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【後編】中小企業診断士1次はタイパ最優先!アラフォーが3ヶ月の短期攻略に挑んだ話(実践編)

前回の戦略編では、試験の構造を読み、問題のレベルを読み、忘れやすさから順番を決める、という1次攻略の考え方を書きました。

今回はその続きで、7科目を実際にどう攻略したのか、結果はどうだったのかを、具体的に書いていきます。
前提として、私は理系院卒のメーカー勤務で、簿記は持っておらず、経営の知識もほぼゼロ。予備知識といえば、趣味で取ったFP2級と、工場勤務で得た生産管理の知識くらいでした。そこからのスタートです。
なお、実際の私の得点も載せていますので、戦略編で「どこで稼ぎ、どこは守るか」を設計した、その答え合わせとして見てもらえたらと思います。狙い通りにいった科目もあれば、そうでない科目もありました。


■ 経済学・経済政策(手堅い)

まずは初日の1科目目、60分科目からです。経済は比較的単純暗記は少ないと思います。
IS-LM分析では、政府や日銀がどうするとグラフがどう動くか。クラウディングアウト、流動性の罠、といった頻出ワードも言葉の意味でなんとなく挙動は覚えられるので、早めに着手しました。
また、ナッシュ均衡のような、暗記ではなく考えれば解ける問題も演習だけは少しやりました。無差別曲線、ギッフェン財といったミクロ経済部分は、単語自体は覚えるしかありませんが、グラフの動きと合わせてなんとなく理解。フリーライダーやモラルハザード、情報の非対称性などは意味と合わせて覚えやすいので比較的苦労はしませんでした。
大体5日程度詰め込んで、2日は過去問を2年分くらいやる。当然わからない問題もありましたが、頻出問題が絞られていたので、大きく失点するイメージはありませんでした。目標は60点。ここに時間をかけすぎず、浮いた分を財務に回しました。

■ 財務会計(厳しい壁)

続く2科目目も60分科目です。正直に言うと、全部が要領よくいったわけではありません。財務だけは例外でした。
簿記の下地がなく、受験者のレベルが高いぶん問題も絶対的に難しい。ここばかりは、小手先の効率化が通用しませんでした。腹をくくって、TACの定番問題集で演習量を積む。地道に手を動かして、なんとか合格ラインまで持っていきました。財務は、演習量がものを言う科目だと思います。2次を見据えると本腰入れてやってもいいんですが、私には時間がなかったので、思い切って原価計算とキャッシュフロー計算周りは全部捨てていました。
株は好きで、ファイナンスも興味はあったので、PER、EPS、CAPM、WACC、βなどは抵抗なくすぐに頭に入りました。NPV、IRRなどは2次ではマストですが、一次では未完成でした。
経営分析関係は苦労しましたが、何度もやって覚えました。ROE(Return on Equity)など、単語からある程度計算方法も推定できますが、そんなことやっていると時間が無いので、無理やり覚えました。ただし、これらは単純暗記というより、それぞれの数字を掛け合わせて純利益や成長率などを求めたりできるので、それぞれが関連する計算式群としてまとめて覚えた記憶があります。
財務は知識を詰め込んで過去問を解いてみても、割と絶望することが多いです。これは演習をやるしか無いですね。要点を絞って効率化できる科目と、演習量が必要な科目があり、財務は後者なので、テキストよりも過去問を中心にやるのが良いかと思います。勉強時期は中盤に覚えて、終盤まで演習を継続。目標は60点。

■ 企業経営理論(絶対稼ぐ)

ここからが午後の部、得点源に据えた90分科目のひとつです。ここはしっかりやりました。
この科目が良かったのは、意味のない丸暗記が少ないことです。VRIOは頭文字のひとつひとつに意味があるし、PPMの「金のなる木」「問題児」も、名前自体が概念を表していてイメージしやすい。3C分析も言葉に意味がある。理解して覚えられるので、比較的楽しく学べました。この科目が中小企業診断士「ならでは」の科目で、最重要だと思いますので、しっかりやりたいところです。とっつき易く、難易度も低いと思います。頻出に絞るというよりは全範囲をしっかりやるのが良いかと思います。
私は大人になってから、意味のない丸暗記が辛くなった一方で、理屈と結びつく知識はよく定着します。企業経営理論は、まさにその得意なタイプの科目でした。だから迷わず主力にしました。前半戦で一気に仕上げて、目標は70点。

■ 運営管理(個人的に得意)

初日の最後は、もうひとつの得点源です。私はメーカー勤務で、QC検定3級くらいなら無勉強でも受かる程度の素養がありました。だから、用語を少し覚えて過去問を回すだけで、安定して60点、上振れれば75点、という感覚がありました。
運営管理も単純な暗記というよりは、何か理由があってこういうやり方をする、という解法がほとんどですので、前半戦に取り組みました。こちらも頻出に絞るというよりは全範囲を満遍なくやりました。予備知識があったので、10日くらいで仕上がったと思います。目標は70点。
難問も散りばめられているので、満点は到底無理ですが。過去問をやった感じでは、60点は安定しましたので、最も得意な科目として、合格戦略の土台になりました。ここが崩れない限り全体が大崩れしない、という安心感です。

■ 経営法務(狙い目と予想)

