広末さんを悪者にしても家族の問題は解決しない〜広末涼子さんの問題を心理学の視点から考察する③〜
今回のような一件があると、広末さんを「ヒドい母親だ」「最低な妻だ」と悪者扱いする流れがあります。
また、キャンドル・ジュンさんの関わりに問題があるから、広末さんが不倫に走ったのではないかという考え方もあります。
私が提供する家族療法の家族心理学では、夫婦の問題において、どちらか一方を悪者にすることはありません。
問題があると犯人捜しをしてしまうワケ
夫婦や家庭で問題やトラブルが発生したときに、つい相手のせいにしたり、犯人捜しをしたりしませんでしょうか。
「Aという問題を生み出した原因はBだ」といった「ものの見方」を
直線的因果論といいます。

僕たちは、この直線的因果論で、ものごとの原因を特定したくなる傾向があります。
今回の広末さんのケースでは、様々な事が憶測として言われています。
例えば、キャンドル・ジュンさんが、被災地の支援活動で忙しく、広末さんに対して、寂しい思いをさせたことが、不倫に走らせた。という考察が以下の記事では寄せられています。
夫の被災地支援活動→妻が寂しい思い→妻の不倫
という因果関係です。
また、広末さんは、好きになると一途で、周りが見えなくなる性格であり、結婚していようが、子どもがいようが、仕事が失うことがお構いなしに、突っ走ってしまったという考えも精神科医の方から示されています。
広末さんの一途な性格→不倫
という因果関係です。
誰も悪者にしないという考えが解決に導く
僕たちは、直線的因果論でものごとを考えてしまう傾向があり、
犯人さがし(原因さがし)をして、犯人(原因)を特定したくなる
わけです。
しかし、実際のところ、人間関係の問題や家族の問題においては、
直線的因果論による原因特定では、問題解決に至らない場合が多いのです。
犯人(原因)らしきものを見つけて、それを変えようとしても、
実際はうまくいかず、行き詰ってしまうケースがとても多いのです。
「妻の不倫は、夫の関わり方が悪かったからだ」
といった直線的因果論で問題を捉えるのではなく、
視野を家族全体に広げて、家族内の様々な関係性を包括的・全体的に
見ていく循環的因果論(円環的因果論)で家族全体を見ていく必要があるのです。

家族療法においては、
子どもと母親の関係、子どもと父親の関係、だけでなく、
両親の夫婦関係、両親と祖父母の関係、子どもの兄弟姉妹関係、
など、様々な関係が複雑にからみあう、システムとして家族を捉え、
「家族システムのバランスの歪みを表面化する役を、今は妻が引き受けていて、不倫という形で表現している」
と考えます。
家族療法においては、症状や問題行動を起こしている人のことを、
IP(アイデンティファイド・ペイシェント)と呼びます。
これは「患者とみなされている人」、
あるいは「患者の役割を担っている人」という意味です。
今回の例だと、広末さんがIPということになるわけです。
症状や問題行動を起こしている人(IP)は、実は「患者」なのではなく、
「患者の役(家族全体の問題を表面化する役)を担っている人」
なのであり、
家族システム全体のバランスを調整できたなら、症状や問題行動を起こす役(患者の役)を担う必要がなくなるわけです。
このような考え方にもとづいて、家族療法では、家族の問題を誰のせいにもしません。
家族各人どうしの関係性や家族システム全体のバランスを見ていき、そこにアプローチしていくことによって、結果的に、IPの症状や問題行動を解決していくのです。
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