後半から3,000人前後で、2015年からは受験者数が増えているにもかかわらず合格者数は減っていくという動きになっています。
行政書士|受験者数に連動して合格者数が大きく動く試験
次に、行政書士について、受験者数と合格者数の推移を見てみます。

受験者数が増減すると、それに合わせるように合格者数も増減しており、両者が比較的きれいに連動している動きが見られます。社労士のように受験者数が増えても合格者数を抑える運用とは異なり、行政書士では受験者が増えた局面では合格者数も増え、受験者が減少すると合格者数も減少する傾向がはっきり表れています。そのため、年ごとの受験市場の規模が、そのまま合格者数に反映されやすい試験だと読み取ることができます。
司法書士|受験者数と合格者数が連動するが、強く絞られた試験
次に、司法書士について、受験者数と合格者数の推移を見てみます。

このグラフを見ると、司法書士も行政書士と同様に、受験者数と合格者数が一定程度連動して動いていることが分かります。2000年代前半から後半にかけて受験者数が増加すると、それに合わせて合格者数も増え、2008年前後には合格者数がピークに達しています。
その後、受験者数が減少に転じると、合格者数も同様に減少しており、両者が同じ方向に動いている点は明確です。
合格者数の推移から見える3資格の違い
ここまで、社労士・行政書士・司法書士について、合格者数の推移を中心に見てきました。
行政書士と司法書士では、受験者数の増減に合わせて合格者数も同じ方向に動いており、受験市場の規模がそのまま合格者数に反映されやすい構造が確認できます。振れ幅の大小はあるものの、「受験者が増えた年には合格者も増える」「受験者が減れば合格者も減る」という動き自体は共通しています。
一方で、社会保険労務士だけは明らかに異なる挙動を示しています。受験者数が増加している局面でも、合格者数は増えず、むしろ減少する時期が見られました。
合格率の推移(社労士・行政書士・司法書士)
最後に、3資格の合格率の推移を見てみます。

このグラフを見ると、行政書士・司法書士・社労士では、合格率の動き方が大きく異なっていることが分かります。
行政書士の合格率の不安定さは、人生を書けて臨む人もいる国家資格としてはちょっと問題が大きいのではないかと昔から感じています。
更にまた直近の上がり方がひどいですね。私の数値の入力ミスかと思ってしまうようなグラフになってしまいました。
このような試験だからいつまで経っても行政書士の逮捕報道が後を絶たないのでしょうね。
司法書士は、長年合格率が3%以下だったのですが、2021年くらいから5%ほどになりました。
一方で、社会保険労務士は、合格率が長期的に緩やかに低下している様子が確認できます。2000年代初頭には10%前後だった合格率が、2020年頃からは5%台にまで下がっており、低下傾向が特徴的です。
社労士試験が難化していっている背景についても書いていこうかなと書き始めたのですが、少し長くなりすぎてしまったので、本日はここまでとします。
最後までお目通しいただきありがとうございました。