ここから2日目です。まずは60分科目、つまり守りの科目です。ただ、その中でも法務は、例外的に力を入れる価値がありました。
法務は苦手にする人が多いのか、問題が意外と素直です。私は株取引を通じて、企業法務に興味がありましたし、特許出願、維持を業務でやったこともあるので、知財も最低限の予備知識はありました。下請法にも馴染みがある。これはいける、と直感しました。
みんなが敬遠する科目を、下地を活かして攻める。60分科目ながら、ここは攻めに回しました。取締役会の人数などは野網先生の「まとめシート」でサクッと覚えました。後半の7月ごろから着手しましたが、思っていたより覚えることが少なく、手応えはありました。難化する可能性もあると考え、目標は60点としました。

■ 経営情報システム(下振れ懸念)

続く60分科目です。高校時代に(今は無くなった)初級シスアドを取ったり、自作PCを組んだりしていたので、自分のITリテラシーは平均より少し上と予想。診断士の情報は最新知識より伝統的な情報処理試験に近いので、その点は有利でした。株式投資を通じてAIなどにも興味がありました。
が、全体的に覚える単語に意味がなく、バーコードなんてもはや何をやっているかわからなくなり、なかなか定着しませんでした。大崩れはしないけれど、勉強効率は悪い。60点取れれば上出来、と割り切りました。7月以降の終盤に勉強を始め、目標は足切り回避の50点としました。

■ 中小企業経営・政策(直前に詰め込んで稼ぐ)

最後の科目は3つ目の90分科目です。稼ぐつもりの科目でしたが、結果として時間が足りませんでした。他の科目がなかなか仕上がらず、その皺寄せがあったのと、何より範囲が膨大でした。毎年発行される白書から出題されるのですが、いざ取り組んでみると、大苦戦。今ならNotebookLMに白書を読ませて作問してもらったり、要点をまとめてもらうなどするでしょうが、当時はそんなものはありませんでしたので、かなり苦戦しました。この時すでに試験一週間前。得点源にするのは無理だと悟り、軌道修正。
足切りを回避できるだけの知識を蓄えることにしました。
急遽、問題形式に慣れるために過去問マスター(過去マス)を購入し、三日で終わらせました。忘れる前に本番を迎える作戦です。

※時事問題に過去問(過去マス)を使うのは非効率にも思えますが、あえて使いました。過去マスは「出る順」に問題が整理されているため、とにかく頻出テーマだけを確実に拾うには最適だったからです。目標は50点としました。

■ 目標を足すと、ちょうど420点

こうして7科目それぞれに目標点を置きました。合計すると、ちょうど420点。合格ラインぴったりです。
ちなみに、試験直前3日は、全科目の過去問を総ざらいしていました。直前の手応えは、五分五分。足切りと得意科目の難化がなければ、、、要するに試験が自分がやったところからたくさん出れば受かるだろう、という感じでした。なんだそりゃ。

■ 結果と、答え合わせ

実際の得点(没問による全員正解を含む)は、次のとおりでした。

経済   目標60点 結果64点(合格率14.3%)
財務   目標60点 結果68点(合格率15.1%)
経営理論 目標70点 結果72点(合格率39.9%)
運営管理 目標70点 結果75点(合格率26.8%)
法務   目標60点 結果76点(合格率13.2%)
情報   目標50点 結果60点(合格率15.6%)
経営政策 目標50点 結果56点(合格率5.6%)
合計 471点/700点

大体目標を上回る結果となりました。正直財務は全然自信がなく、足切りすらよぎりましたが運にも恵まれ、予想外に良い点を取ることができました。
稼ぐと決めた90分科目は経営政策が唯一の60点未達(合格率も6%以下と大幅難化)でしたが、他の二科目は想定通りの点数。60分科目は法務で高得点を取ることができましたが、残りは60点前後に収まっています。結果として総合471点とかなり上振れた点数に着地しました。
科目別には目標点とは大きく乖離はしておらず、ある程度想定通りの結果になりました。狙ったところで狙った点を取り、苦手は最低限で耐える。その設計が機能したことのほうが、私にとっては手応えでした。

■ 投資先を絞る。メイン教材は「まとめシート」一択

結果として、参考書はいろいろ買いましたが、メインで使ったのは野網先生の「まとめシート」です。結局これ1冊(上下巻)に集約すればよかった、というのが正直な感想です。これに加えて、財務はTACの問題集、中小企業経営・政策は過去マス。あとは通勤中に耳だけYouTube動画など。
よく言われていますが、教材を増やすほどどれも中途半端になります。1冊を信じて回すほうが、短期戦では効くと思います。(とはいえ、たくさん揃えたくなる気持ちもわかります。)

■ タイムマネジメントが大変だった

偉そうに戦略を語ってきましたが、時間の確保は、けっこう泥臭かったです。
当時は共働きで、家事と子供の寝かしつけを終えて、だいたい23時から25時までの2時間が勉強時間。通勤中は診断士試験のYouTube解説を聞いていました。1日およそ2時間、直前期は4時間ほど。ネットでは酸素缶を吸うと良いという怪情報が流れていたので、信じて吸いながら勉強していました。今となっては狂気の沙汰です。
それでも続いたのは、やっぱり面白かったからではないかと思います。特に企業経営理論は自分にとって新鮮でした、魅力ある科目だと思います。

こうして1次試験は、なんとか突破できました。ここからが2次、本当の競争の舞台です。その話は、また別の記事で。
noteを始めて1ヶ月ほど。まだ記事も少ないですが、フォローやスキをいただけると励みになります🐉

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